レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年04月20日
- 登録日時
- 2019/02/23 14:40
- 更新日時
- 2019/07/05 16:10
- 管理番号
- 埼久-2018-103
- 質問
-
解決
ジャイアントパンダの祖先について書いてある本を探している。
- 回答
-
以下の資料を紹介した。
『ジャイアントパンダ 中国の自然に生きる』(周孟棋撮影 岩谷貴久子翻訳 ㈱三秀舎 2015)
p4 ジャイアントパンダは中新世後期の原始パンダ(始熊猫)が進化したとの記述あり。
p18「現存する古代生物であるパンダは動物界の「生ける化石」と称えられ、かつては中国の黄河以南、ミャンマー、ベトナム、タイ北部と広い地域に分布していた。(中略)ヨーロッパで初めてパンダの存在を報じたのは19世紀、フランスの宣教師アルマン・ダヴィド(Armand David)である。」とあり。
p19-22 雲南省の禄豊で発見されたパンダの化石や1869年3月11日のパンダの発見についての記述あり。
『パンダ』(R&D.モリス著 中央公論社 1979)
p21-23、26-27、28、30、147、187-203にパンダの発見や進化についての記述あり。
『野生のパンダ 自然誌選書』(ジョージ・B.シャラー[ほか]著 熊田清子訳 どうぶつ社 1989)
p23-30「分布の過去と現在」の項あり。パンダの化石について、ビルマの一か所を除き中国本土のみで発見されているという記述あり。
p336-342「ジャイアントパンダの位置付け」に祖先についての記述あり。
- 回答プロセス
-
1 質問者調査事項を確認する。
資料は《ナショナルジオグラフィック日本版サイト》「パンダの起源は中国ではなくヨーロッパ」(http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7149/ 日経ナショナル ジオグラフィック社)で、2012年12月5日に掲載されたものである。
2 百科事典を調査する
『日本大百科全書 19 はに-ひん』』(小学館 1988)
p314「パンダ」の項
「本種が動物学上に登場したのは、1869年、フランスのJ.P.A.ダビッド神父によってヨーロッパに紹介されたのが初めてである。」とあり。参考文献に『パンダ』(R&D.モリス著 中央公論社 1979)あり。
3 自館資料を調査する。
『教科で学ぶパンダ学』(稲葉茂勝著 小宮輝之監修 今人舎 2017)
p51「雑学パンダ!」に「ヨーロッパでパンダの化石発見?」の項に「パンダの祖先の化石がスペインで発見されたというニュースが、2012年12月に世界中で話題になりました。(中略)その後、パンダがヨーロッパにいたことを裏付ける決定的な発見に至っていません」とあり。事前調査資料(インターネット情報)を出典とした顎と歯の化石の画像あり。
『パンダが来た道 人と歩んだ150年』(ヘンリー・ニコルズ著 池村千秋訳 白水社 2014)
p9 パンダの分布域あり。現在のもの、、1800年頃のもの、歴史的分布域が示されている。
p18 「一八六九年にフランス人のカトリック宣教師で博物学者でもあったアルマン・ダヴィドが、西洋人としてはじめてジャイアントパンダを見た(略)」とあり。
『しじまに生きる野生動物たち 東アジアの自然の中で 図説・中国文化百華 第5巻』(今泉忠明著 農山漁村文化協会 2003)
p157-166「生きているぬいぐるみ ジャイアントパンダ」に、ダヴィド神父のジャイアントパンダの発見について記述あり。
p182-183「ジャイアントパンダは何科?」
「一説には700万年前ころの鮮新世初期にジャイアントパンダの原型がおり、それから巨大化したという。が、それを明確に示す化石はまだ出ていない。」とあり。
4 データベースを検索する。
(1)《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈パンダ〉〈ジャイアントパンダ〉〈パンダ & 生物〉で検索する。
佐藤淳[ほか]著「レッサーパンダ (Ailurus fulgens) の進化的由来」(「哺乳類科学 52(1)」 p23-40 2012) ジャイアントパンダの起源についての記述なし。
(2)《J-STAGE》(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/ 科学技術振興機構)を〈パンダ & 祖先〉〈パンダ〉で検索する
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年4月20日。
- 事前調査事項
-
《ナショナルジオグラフィック日本版サイト》「パンダの起源は中国ではなくヨーロッパ」(http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7149/ 日経ナショナル ジオグラフィック社)
インターネットで「パンダ 起源」と検索し、上記の記事のもとになった論文がhttp://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0048985であると確認したが、日本語訳はされていない。また、掲載された本についても確認できなかった。
『パンダ ネコをかぶった珍獣』(倉持浩著 岩波書店 2014.9)
p25-27 パンダのルーツについて記載があったが、ルーツがアジアかヨーロッパかということについてはまだ決着がついていないとのことだった。
その他、動物図鑑やパンダに関する図書を確認してみたが、上記の記事(2012年12月)より後に出版された図書で該当するものはなかった。
- NDC
-
- 哺乳類 (489 9版)
- 参考資料
-
- 『ジャイアントパンダ 中国の自然に生きる』(周孟棋撮影 岩谷貴久子翻訳 ㈱三秀舎 2015) , ISBN 978-4-907051-33-4
- 『パンダ』(R&D.モリス著 中央公論社 1979)
- 『野生のパンダ』(ジョージ・B.シャラー[ほか]著 熊田清子訳 どうぶつ社 1989) , ISBN 4-88622-246-3
- キーワード
-
- ジャイアントパンダ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000252066