レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年12月22日
- 登録日時
- 2023/03/16 13:50
- 更新日時
- 2023/07/20 14:30
- 管理番号
- 埼久-2022-100
- 質問
-
解決
二人称代名詞「われ」の起源及び歴史的変遷について関連する資料を知りたい。
- 回答
-
学生からの質問のため、調べ方、関連資料と関連情報を紹介した。
1 参考図書を調べる。
『角川古語大辞典 第5巻 ひ-ん』(中村幸彦[ほか]編 角川書店 1999)
p1021〈われ 我・吾〉代名③対称。中古末以降、自分より目下のものに対して使う。汝、おまえ。近世になると、さらにぞんざいになり、時にはののしるようなといに使う。きさま。大鏡、今昔物語集、狂言・乙婿などの用例あり。
『日本語学研究事典』(飛田良文[ほか]編 明治書院 2007)
p190「人称」について記述あり。
p422-424「中古の文法」の項、p422上段に「われ」についての記述あり。
p467-468「代名詞」の項、p468上段「中古・中世(院政・鎌倉)ではワレ(ワ)が中心となり(後略)」とあり。
『日本語学大辞典』(日本語学会編 東京堂出版 2018)
p596-597「代名詞」の項、p597に「自称の「ワレ」が地域によって、対称に使われるなど、不安定な面がある。」とあり。
p731-732「人称」の項、p731に「話し相手に対しては、「ぼく(=きみ)、歳いくつかな?」のように1人称代名詞を用いることもある。」とあり。
2 自館目録を〈二人称代名詞〉〈代名詞 & 日本語〉〈対称詞〉で検索する。
『対称詞体系の歴史的研究』(永田高志著 和泉書院 2015)
p3一人称代名詞「われ」が二人称代名詞に転化したという起源についての記述あり。
『日本語「形成」論 日本語史における系統と混合』(崎山理著 三省堂 2017)
p207-216「人称代名詞の体系」の章に、関西方言の一部で言われる卑語ワレについての記述あり。
『感性の方言学』(小林隆編 浜野祥子[ほか執筆] ひつじ書房 2018)
p174「「われ」の対称詞化」の項あり。
参考文献に、「いわゆる「一人称代名詞の二人称転換現象」について」(『対称詞体系の歴史的研究』(永田高志著 和泉書院 2015)
p3一人称代名詞「われ」が二人称代名詞に転化したという起源についての記述あり。
『日本語「形成」論 日本語史における系統と混合』(崎山理著 三省堂 2017)
p207-216「人称代名詞の体系」の章に、関西方言の一部で言われる卑語ワレについての記述あり。
『感性の方言学』(小林隆編 浜野祥子[ほか執筆] ひつじ書房 2018)
p174「「われ」の対称詞化」の項あり。
参考文献に、「いわゆる「一人称代名詞の二人称転換現象」について」(『表現研究 24』)という論文あり。
)という論文あり。
(1)《国立国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)で『表現研究 24』の論文を確認する。
3 《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)を〈われ〉で検索する。
「われ 【我・吾】」に「多く中世以後に用いられ、目下や身分の低い者に呼びかける語。」とあり。『狭衣物語』〔1069~77頃か〕、『塩原多助一代記』(1885)ほか7件の記述あり。出典:『日本国語大辞典』
4 《CiNii Research》(https://cir.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈代名詞 & 日本語〉で検索する。
《学習院大学学術成果リポジトリ》竹内直也著「現代日本語における対称代名詞の特異性 : 人称詞の観点から (土井洋一先生・田中章夫先生 古稀記念特輯号)」(『学習院大学国語国文学会誌 46号』p1-12 学習院大学文学部国語国文学会 2003.3 http://hdl.handle.net/10959/2177)
p2「2:対象代名詞の位置づけ -使用例と人称の違い-」に「ワレ」を対称詞として使う例について記述あり。
- 回答プロセス
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ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2022年12月22日。
- 事前調査事項
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『近代日本語の文法と表現』(田中章夫著 明治書院 2001)
- NDC
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- 日本語 (810 9版)
- 文法.語法 (815 9版)
- 方言.訛語 (818 9版)
- 参考資料
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- 『角川古語大辞典 第5巻 ひ-ん』(中村幸彦[ほか]編 角川書店 1999) , ISBN 4-04-011950-9
- 『日本語学研究事典』(飛田良文[ほか]編 明治書院 2007) , ISBN 978-4-625-60306-8
- 『日本語学大辞典』(日本語学会編 東京堂出版 2018) , ISBN 978-4-490-10900-9
- 『対称詞体系の歴史的研究』(永田高志著 和泉書院 2015) , ISBN 978-4-7576-0735-4
- 『日本語「形成」論 日本語史における系統と混合』(崎山理著 三省堂 2017) , ISBN 978-4-385-35315-9
- 『感性の方言学』(小林隆編 浜野祥子[ほか執筆] ひつじ書房 2018) , ISBN 978-4-89476-898-7
- キーワード
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- 日本語-代名詞
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言語
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000330417