レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年06月07日
- 登録日時
- 2017/07/08 17:29
- 更新日時
- 2020/10/08 09:20
- 管理番号
- 1093
- 質問
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解決
国語の授業で心情や情景を表す比喩表現について教えるのだが、日本の小説の一文を例にしたいので、比喩の使われている小説(文章)を紹介してほしい。
- 回答
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・角川文庫版『ブレイブ・ストーリー』(上)宮部みゆき/著
p.86より
「はっきり嘘だと承知しているけれど、他人が耳にしたら確実に驚くであろう言葉を口にすると、舌が刺激的にピリピリする。香辛料みたいだ」
p.89より
「心臓がピンポン玉くらいの大きさになって、ドキドキしながら身体じゅうをコロコロ回っているのを感じる。いつも心臓が収まっている場所はぽかりとお留守になって、そこを冷たい風が吹き抜ける」
p.164より
「ボクの目がピカピカ輝いて、半径一メートルぐらいの周囲を明るく照らしてるんじゃないかと感じた」
・講談社青い鳥文庫版『今夜は眠れない』宮部みゆき/著
p.25より
「前川先生は、無言のままゆっくりと右手をあげて、眉毛をさすった。あまりにおどろいて目をうんと見開いたので、両方の眉毛がはえぎわのほうへずれてしまったのではないかと心配しているみたいだった」
p.33より
「それぞれリビングの床やいすにぺたりとすわりこみ、てんでに別の方向を見つめていた。母さんは北極を、父さんは南極を、そしてぼくは赤道のあたりの方角を」
p.147より
「母さんは、しばらくのあいだ、顔の表情も変えないまま、じっとぼくを見つめていた。でも、それはたまたま視線がぼくのほうをむいているというだけで、母さんの瞳は、くるりと裏返って自分の内側を見ているように感じられた」
p.173より
「その夜、母さんとぼくをたずねて、ハートの女王がやってきた。最初はハートだったけど、話しているうちにとげとげしくなってきて、ダイヤの女王になって帰っていった」
p.177より
「さいしょのうち、部屋のなかは、沈黙という名の王様に支配されていた。この王様は、ものすごく体重が重かった。強がってはみたけれど、ぼくは押しつぶされそうだった」
- 回答プロセス
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中学校の授業で使いたいとのことなので、小説は中学生に読みやすいもの、かつ比喩表現が巧みだと(個人的に)思われる宮部みゆき氏の作品を紹介した。
『ブレイブ・ストーリー』は主人公が小学生であり、アニメや漫画、ゲームなどメディアミックス化されたことで、中学生にも親しみやすいだろうと考えて選んだ。
宮部氏の作品のいくつかは、講談社青い鳥文庫にも収められており、これらは小学校高学年から読めるような体裁がとられているので、中学生にもすすめられると思い、中学生が主人公の『今夜は眠れない』を選んだ。
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000218507