レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年06月08日
- 登録日時
- 2023/01/19 13:00
- 更新日時
- 2023/04/07 16:06
- 管理番号
- 北広島町2017-03
- 質問
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解決
鎌倉時代中期、駿河国から安芸国大朝本荘へ赴任した吉川氏という地頭で御家人のことについて。
安芸国に移動の時に、駿河国の吉川(静岡県清水区吉川)の住民をかなり連れて行ったようである、と言われているが本当か?
また、その移住した住民らが宴会等(田植え完了の農上がりの宴会等)の時に、駿河弁の歌を歌っていたという。その歌詞が知りたい。
- 回答
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資料1『大朝町史 上』
p.130~136 「第一節 吉川氏の入部」
p.136 「経高はこの年四月一族をひきいて駿河国吉河村を出発し、五月五日大朝に到着した」
資料2『静岡県史 通史編2 中世』
p110 「西遷御家人達の本領」
「大朝荘が事実上吉川氏の本領となるのは、(中略)十三世紀末のころであるが、この間約半世紀の間、領主の一族や家人ばかりでなく、より広範囲の人々が駿河を離れ、西国の新恩地へと旅立っていったことは、かの地に伝わる田植歌に東国固有の言い回しが少なからず認められる事実が示している」
田植歌は主に田植仕事の際に歌われるものだが、質問の歌が田植歌のことであるとすれば資料2 p492に「大朝地方で古くから歌いつがれた田植歌を書きつらねた、田植歌本は多い。その中の一本に中世歌謡の古典的地位を占めて有名は『田植草紙』がある」「『日本歌謡集成』第五(昭和三年刊)におさめられた。その後、昭和三十四年には、志田延義博士によって、日本古典文学大系『中世歌謡集』に収められている」とある。
資料2で紹介されている『日本歌謡集成』第五、『中世歌謡集』自体の所蔵はないが、
所蔵資料の中では資料3『日本古典文学大系 44』資料4『新日本古典文学大系 62』に同じ『田植草紙』が収録されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 中国地方 (217 10版)
- 邦楽 (768 10版)
- 参考資料
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資料1 大朝町史編纂委員 編 , 大朝町 (広島県). 大朝町史 上巻. 大朝町, 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002620068-00 -
資料2 静岡県 編 , 静岡県. 静岡県史 通史編 2 (中世). 静岡県, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002668382-00 -
資料3 新間進一, 志田延義, 淺野建二校注 , 新間, 進一 , 志田, 延義 , 浅野, 建二 , 隆達. 中世近世歌謡集. 岩波書店, 1959. (日本古典文學大系, 44)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I000820498-00 , ISBN 4000600443 -
資料4 友久武文, 山内洋一郎校注 . 真鍋昌弘校注 . [菅江真澄編] ; 森山弘毅校注 . 外間守善校注 , 友久, 武文 , 山内, 洋一郎 , 真鍋, 昌弘 , 菅江, 真澄 , 森山, 弘毅 , 井出, 幸男 , 外間, 守善. 田植草紙 . 山家鳥虫歌 . 鄙廼一曲 . 琉歌百控. 岩波書店, 1997. (新日本古典文学大系, 62)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I011021757-00 , ISBN 400240062X
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資料1 大朝町史編纂委員 編 , 大朝町 (広島県). 大朝町史 上巻. 大朝町, 1978.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000327590