①内閣府『子供・若者白書 平成30年版』(
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/s0.html )では、「特集 就労等に関する若者の意識」が収録されている。
「仕事をする目的」の質問には「収入を得るため」が最も高い回答があった。「仕事を選択する際に重要と考える観点」の質問には、「とても重要」「まあ重要」と回答した割合を合わると次の順になった。「安定していて長く続けられること」88.8%「収入が多いこと」88.7%「自分のやりたいことができること」88.5%「福利厚生が充実していること」85.2%、「自由な時間が多いこと」82.2%の順で多かった。一方、「実力主義で偉くなれること」が51.6%、「特別に指示されずに、自分の責任で決められること」が55.8%と比較的少なかった。
他にも、仕事と家庭・プライベートとのバランス、転職に対する意識等のアンケート結果も掲載されている。
②『アンケート調査年鑑 2019年版』には、「社会人1年目と2年目の意識調査2019」ソニー生命調べのアンケートが収録されている。
「良い会社(職場)と感じるのは、どのような会社(職場)か」という質問には「職場の人間関係が良い」「福利厚生が充実している」「給与が高い」の回答が多い傾向であることが分かる。「社会人1年目の生活と入社前にイメージしていた生活とのギャップで驚いたこと」という質問には「忙しい」「金銭的に余裕がない」「有給休暇が取得しづらい」の回答が高い割合になっていることが分かる。他にも「初任給の使いみち」「30歳時点の目標貯蓄額」「社会人1年生・2年生のやる気をアップさせる先輩の言葉」等の質問・回答が掲載されている。
③『レクチャー青年心理学』の第13章「青年のキャリア発達」には、内閣府(2014)、日本生産性本部/日本経済成年協議会(2016)調査などから若者の職業観・労働観について下記のように論じられている。
「「楽しい生活がしたい」,そのためには「経済的に豊かになる」必要があるから働くが,「自分の能力を試す」ようなチャレンジはしたくない。」「収入・仕事内容・労働時間・職場の雰囲気・通勤の便を重視し,ブラック企業に搾取されず,楽しくそれなりの生活ができればいいという日本の青年の思いが伝わってくる。」「職場に「将来性」や「能力を高める機会があること」をあまり重視していないのである。」
④『「働くことの意識」調査報告書 平成31年度新入社員』では、新入社員限定だが様々な意識と行動についてのアンケートが収録されている。「会社の選択理由」では、「自分の能力、個性が生かせるから」「仕事がおもしろいから」「技術が覚えられるから」が上位3項目となっており、「働く目的」としては「楽しい生活がしたい」「経済的にゆたかな生活を送りたい」が上位2項目となっている。他にも残業・余暇・対人関係についてのアンケート結果が掲載されている。
⑤『大都市の若者の就業行動と意識の分化』の第5章「20代後半層の職業意識の推移と変化」では、2001年・2011年・2016年の3回分の調査結果が掲載・比較されている。
この調査ではフリーターに対する肯定的意識と否定的意識の双方を含めて「フリーター共感」と位置付けているが、「20代後半層の職業意識の変化」では、男女別のグラフがあり、次のように解説されている。「男女とも「フリーター共感」傾向が全体として低下し、独立志向(「将来は独立して自分の店や会社を持ちたい」)、資格志向(「職業生活に役立つ資格を取りたい」)、女性はさらに専門志向(「専門的な知識亜や技術を磨きたい」)が減少し、仕事離れ(「できれば仕事をしたくない」)という項目が上昇した。」
⑥JMAMが実施した「イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査」(
https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0003-imadoki.html )では、働く価値観はコロナ前とコロナ禍の調査で大きく変化し、新入社員(Z世代)において「自分の能力発揮」「よい結果を出す」などの回答割合が大きく下がったことに対して、「仕事環境の心地よさ」「自分らしい生活を送る」などの回答割合が大きく増えたことが紹介されている。