レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/05/05
- 登録日時
- 2012/03/22 02:01
- 更新日時
- 2017/03/25 16:48
- 管理番号
- 6000001281
- 質問
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解決
豊中市の瑞輪寺に墓があるという、水田西吟という人物についてわかる資料はあるか。
- 回答
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水田西吟(みずたさいぎん)は江戸中期の俳人で、井原西鶴の弟子。生年不詳、1678年より摂津国桜塚(現大阪府豊中市桜塚)の落月庵(らくげつあん)に住み、1709年に没。瑞輪寺(ずいりんじ)に「誹宗西吟之塔」と記された墓碑がある。
『大阪墓碑人物事典』『大阪人物事典』『文学にみる豊中の古迹』などに略歴あり。
- 回答プロセス
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『大阪墓碑人物事典』(東方出版)で豊中市内の墓碑を調べる。p211に瑞輪寺の項があり、水田西吟の名と略歴が載っていた。摂津岩屋出身の江戸中期の俳人で井原西鶴に師事し、在坂30年ののち桜塚に隠棲。1709年に没し、瑞輪寺に葬られたとのこと。
『俳文学大事典』(角川書店)には、「さいぎん」で項目あり。年代を明記した略歴と、桜塚で営んだ庵の名が落月庵であることが記載あり。この参考図書が『元禄の大坂俳壇』(前田書店)とあり。こちらも見ていただいたほか、『日本古典文学大事典第三巻 さ-せ』(岩波書店)にも「さいぎん」で項目あり。もと摂津国巌屋の人とあり。桜塚での暮らしについてもふれられている。
また『文学にみる豊中の古迹』(鹿島友治)p17に「桜塚・原田神社と俳諧師西吟」の章があり、西吟の出身は兵庫県伊丹市域にあたる岩屋村(現在の大阪国際空港)であったとあるほか、西吟撰の俳諧集「庵桜」より俳句の抜粋などを見ることができる。『新修豊中市史 通史1』(豊中市)第七章第五節「教育と文化」p829にも「俳諧名所の桜塚」として、西吟と桜塚のかかわりについての記述がある。
さらに『大阪人物事典』(清文堂出版)で「みずたさいぎん」を調べる。p1105に項目あり。当時の俳諧における西吟の位置が詳しい。なお、『大阪人物事典』にのみ、西吟は南河内の出身とある。
このほか、豊中市のサイトに「水田西吟撰原田神社奉納俳諧額」のページhttp://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunkazai/shitei_bunkazai/yuukei/rekishishiryo/rekisisiryou203.html があり、時代背景や西吟の略歴などを見ることができる。また岡町図書館参考室の広報とよなか「歴史散歩」ファイルに広報とよなか1989年6月号の「瑞輪寺と西吟」の記事があり。
なお、西吟の俳書については、大阪府立図書館所蔵の『日本俳書大系』第7巻の「誹諧庵桜」上下(西吟撰)『近世文学資料類従』古俳諧編 30の「庵桜」(西吟編)などにあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『大阪墓碑人物事典』近松 誉文/著(東方出版)
- 『俳文学大辞典』(角川学芸出版)
- 『元禄の大坂俳壇』桜井 武次郎/著(前田書店)
- 『日本古典文学大辞典第3巻』日本古典文学大辞典編集委員会/編(岩波書店)
- 『文学にみる豊中の古迹』鹿島 友治/著(鹿島 友治)
- 『新修豊中市史 第一巻』豊中市史編さん委員会/編集(豊中市)
- 『大阪人物辞典』三善 貞司/編(清文堂出版)
- キーワード
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- 水田西吟(ミズタ サイギン)
- 西吟(サイギン)
- 瑞輪寺(ズイリンジ)
- 豊中
- 大阪
- 江戸時代
- 俳句
- 俳諧
- 文学
- 歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000104121