レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/1/1
- 登録日時
- 2024/03/30 00:43
- 更新日時
- 2024/03/30 00:43
- 管理番号
- M24022017242065
- 質問
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アンコール・ワット遺跡に使われているラテライトとはどのような特性がある材料なのか
- 回答
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①『アンコール遺跡の地質学』によると、「四 アンコール遺跡の石材」の項で、ラテライトについて「熱帯から亜熱帯の高温湿潤な環境で、塩基の溶脱だけでなく、脱珪酸作用が進み、遊離した鉄・アルミニウム酸化物が濃集した赤ないし赤黄色の土壌とされている。」とある。また、「地下に埋没していて地下水や湿気があるときは比較的軟らかく、しかし乾燥すると非常に硬くなる。また水に戻しても、軟らかくならない。」とある。同項では、ラテライトの構成鉱物等についても説明がある。
②『アンコール遺跡の考古学』によると、「三 半壊したラテライト建物の復元」の項において「ラテライトというのは、東南アジアでおおく見られる建築部材の一つのことで、漢字では紅土と書く。ラテライトは鉄分・アルミニウムを多量に含む赤い土で、地中にあるときはチーズほどの固さで、従って容易に切り出すことができ、空気に触れるとコンクリートのように固くなる性質を持つ。」とある。
③『アンコール文明への旅 カンボジアノートⅠ』によると、「ラテライトは熱帯に広く分布する土壌の一種で、その質感は砂岩やレンガなどの比較的やわらかい素材と好対照をなしている。アンコール期の建造物では周壁や寺院本体の構造材として大量に使用された。」とある。
④『アンコールワットへの道』には「アンコール時代の建築と芸術」の項がある。ラテライトについての項目があり、「ラテライトは地中表層部に近いところから採土できる紅土から作られる。鉄分を多く含むので、大気中に曝露されると、中の水分が蒸発して鉄分が硬化し非常に硬質となる。」とある。また、「雨期には大雨が降り注ぐカンボジアでは水に強い建築材料として重用されてきた。」と説明されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 東南アジア (223 9版)
- 参考資料
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①盛合禧夫『アンコール遺跡の地質学』 連合出版,2000,166p.参照はp.132-139.
②中尾芳治『アンコール遺跡の考古学』 連合出版,2000,310p. 参照はp.145.
③波田野直樹『アンコール文明への旅』 連合出版,2006,254p. 参照はp.81.
④岩澤良昭『アンコール・ワットへの道』 JTBパブリッシング,2009,139p. 参照はp.64.
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①盛合禧夫『アンコール遺跡の地質学』 連合出版,2000,166p.参照はp.132-139.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2024022017222342065
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000348316