レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 19990421
- 登録日時
- 2005/02/02 02:15
- 更新日時
- 2005/11/10 18:12
- 管理番号
- C1999F1270
- 質問
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解決
「大日本国民中学会」について。
- 回答
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1902年に中学講義録の頒布を始めた民間の通信教育団体。資料(1)の巻末に、「自宅ニ在リテ尋常中学校ノ全課程ヲ完全ニ独習セントスル人ノ為ニ本会ハ模範的中学講義録ヲ発行ス正則ノ組織ト懇切ノ教授ト低廉ノ学費トハ他ニ比ヲ看ザル本会ノ大特色トスル所ナリ」との広告あり。
(1)『橿原宮』 大日本国民中学会編 東京国民書院 明45.1 154p <YDM13906>
また、この団体の規則が(2)の冒頭部分と(3)の巻末に掲載されている。
(2)『新国民』 大日本国民中学会編・刊 1巻1号 (明治38年4月1日発行) <雑52-14>
(3)『小学校卒業生立身訓』 大日本国民中学会編 東京国民書院 明42.3 208p <YDM10320>
このうち、(3)に収載の規則(「大日本国民中学会規則」)は、9章54条から成り、この他に「本会講師一覧」「大日本国民中学会女学部要領」「女学部講師一覧」を付す。当規則の第1章 目的(学期及学科)の第1条では、「本会ハ各種ノ事情ニヨリ尋常中学校ニ入ルコト能ハザル者ノ為メニ通信授業法ヲ以テ正則ニ中学校全課程ヲ修了セシムルヲ以テ目的トス」と述べ、これに続いて各条で、毎月2回正則中学講義録を発刊すること、この会の講述学科は明治35年2月の文部省令中学校教授細目に準じ最新式の通信教授法により教授し、尋常中学各学年を6ヶ月で、中学全科を2ヶ年半で修了させること、志望者は誰でも何時でも入会できること、全学期修了者には希望により試験を行い合格者に卒業証書を与えること等を記している。
組織についてはまとまった資料がないが、(4)の巻末に会長等の氏名が載っている。なお、(4)の底本は、大正6年の刊行。
(4)大日本国民中学会編 「中学検定指針」
(『近代日本青年期教育叢書 第4期(苦学・独学論)第11巻』日本図書センター 複製 1992.1 125,140p <F5-E2>)
(4)に記載されている河野正義について、(5)よれば、大日本国民中学会の会員が、創設当初僅か500名内外に過ぎなかったのが、その後百数十万人にまで膨らんだとの記述がある。
(5)『大正人名辞典 2』 日本図書センター 1989.2 2冊 「大衆人事録 昭和3年版」(帝国秘密探偵社 昭和2年刊)の改題複製 <GB12-E2>
ちなみに大日本国民中学会では『新国民』以外に『教育公論』という雑誌を出版しているが、当館では所蔵していない。
< >内は当館請求記号
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会教育 (379 9版)
- 参考資料
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- 橿原宮 大日本国民中学会編 東京国民書院 明45.1 154p <YDM13906>
- 新国民 大日本国民中学会編・刊 1巻1号(明治38年4月1日発行) <雑52-14>
- 小学校卒業生立身訓 大日本国民中学会編 東京国民書院 明42.3 208p <YDM10320>
- 中学検定指針 大日本国民中学会編 1992.1 <F5-E2> (近代日本青年期教育叢書 第4期(苦学・独学論)第11巻 日本図書センター 複製)
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大正人名辞典 2 日本図書センター 1989.2 2冊 <GB12-E2>
- キーワード
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- 大日本国民中学会
- 通信教育
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000014193