レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/10/29
- 登録日時
- 2011/01/08 02:01
- 更新日時
- 2011/01/20 16:10
- 管理番号
- 埼熊-2010-081
- 質問
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解決
千利休の辞世の偈(げ)の意味・解釈について知りたい。
人生七十 力囲希咄 吾這寶剣 祖佛共殺 堤る我得具足の一太刀 今此時ぞ天に抛つ
- 回答
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この遺偈(ゆいげ=辞世の語)は禅語を含み難解なものとされていて、語句の出典や解釈について先学の多くの議論の積み重ねがある(『キリシタン千利休 賜死事件の謎を解く』)。解釈等が掲載されているものとして、以下のものを紹介する。
『別冊太陽 日本人の辞世・遺書(日本のこころ 59)』(平凡社 1987)
p14 芳賀幸四郎氏の偈部分の通釈の引用あり。出典の記載なし。
『千利休(唐木順三文庫 5)』(唐木順三著 筑摩書房 1973)
p128 近重物安氏の解釈を掲載している。字句の説明は数頁あり。
『辞世の句と日本人のこころ』(吉田迪雄著 東洋館出版社 2000)
p60 偈部分の簡単な解釈あり。
『キリシタン千利休 賜死事件の謎を解く』(山田無庵著 河出書房新社 1995)
p49 辞世の紹介あり。解釈はなし。「この遺偈は禅語を含み難解なものとされていて、語句の出典や解釈について先学の多くの議論の積み重ねがあるようである。」とあり。
『千利休 (人物叢書105)』(芳賀幸四郎著 吉川弘文館 1963)
辞世の偈のみ。解釈はなし。
p269に「なお、この辞世の偈の意味は第二句がはっきりしないので、自信をもって解釈しかねる。後考を期したいと思う。」とあり。
『千利休(新装版)』(芳賀幸四郎著 吉川弘文館 1986)
p324-331 「付載 利休の辞世の偈について」で解釈について
「古来諸説があるが、最も参考になるのは柴山全慶老師の「利休辞世の内容」という一文である(千宗左編「表千家」所収 角川書店刊)。」とし、この一文を参考にしながらの芳賀氏の解釈が掲載されている。
『利休の死』(小松茂美著 中央公論社 1988)
p192-196に該当の遺偈について、「早くに公表された柴山全慶師の「利休居士の遺偈に就いて」(「禅学研究 第41号」 昭和23年11月)は、もっとも精緻をつくしたものである。」として、柴山氏の解釈を紹介するとともに、小松氏自身の解釈も掲載している。
【インターネット情報】
《Yahoo!知恵袋》
解釈は難しい、としながら図書・コミックから4種の解釈を引用している。
引用元
「千利休 新装版」(芳賀幸四郎著 吉川弘文館 1986)
「千利休 (唐木順三文庫 5)」(唐木順三著 筑摩書房 1973)
「利休の死」(小松茂美著 中央公論社 1991)
「へうげもの(コミックモーニング)」
(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1223992662 2010/10/29最終確認)
- 回答プロセス
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千利休に関する図書、雑誌を調査する。
インターネット情報の出典となっている図書を調査する。
辞世に関する図書として『辞世名鑑』(草地貞吾編 新国民出版社 1975)を調査するが、大意が数行で解釈としては足りない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 茶道 (791 9版)
- 参考資料
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- 『別冊太陽 日本人の辞世・遺書(日本のこころ 59)』(平凡社 1987)
- 『千利休 (唐木順三文庫 5)』(唐木順三著 筑摩書房 1973)
- 『辞世の句と日本人のこころ』(吉田迪雄著 東洋館出版社 2000)
- 『キリシタン千利休 賜死事件の謎を解く』(山田無庵著 河出書房新社 1995)
- 『千利休 (人物叢書105)』(芳賀幸四郎著 吉川弘文館 1963)
- 『千利休 新装版』(芳賀幸四郎著 吉川弘文館 1986)
- 『利休の死』(小松茂美著 中央公論社 1991)
- キーワード
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- 千 利休(セン リキュウ)
- 茶人
- 辞世-遺書
- 遺偈(ゆいげ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000076326