レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2020/09/01 16:16
- 更新日時
- 2021/03/09 16:30
- 管理番号
- 愛知県図-03415
- 質問
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解決
パプアニューギニアのダニ族の言語には色の名前が2つしかないというが、何色と何色なのか?
『ことばと思考(岩波新書新赤版1278)』今井むつみ著(岩波書店 2010.10)のp.21に、世界中の言語の調査で色の名前の数がもっとも少ない言語だと書かれている。
- 回答
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『基本の色彩語 普遍性と進化について』【資料1】によると、
ダニ語の色彩語は、
「modla 明るい、まぶしい [白色]」と
「mili 暗い、曇っている [黒色]」である。
- 回答プロセス
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1 参考図書を確認
『言語学大辞典 世界言語編』【資料2】のpp.631‐632「ダニ語」の項目を確認したところ、色については記載されていない。
2 質問に出てきた資料を確認
『ことばと思考』【資料3】を確認したところ、p.21に「アメリカのカリフォルニア大学の研究グループが、世界中の言語のなかから一一九のサンプルを取り出し、それぞれの言語における色の基礎名の数を調査した。色の名前の数がもっとも少ないのは、パプアニューギニアのダニ族という部族の言語で、この言語には色の名前が二つしかない。」とある。
本文に具体的に何色という記載はないが、巻末に参考文献の記載があることが分かる。
3 当館OPACで検索
【資料3】巻末の参考文献に出てくる文献の著者の著作がないか確認したところ、B.BerlinとP.Kayの著作『基本の色彩語 普遍性と進化について』【資料1】があった。その資料の索引に「ダニ語」があり、p.69を見ると「基本の色彩語 modla 明るい、まぶしい[白色] mili 暗い、曇っている[黒色]」や「ダニ語の色彩語はmodlaとmiliしかない。」などの記述がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 言語学 (801 9版)
- 民族学.文化人類学 (389 9版)
- 参考資料
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【資料1】『基本の色彩語 : 普遍性と進化について』ブレント・バーリン ,ポール・ケイ[著] ,日髙杏子 訳 法政大学出版局 2016 (叢書・ウニベルシタス ; 1041)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027293221-00 , ISBN 9784588010415 (当館資料コード:1111224580) -
『言語学大辞典 第2巻(世界言語編 中 さ~に)』亀井孝 [ほか]編著 , 亀井, 孝 三省堂 1989
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002002986-00 , ISBN 4385152160 (当館資料コード:1105088080) -
『ことばと思考』今井むつみ 著 岩波書店 2010 (岩波新書 ; 新赤版1278)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011025896-00 , ISBN 9784004312789 (当館資料コード:1110073239)
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【資料1】『基本の色彩語 : 普遍性と進化について』ブレント・バーリン ,ポール・ケイ[著] ,日髙杏子 訳 法政大学出版局 2016 (叢書・ウニベルシタス ; 1041)
- キーワード
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- ダニ族
- 言語
- 色
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286425