①『ヘビの医・食・住』のp.47に「ヘビの冬眠の必要性」という項目があり、繁殖という観点からは、屋外での飼育が望ましいとしている。「屋外飼育の場合は、飼育場の一角を腐葉土やバーミキュライト、ピートモスなどを交ぜたものに変えてやると、時期が来ると自分で勝手に潜って冬眠します。後は乾燥し過ぎないように霧吹きを使って散水したり、気温が0℃以下になるような場合は、凍らないようにシートなどを被せておきます。繁殖が目的でない場合や、どうしても屋内飼育をしなければならない場合は、温帯産で冬眠が年周活動のサイクルに入っている種類でも、冬眠させずに冬場は保温して飼育したほうが安全でしょう。屋内で飼育してきたヘビに冬眠を強いれば、命取りになる場合もあることを、覚えておいて下さい。」と書かれている。
②『ヘビ大図鑑』のp.324の「冬眠」の項目には、「飼育しているヘビが健康に育ち、成蛇となった場合に(幼蛇では冬眠を行わないほうが良い)、冬眠させるかどうか。これは難しい問題である。冬眠のデメリットはやはり失敗時のリスクである(さまざまな感染症を引き起こす可能性があり、最悪の場合は死に至る)。メリットとしては冬眠させることによりヘビの寿命を延ばすことができる(本来冬眠する時期に活動させていると寿命が短くなる傾向がある)。冬眠と飼育下におけるクーリングは非常によく似ており(根本的な目的がやや異なるが)、方法そのものもクーリングと同じで良い。冬眠中はゲージを日当たりが悪く、温度変化の少ない場所に置いておき(玄関の靴箱の中や物置の中)、定期的に異常がないか観察しよう。前述したように、冬眠はリスクもあるため判断の難しいところであるが、筆者は充分飼育に慣れた飼育者には冬眠をすすめている。」と書かれている。
③『ヘビ 爬虫・両生類飼育ガイド 飼育+繁殖+種類別のポイント+病気etc.』のp.74の冬場の管理の項目に「冬場は、温帯以北の種類では冬眠の時期となりますが、冬眠のプロセスは難しいので、初心者は冬眠させずに保温・暖房をして飼育します。繁殖をさせる際は冬眠させなくとも、冬期の一時期に低温飼育(12~15℃で、4~5日から1週間ほど)をすると、繁殖はほぼ可能になるでしょう。亜熱帯や熱帯の爬虫類は冬眠という生理を持たず、低温に晒すと死亡してしまいます。熱帯域の爬虫類は、日本の冬期に交尾・産卵するものが多く、繁殖させる場合は温度管理や飼育個体の観察をしっかりと行います。各暖房・保温器具はサーモスタットを使用して、故障のないように注意します。また、突然の停電に備え、灯油ストーブ(電気を使用しないもの)や携帯暖房具(カイロなど)、湯たんぽ、毛布など保温できるものをあらかじめ準備し、いつでも使用できるようにしておくとよいでしょう。」と書かれている。
④『ヘビ飼いのきほん』でも初心者のうちは冬眠をさせずに飼育することをすすめている。