レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005年09月16日
- 登録日時
- 2022/12/23 12:35
- 更新日時
- 2023/01/24 09:51
- 管理番号
- 遠野-2005-17
- 質問
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解決
伊豆神社(遠野市)の由緒書について知りたい。
- 回答
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伊豆神社の由緒書の内容は、「エミシの国の女神」(菊池展明 風琳堂 2000)に書かれている。また、伊能嘉矩による伊豆大権現の由来の考察が、「遠野くさぐさ 第一束」の第16番来内村の神跡に書かれている。
- 回答プロセス
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<所蔵資料からの調査>
伊豆神社の由緒書について書かれている資料は「エミシの国の女神」で、そのp11からp12に中略を挟むが由緒書の内容が書かれている。
神社名 伊豆神社(旧社格 無格社)
鎮座地 遠野市上郷町来内(注:住所のため省略)
祭神 瀬織津姫命(セオリツヒメノミコト)俗名 おない 遠野三山(早池峰山、六角牛山、石上山)の守護神の親神
例祭日 旧暦 九月十七日
坂上田村麻呂が延暦二年(西暦七八三年)に征夷大将軍に任命され[引用者注:「任命」ということであるなら延暦二年は十六年の誤記か]当地方の征夷の時、此の地に柘植夫人が遣わされ、やがて三人の姫神が生まれた[中略]
大同年間(八○六 ― 八○九年)早池峰山を開山した四角藤蔵(後に姓を始閣と改めた)が来内権現の霊感を得て故郷の来内に戻り、自家の裏に一草堂を建てて朝夕これを崇拝したとのことである。当時この話を聞いた伊豆走湯関係の修験者がはるばる此の地に来て権現の由来を基に獅子頭を御神体として奉ったものである。故に伊豆大権現と称され千二百年以上にわたり広く信仰を得て来たものなり。
「遠野くさぐさ 第一束」(遠野市立博物館 2001)p15~p16 第16番「来内村の神跡」に伊豆大権現由来について、伊能嘉矩の考察が書かれている。
伊豆大権現といふはその神社の位置より按ずるにアイヌ語の「山ノ鼻」てふ義の「エツ」(Etu)より出て「山の鼻に鎮座する神」の意にて「エツカムイ」とやう称せられ來りけんを後に「伊豆」の字を当て「伊豆ノ神」と呼ぶ果ては伊豆より飛來したりとの神話を附會するに至りしならん即ち伊豆大権現は原とアイヌの神なりしなり(日本にても夷神を祭りしこと斉明天皇七年に阿倍比羅夫の粛慎を討ち蝦夷を征したる後蝦夷神を祭れり)現代のアイヌが満州地方の住民と土俗的依從ある如く往古の蝦夷も満州系統の人民も神話の交通ありきと覚ゆ。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 8版)
- 伝説.民話[昔話] (388 8版)
- 参考資料
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菊池展明 著 , 菊池, 展明, 1952-2014. エミシの国の女神 : 早池峰-遠野郷の母神=瀬織津姫の物語. 風琳堂, 2000.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003050415-00 , ISBN 4894264153 -
谷川健一 責任編集 , 谷川, 健一, 1921-2013 , 伊能, 嘉矩, 1867-1925. 日本民俗文化資料集成 第15巻. 三一書房, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002377500-00 , ISBN 4380945294 - 伊能嘉矩. 遠野くさぐさ 第一束. 遠野市立博物館, 2001. (博物館資料 375)
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菊池展明 著 , 菊池, 展明, 1952-2014. エミシの国の女神 : 早池峰-遠野郷の母神=瀬織津姫の物語. 風琳堂, 2000.
- キーワード
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- 伊能, 嘉矩, 1867-1925
- 神社 -- 遠野市
- 伝説
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 遠野くさぐさは、「日本民俗文化資料集成 第15巻」(谷川健一 三一書房 1994)に収録されている。
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000326328