レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/03/09
- 登録日時
- 2007/02/11 02:11
- 更新日時
- 2008/05/15 16:38
- 管理番号
- 埼浦-2006-164
- 質問
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未解決
「立像」という言葉の読みについて、美術全集では「リュウゾウ」、国語辞典・漢和辞典では「リツゾウ」となっている。このような読み分けの理由は何かを知りたい。
- 回答
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所蔵資料で読み分けの理由について記述のあるものは見つけられなかった。
- 回答プロセス
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百科事典を調査する。
『世界大百科事典』記述なし。
『日本大百科全書 20』「仏像」の項目に「仏像をその姿勢から大別すると立像(リュウゾウ)、坐像、臥像がある・・」とある。
国語辞典・漢和辞典を調査する。
『日本国語大辞典』〈リュウゾウ〉の項に「りつぞうに同じ」とあり。出典は「叡岳要記」(鎌倉中)「運歩色(1548)「地蔵菩薩霊験記」(16世紀後)「椿説弓張月」(1807-11)。〈リツゾウ〉の項には「立っている姿の像。りゅうぞう」とある。出典は「風流仏」(1889)「先生への通信」(1910-11)『広辞林 第6版』「リュウゾウ→リツゾウ 立ち姿の肖像」 『大漢和辞典 8』「リツゾウ」リュウゾウの読みなし。
『角川大字源』「立」の項に「立像」は掲載されていないが、「リツ→慣用音 リュウ→漢音、呉音」とあり。
『大辞泉』「りつぞう」の項に「立っている姿の像。りゅうぞう」とあり。例として「月光菩薩-」を掲出。「りゅうぞう」は「りつぞう」への参照のみ。
『三省堂類語新辞典』「りつぞう」のみあり。
仏像関連の図書を調査する。
『仏像図典』「仏像の像容(姿勢)は立像(リュウゾウ)・坐像・臥像(ガゾウ)に大別される。・・」とあり。
『仏像の世界 文化財探訪クラブ 9』立像の説明で「リツゾウ」の読みあり。
『岩波仏教辞典』〈仏像〉の項にある付録には「立像 りゅうぞう」と読みあり。
『図説仏教語大辞典』「仏立像 ぶつりゅうぞう」の項あり。
『国宝大事典 2 彫刻』収録されている仏像のうち、立像のものについてはすべて読みが「リュウゾウ」になっている。
美術関連の図書を調査する。
『読書案内 国宝を知る本 彫刻編』登場する「○○立像」はすべて「リュウゾウ」の読みがふってある。
『日本美術館』本文中のふりがなでは、仏像の立像には「リュウゾウ」、立像土偶には「リツゾウドグウ」の読みあり。
調査したが「立像」に関する記述のなかった資料
国語・漢和辞典:『時代別国語大辞典 室町時代編 5』『言泉 日本大辞典 5』『字通』
仏像関連:『仏教美術用語集』『仏像事典』『仏像案内』『よくわかる仏像の見方 大和路の仏たち』『日本仏像史 カラー版』『仏像彫刻の鑑賞基礎知識』『仏像と人の歴史発見』『日本仏教語辞典』『日本石仏事典 第2版』『日本石造美術辞典』
美術関連:『日本美術史事典』『仏教美術事典』『日本彫刻史研究』
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811 9版)
- 語彙 (814 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 日本語
- 語彙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000033340