レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年7月14日
- 登録日時
- 2021/07/23 15:13
- 更新日時
- 2023/03/22 15:48
- 管理番号
- 2021-033
- 質問
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解決
柳宗悦(やなぎ むねよし)は同志社大学文学部英文学科で講師をしていたが、その講義内容が知りたい。
- 回答
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・片桐修三「柳宗悦先生の思い出」『LLL』No.47(1962.3.20)p.3-4
柳の講義内容と使用テキストについて、当時受講した著者による記述があります。1年目はウィリアム・ブレイク、2年目はヴァルト・ホイットマン、3年目は神秘詩の講義だったとのことです。
この「柳宗悦先生の思い出」を引用したと考えられる資料として、下記があります。
・西邨辰三郎『うつくしい話』(芸艸堂, 1985)
p.52~54に片桐修三の「回想」の「要約」として、講義科目の記載があります。内容はほぼ『LLL』の記事「柳宗悦先生の思い出」と同様です。
p.55~56に同志社女子専門学校出身の矢崎須磨の話として、柳の講義についての記述があります。
さらに『うつくしい話』から講義内容を引用した資料として下記があります。
講義内容以外の部分もご参考になるかと存じますのでご紹介します。
・『柳宗悦と京都:民藝のルーツを訪ねる』(光村推古書院 , 2018)
p.82~83に同志社大学への着任当時について「担当した講義は火曜日午後の週一回二時間で、科目名は英文学研究」とあります。
講義内容も記載がありますが、出典は西邨辰三郎『うつくしい話』とあります。
その他の資料については回答プロセスをご確認下さい。
- 回答プロセス
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1.柳宗悦の在職期間について確認
・『評伝柳宗悦』p.347-356「年譜」
・『柳宗悦と京都』p.82-83
・『柳宗悦全集』22巻下p.224-297「年譜 附柳家家系圖」
によると、1925年(大正14年)4月~1929年(昭和4年)3月。
・東文研_データベース・資料
https://www.tobunken.go.jp/japanese/database.html [参照 2021-07-27]
の「総合検索」を検索して見つかったページ
・“柳宗悦”東文研データベース 物故者記事(東京文化財研究所)
https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9233.html [参照 2021-07-27]
によると、1926年(大正15年)~1929年(昭和4年)。
→着任の年が異なるので、本学の資料で確認。
・『同志社年度報告』大正14年度
p.7~「大学」に「柳宗悦氏に文学部講師委嘱」(4月1日)
p.9~「女学校」に「柳宗悦氏に女学校教授任ず」(5月1日)
→同志社大学文学部の在職期間は、1925年~1929年(大正14年~昭和4年)。
2.柳宗悦に関する資料を確認
・『柳宗悦と京都:民藝のルーツを訪ねる』(光村推古書院 , 2018)
回答の通り。
・『柳宗悦全集』22巻下(筑摩書房, 1992)
p.248に大正14年の「5月5日同志社大学で最初の講義を行う。「ウイリアム・ブレイクに就て」。」とある。
3.同志社の歴史に関する資料を確認
・『同志社九十年小史』(同志社, 1965)
第4章大学第3節英文学科のp.352に「柳宗悦(大正末期にはホイットマンおよびブレイクの購読)」とある。
4.本学Webサイトを検索
同志社大学
https://www.doshisha.ac.jp/ [参照 2021-07-27]
・志村和次郎「柳宗悦―民芸を創始し、日本の民芸運動をリードした先駆者―(同志社人物誌94)」(『同志社時報』122号, p.44-50, 2006年10月)
https://www.doshisha.ac.jp/information/public/doshishajihou/backnumber/jihou122.html [参照 2021-07-05]
「文学部英文学科の講師としては「ウィリアム・ブレイク」「ヴァルト・ホイットマン」、キリスト教神秘思想などを教え、名講義だったといいます。」などとある。
・片桐修三. 「「大津絵」への警告(随想)」(『同志社時報』11号, p.35-36, 1964年8月)
https://www.doshisha.ac.jp/information/public/doshishajihou/backnumber/jihou011.html [参照 2021-07-05]
片桐修三「「大津絵」への警告」p.35に、「かつて私は…「L・L・L」誌上に、同志社の英文学科在学中に柳宗悦先生の講義をきいたことを書いたが」とある。
→1964年8月以前の号を確認。下記記事あり。
・片桐修三「柳宗悦先生の思い出」『LLL』No.47(1962.3.20)p.3-4
内容は『うつくしい話』p.52-54とほぼ同じで、元になった記事とわかる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 大学.高等.専門教育.学術行政 (377 10版)
- 英米文学 (930 10版)
- 参考資料
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- 片桐修三. 柳宗悦先生の思い出. LLL. No.47, 1962.3.20, p.3-4
-
西邨辰三郎 著 , 西邨, 辰三郎, 1908-. うつくしい話. 芸艸堂, 1985.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001769556-00 , ISBN 4753801136 (NCID:BN05639389) -
杉山享司, 土田眞紀, 鷺珠江, 四釜尚人 著 , 杉山, 享司, 1957- , 土田, 眞紀 , 鷺, 珠江, 1957-. 柳宗悦と京都 : 民藝のルーツを訪ねる. 光村推古書院, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029117612-00 , ISBN 9784838105809 (NCID:BB26607342) -
水尾比呂志 著 , 水尾, 比呂志, 1930-. 評伝柳宗悦. 筑摩書房, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002181937-00 , ISBN 4480842225 (NCID:BN07653824) -
柳, 宗悦, 1889-1961. 柳宗悦全集 著作篇 第22巻 下. 筑摩書房, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002190934-00 , ISBN 4480744258 (NCID:BN07533436) -
"柳宗悦". 東文研データベース 物故者記事, 東京文化財研究所.
https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9233.html [参照 2021-07-27] - 同志社年度報告. 大正14年度 (本学書誌ID:SB10007202)
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同志社々史々料編集所 編 , 同志社. 同志社九十年小史. 同志社, 1965.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001077367-00 (NCID:BN08899502) -
志村和次郎. 柳宗悦―民芸を創始し、日本の民芸運動をリードした先駆者―(同志社人物誌94). 同志社時報, (122), p.44-50, 2006-10.
https://www.doshisha.ac.jp/information/public/doshishajihou/backnumber/jihou122.html [参照 2021-07-05] -
片桐修三. 「「大津絵」への警告(随想)」. 同志社時報, (11), p.35-36, 1964-08.
https://www.doshisha.ac.jp/information/public/doshishajihou/backnumber/jihou011.html [参照 2021-07-05]
- キーワード
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- 柳, 宗悦, 1889-1961
- 同志社大学
- 英文学
- 同志社
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 同志社
- 質問者区分
- 学外者
- 登録番号
- 1000302087