レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20200716
- 登録日時
- 2021/01/15 00:30
- 更新日時
- 2021/03/22 13:55
- 管理番号
- 0401002055
- 質問
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解決
大嘗祭に鹿児島県から米が献上されたか?
- 回答
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①『大嘗祭の起こりと神社信仰』(三和書籍,2019年)の目次によると各大嘗祭の斎田は、
平成大嘗祭「五城目町(秋田県)と玖珠町(大分県)」
昭和大嘗祭「野洲市三上(滋賀県)と福岡市脇山(福岡県)」
大正大嘗祭「岡崎市六ツ美(愛知県)と綾川町(香川県)」
明治大嘗祭「甲府市石田(山梨県)と安房鴨川(千葉県)」とあった。
またp.107~「歴代の斎田地と回数」という章に「第四十代の天武天皇以降の大嘗祭における悠紀・主基地方」として一覧表が載っており、その表で確認すると、鹿児島県は斎田に選ばれていなかった。
②『皇室の伝統精神と即位礼・大嘗祭』(加瀬英明・他/著,広池学園出版部,1990年)
p.89~:明治から昭和の斎田の記載あり。
なお、大嘗祭は天皇の代替わりの年の新嘗祭のことで、通常の新嘗祭は毎年行われている。
p.87に
「これが明治になりますと、いささかの変転を見まして、明治天皇が全国の知事の要請にお応えになり、全国の農家の新穀の献納も受けられることになります。そして今日に至るまで、新穀献上ということで、全国の農家の新穀もお受けになっております」と書かれていた。
依頼者の記憶は昭和20年代頃に鹿児島から米が献上されたということだったので、新嘗祭のことだったのではないか。
インターネットでも調べてみたところ
JA山形おきたまの記事「2016年度新嘗祭(にいなめさい)献上穀物修祓(しゅばつ)式」
http://www.okitama-yt-ja.or.jp/news/news160615_01.html(2020年7月現在)にも、
全国から献上されるお米の「任意献納」について書かれていたため参考までに記録しておく。
この他③『皇室事典』皇室事典編集委員会/編著,KADOKAWA,2019年(0140895889)の
p.254に明治の大嘗祭(甲斐国巨摩郡、安房国長狭郡)、
p.255に昭和の大嘗祭(滋賀県・福岡県)、
p.264に平成の大嘗祭(秋田県五城目町、大田主伊藤容一郎、大分県玖珠町、大田主穴井進)とそれぞれの大嘗祭の斎田が記載されていた。
- 回答プロセス
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③で大嘗祭について確認したところ、各大嘗祭の斎田は明治は「甲斐国巨摩郡と安房国長狭郡」(p.254)、昭和は「滋賀県と福岡県」(p.255)、平成は「秋田県五城目町と大分県玖珠町」(p.264)だった。
大正時代について記載がなかったため①を見ると、目次やp.107に歴代の斎田の記載があり、鹿児島県が斎田に選ばれている年はないことがわかった。
依頼者の情報によると昭和20年代とのことだったので、天皇の代替わりではない年の新嘗祭の可能性もあったため、②で新嘗祭に献上される米の選定について調査し、回答に記したとおりのことがわかった。
併せてインターネットでも実際に新嘗祭に米を献上していることが書かれた記事を調査した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 系譜.家史.皇室 (288 10版)
- 参考資料
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- 大嘗祭の起こりと神社信仰,森田 勇造/著,三和書籍,2019.4 (目次,p.107~|0141800235|/210/モ/)
- 皇室の伝統精神と即位礼・大嘗祭,加瀬 英明/[ほか]著,広池学園出版部,1990.7 (p.87,p.89~|0114563547|/210/カ/)
- 皇室事典,皇室事典編集委員会/編著,KADOKAWA,2019.11 (p.254,p255,p.264|0140895889|R/288.4/コ/)
- 平成皇室事典,主婦の友社/編,主婦の友社,1999.2 (0117141481|R/288.4/シ/)
- 皇室事典,皇室事典編集委員会/編著,角川学芸出版,2009.4 (0118518588|R/288.4/コ/)
- キーワード
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- 斎田
- 大嘗祭
- 新嘗祭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000292400