レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年04月15日
- 登録日時
- 2015/10/28 16:27
- 更新日時
- 2015/10/28 16:27
- 管理番号
- tr382
- 質問
-
解決
「フジスミレ」という花の自生地が知りたい。「日光~足尾山地」に生息しているらしいが、もっと詳しく知りたい。栃木県の地域資料から調査してほしい。
- 回答
-
フジスミレの自生地に関する記述が確認できた資料をご紹介します。
・『とちぎの植物 Ⅰ』(栃木県自然環境調査研究会植物部会/編 栃木県林務部自然環境課 2003)
栃木県自然環境基礎調査の資料です。
p.281-282に「29a フジスミレ」の項があり、「栃木県・群馬県でのみ確認されている」「小佐飛川上流部から横根山の北西部山地に分布するが、特に日光地方に多い」との説明があります。
また、調査での標本採集地として「粟野町横根山」ほか6カ所が挙げられています。
・『とちぎの植物 Ⅱ 栃木県自然環境基礎調査収集標本目録』
(栃木県自然環境調査研究会植物部会/編 栃木県林務部自然環境課 2003)
先に挙げた『とちぎの植物 Ⅰ』と同様、栃木県自然環境基礎調査の資料です。
「凡例」によると、「1994年度から2000年度に実施した栃木県自然環境基礎調査で採集した標本を対象としているが、この間に栃木県立博物館に寄贈された一部の標本も対象としている」とのことで、「産地・標高・産地の1/2.5万地形図名及び3次メッシュコード・採集年月日・採集者名」等が収録されています。
p.254に「フジスミレ」の項があり、「栗山村上栗山大笹山西面」ほか3種の標本が記載されています。
・『日光の植物と動物』(日光東照宮/編 出版者不明 1936)
「日光の植物」の「Ⅱ 日光の植物分布」(伊藤洋/著)に、地域別の植物分布が挙げられており、「第四章 ブナ帯」の「2 中禅寺坂」に「フヂスミレ」の名が挙がっています(p.138)。
なお「中禅寺坂」は「馬返の上、栄橋を渡つてから剣ヶ峰茶屋、中の茶屋等を経て大平に出る間」とあります。
(旧漢字は新字に改めて引用しています。)
・『原色日本のスミレ 増補』(浜栄助/著 誠文堂新光社 2002)
p.209に「フジスミレ」の項があり、植物自体の解説及び分布、分布図があります。
分布図は、日本全図の該当部分を塗りつぶしているので、詳細には確認できませんが、群馬東部と栃木西部が該当しています。
また、「分布」の解説中には、「栃木県北部の小佐飛川から中禅寺湖や日光周辺以南鹿沼市西部の足尾山地、群馬県鳴神山、赤城山にかけての狭い範囲に分布し、標高300~1,400mの山地のスギ林の中など主に半陰の腐植質の所に多い。」とあります。
なお、p.202には、フジスミレの原色図があります。
・『奥日光フィールド図鑑』(奥日光自然史研究会/編 下野新聞社 2009)
p.11「フジスミレ」の項に、開花地域は「小田代原・千手ヶ浜」とあります。
・『日光の自然図鑑』(前田信二/著 メイツ出版 2014)
p.99「フジスミレ」の項に、「日光から足尾山地の限られた地域にのみ生える」とあります。
・『原色栃木県植物図鑑 1』(栃木県植物同好会/編 月刊さつき研究社 1988)
「②平地の植物」の「フジスミレ」の項に、「県内の分布 平地~山地。」「生える場所 多くは山地の林内。」とあります。(p.33)
・『今市市の植物』(今市市歴史民俗資料館/編、発行 2006)
※今市市は合併により、現在日光市今市になっています。
「Ⅳ 植物目録 被子植物双子葉植物離弁花類 スミレ科 フジスミレ」の項に、「北部山地の数か所で確認されている。」とあります。(p.100)
以下の資料にはフジスミレは確認できませんでした。
・『奥日光の植物目録 森林植物篇』(加辺正明/著 前橋営林局 1971)
・『栃木の植物』(森谷憲/著 月刊さつき研究社 1976)
・『日光の動植物』(日光の動植物編集委員会/編 月刊さつき研究社 1986)
・『奥日光自然観察ガイド』(宮地信良/著 山と渓谷社 2005)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 植物学 (470)
- 参考資料
- キーワード
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- ふじすみれ
- 栃木県
- 植物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000183013