レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年01月19日
- 登録日時
- 2007/01/19 17:48
- 更新日時
- 2014/11/27 09:05
- 管理番号
- 国音2006-0006
- 質問
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解決
一般に「ドイツ民謡」とされている『岩をぶっちわり』という曲について
原題を知りたい。また、日本への定着に関する情報を得たい。
- 回答
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原題:O, du liber Augustin. (Alles ist hin.)
日本への普及・定着:
この旋律は、一番古くは、明治43(1910)年発行の『教科統合 女学唱歌 巻の1』に「舞踏」(桑田春風作詞)の題名で掲載。大正15、昭和4、昭和6年の唱歌教科書にも掲載。
次に、昭和6(1931)年発行『中学音楽教科書』第一学年用 に「帰雁」の題名で掲載。
昭和8(1933)年発行『音楽教授資料集成 第1巻』に「秋の山楽」(藤村俊作詩)の題名で掲載。昭和16年の音楽教科書にも掲載。
昭和9(1934)年発行『小学新唱歌』伴奏及び解説 第五学年・第六学年用 に「風吹けば」の題名で掲載。
昭和8(1933)年発行『世界音楽全集 53 世界民謡集 II』に「お、可愛いアウグスティン」(門馬直衛訳詩)の題名で掲載。この後、日本ではこの題名で定着する。
「岩をぶっちわり」は中野忠八詞として、インターネット上で公開されている。(←「ごんべ007の雑学村 なつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌・民謡・歌謡」の中の「曲名索引」から)中野忠八氏は、関西ボーイスカウトの創始者。大正13年から昭和14年までに6点の図書を著している。この歌詞は、昭和初期からボーイスカウト経緯で普及したものと推測される。
- 回答プロセス
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『世界民謡全集 5 ドイツ篇』の中から、旋律を頼りに原題を探し、判明。
『唱歌索引』(当館データベース)より、旋律から明治期、大正期の唱歌での題名が判明。
「岩をぶっちわり」という曲名については、所蔵資料の中では探し当てられず、インターネット(Google)により、歌詞と作詞者が判明。また、作詞者についての情報も、インターネット経由で判明。
- 事前調査事項
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なし。本人が歌を歌う。「ソーラソファミッドッド レッソッソッ ミッドッドッ」
- NDC
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- 音楽 (760 9版)
- 参考資料
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- 『唱歌索引』⇒大正・昭和期は、データベース2006.11.当館HP公開、明治期は、参考図書『唱歌索引』(明治編)1.曲名・歌詞索引 (国立音楽大学音楽研究所 1984)X-080/S
- 『世界民謡全集 5 ドイツ篇』門馬直衛編(音楽之友社 昭和35)解説
- キーワード
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- 「岩をぶっちわり」
- ドイツ民謡
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 楽曲の原曲及び日本での定着
- 質問者区分
- 大学教員
- 登録番号
- 1000032938