①国立国会図書館 リサーチ・ナビ 「過去の貨幣価値の調べ方」
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/theme_honbun_102809.html 「1.過去の貨幣価値を概算する」で②,③が紹介されている。
②日本銀行WEBサイト
ホーム>日本銀行について>日本銀行の紹介>教えて!にちぎん>日本銀行や金融についての歴史・豆知識>昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?
(
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/history/j12.htm)
「財(モノ)やサービスの種類によって、価格の上昇率がまちまちであるため、お金の価値を単純に比較することはなかなか困難です。そこで、「今の物価は、昭和40年と比べてどのくらいの水準なのか?」という質問に置き換え、いくつかの数字を使って考えてみましょう。(後略)」
物価指数や計算式の掲載あり。
↓
(1)企業物価指数(国内企業物価指数)
114.7(令和4年)÷49.0(昭和40年)=2.3倍
(2)消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)
102.7(令和4年)÷23.9(昭和40年)=4.3倍
⇒質問の明治期については企業物価指数の「戦前基準指数」の掲載があり、上記(1)の計算式を明治34年と明治45年(大正1年)で令和4年と比較して計算してみる。
859.4(2022年 令和4年)÷0.469(1901年 明治34年)=1832.409…… 約1832倍
859.4(2022年 令和4年)÷0.646(1912年 明治45年)=1330.340…… 約1330倍
③日本銀行金融研究所貨幣博物館
“江戸時代の1両は今のいくらになるか“に対し、「簡単には言えません」とし、その理由や目安として当時のモノの値段を現在と比べる方法等が提示されている。
https://www.imes.boj.or.jp/cm/history/historyfaq/mod/1ryou.pdf④『物価の文化史事典 : 明治/大正/昭和/平成』
森永 卓郎/監修 甲賀忠一+制作部委員会/編 展望社 2008.7 337.821 ISBN:4-88546-194-1
p.29 「米・小売価格110年の変遷①(大蔵省調査)1893~0923 単位:10㎏ 銘柄:白米中級品」
・1983(明治26):66銭5厘
・1912(明治45/大正1):1円70銭1厘
・1922(大正11):3円3銭
明治時代の中でも大きく差がある。
1円=100銭なので、明治26年は約0.66円
現在の白米中級品の小売り価格を調査→⑥へ
⑤農林水産省WEBサイト
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/221018.htmlホーム>会見・報道・広報>報道発表資料>令和4年産米の相対取引価格・数量について(令和4年9月)
令和4年10月18日付 農林水産省
「令和4年9月の相対取引価格は、全銘柄平均価格で13,961円/玄米60kg、相対取引数量は、全銘柄合計で15万トンとなっています。」
13961円÷6=2326.8333… (全銘柄平均価格で10キロが約2327円)
⑥e-stat(政府統計の総合窓口)
統計名:小売物価統計調査 小売物価統計調査(構造編)
表番号:a0200
表題:調査品目の月別価格及び年平均価格-都道府県庁所在市(2013年~)
(
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003441260)
これによると、うるち米(単一品種 「コシヒカリ」以外)の小売価格は2021年の全都道府県庁所在市平均(5キログラム)がスーパーで2,083円、一般小売店で2,184円。
→④のと比較してみる。
1893年(明治26年) 約0.66円(白米中級品10キログラム)
1912(明治45/大正1):約1.7円(白米中級品10キログラム)
2021年 約4368円(単一品種 「コシヒカリ」以外10キログラム)
2021年は一般小売店の小売価格で比較する。
2021年は明治26年と比べて約6618倍
明治45年と比べて約2569倍
⑦『お金でさぐる日本史 3 (おもしろ日本史入門) 6』
松崎 重広/著 原島 サブロー/画 国土社 1993.4 337 ISBN:4-337-26106-0
p.56 「明治の新政府がはじめて、「円」の単位のお金をつくった時、まず貨幣の基本として、金と銀の一円玉をつくりました。この一円玉は、現在のアルミニウムの一円玉とはちがい、発行された当時は、とてもねうちがありました。明治時代はじめのおまわりさんの月給が、六円だったといいますから、今ならこの一円は、二~三万円ほどのねうちがあることになります。」
→現在と明治期の警察官の初任給を調べる。→⑧,⑨
⑧令和5年度警視庁採用サイト
(
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/saiyo/2023/)
警察官の初任給は1類採用者(大卒程度)で259300円、3類採用者(高卒程度)で221800円。
(令和5年1月1日現在)
⑨国立国会デジタルコレクション
「明治職官沿革表 別冊付録 (明治百年史叢書)」
著者 内閣記録局 編
出版者 原書房
出版年月日 1979.1
永続的識別子 info:ndljp/pid/11932305
(
https://dl.ndl.go.jp/pid/11932305/1/87)
明治19年の俸禄表によると、「巡査及看守」は「六圓以上十圓以下」とある。(p.76-77)
⑧、⑨により以下のように計算。どの数字を使うかで異なるが、明治19年と比較すると、令和5年は2~4万倍の価値がある。
259300円(令和5年・1類採用者(大卒程度)÷「六圓」=43216.666…
259300円(令和5年・1類採用者(大卒程度)÷「十圓」=25930
221800円(令和5年・3類採用者(高卒程度))÷「六圓」=36966.666…
221800円(令和5年・3類採用者(高卒程度))÷「十圓」=22180
⑩『日本の物価と風俗135年のうつり変わり 増補改訂版 : 明治元年〜平成13年』
アカデミー/編集 同盟出版サービス2001.9 337.821 ISBN:4-901426-22-2
物の値段が明治から平成で比較できる。
回答としては、単純に変換できないので「いくら」とは言えない旨伝え、明治期の間でも初めと終わりでは差がある事や計算式を示したが、利用者はあくまで単純な回答が良いと言われ、⑦の内容のみ閲覧された。
以上