レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/08/31
- 登録日時
- 2022/10/01 00:30
- 更新日時
- 2022/10/01 00:30
- 管理番号
- 6001057766
- 質問
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解決
この前見かけた虫こぶが、どんな虫の虫こぶであるか調べられる資料はないか。また虫こぶについて解説している本はないか。
- 回答
-
調査の結果、以下の資料が見つかった。
なお次の文章中に「虫えい」という語が出てくるが、これは「虫こぶ」と同義語。以下の資料に記述があった。
・『虫こぶ入門:虫えい・菌えいの見かた・楽しみかた 増補版』(薄葉重/著 八坂書房 2007.3)
p.72
「植物の葉に”こぶ”がついていたり、芽が異常に変形肥大していることがあり、内部を調べてみると”虫”が見つかることが多い。そのため、この”こぶ”は虫こぶ、あるいは虫えい(虫癭)と呼ばれた」
また同資料では、虫こぶの定義といった基本的な事項から、虫こぶを作る昆虫それぞれの解説、日本文化における虫こぶなど幅広く解説している
虫こぶを形成する虫を同定できる資料。
・『日本原色虫えい図鑑』(湯川淳一/編著 桝田長/編著 全国農村教育協会 1996.6)
p.17-96にかけて虫こぶのカラー写真が掲載され、その写真から写真の虫こぶを作る虫を同定することができる。すべての虫には生態、分布などの解説が付されており、またその解説の参考とした文献もひくことができる。
虫こぶの定義や、虫こぶの採集方法などの記載もある。
虫こぶについて解説している資料。
次の雑誌に虫こぶの特集が収録されている。
・『昆虫と自然』32(12)(ニューサイエンス社 1997)
p.2-28 「特集・虫こぶをつくる昆虫の行動と生態」
詳細は以下の通り。
・湯川淳一「虫こぶをつくる昆虫の生活史戦略」
p.2-7
虫こぶをつくる昆虫類が系統的制約形質のわくの中で、環境要因との折り合いをつけつつ、以下に適応的形質群を進化させ、生活史戦略を形作ってきたかを概観する。
・宮武頼夫「虫えいを形成するキジラミ類の生活史」
p.8-12
キジラミ類の虫こぶについて、その形状の特徴や形成の過程、なぜキジラミ類が虫こぶを作るのかについて論じている。
・青木重幸「ゴールを形成するアブラムシとその奇主植物」
p.13-17
ゴール(虫こぶ)を形成するアブラムシについて、アブラムシと寄主植物との進化的相互作用研究の流れを追う。
・阿部芳久「虫えいを形成するタマバチの生活史」
p.18-23
タマバチを特徴づけるゴール(虫こぶ)の構造と機能、およびゴールを作る3族の生活史についての解説。タマバチでも見つかった、生殖細胞の共生微生物の話題も取り上げる。
・巣瀬司「虫こぶをつくるタマバエの生活史戦略」
マサキタマバエを例にした一般的なタマバエの生活史とササウオタマバエ、ムギアカタマバエなどの生活史について解説する。
次の資料は、主に著者の自伝的な内容だが、その中で著者の行った虫こぶの研究が紹介されている。
・『植物をたくみに操る虫たち:虫こぶ形成昆虫の魅力 (フィールドの生物学 21)』(徳田誠/著 東海大学出版部 2016.11)
[事例作成日:2022年8月31日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 昆虫類 (486 10版)
- 参考資料
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- 虫こぶ入門 増補版 薄葉/重∥著 八坂書房 2007.3 (72)
- 日本原色虫えい図鑑 湯川/淳一∥編著 全国農村教育協会 1996.6 (17-96)
- 昆虫と自然 ニューサイエンス社 ニューサイエンス社 32(1-14)33(1-4)<408-425>(1997.1-1998.3) 32巻14号:32巻総目次 32巻5,14号,33巻4号:臨増 (32(12) 2-28)
- 植物をたくみに操る虫たち 徳田/誠‖著 東海大学出版部 2016.11
- キーワード
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- 虫えい(チュウエイ)
- 虫こぶ(ムシコブ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000321966