レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2000/10/31
- 登録日時
- 2005/12/13 02:12
- 更新日時
- 2010/11/25 02:01
- 管理番号
- 新県図-00138
- 質問
-
解決
エドガー・アラン・ポーの『アルンハイムの庭』はありますか。全集に所収されている『アルンハイムの地所』のなかの一作品なのでしょうか。
- 回答
-
『ポオ全集 2』(東京創元社 1974 938/P76/2)p523~541に「アルンハイムの地所」が所収されていましたので確認しましたが、特に章立てされておらず、お探しの『アルンハイムの庭』らしきものは見当たりません。ただ、文章中に「造園術」といった、庭を連想させる言葉はたびたび登場します。
そこで当館所蔵のポーに関する資料を調べましたところ『E.A.ポーの短編を読む』(板橋好枝、野口啓子編 勁草書房 1999 930.2/P76)p205および『ポーの冥界幻想』(佐渡谷重信著 国書刊行会 1988 930.2/P76)p61などに、「『アルンハイムの地所』(原題:The Domain of Arnheim)は、5年前に発表した『庭園』(原題:The Landscape Garden)を加筆、改訂したもの」といった記述がありました。
また『ポー』(八木敏雄著 冬樹社 1978 930.2/P76)p204に「…『アーンハイムの地所』は終わる。これにはちゃんとした「続篇」と銘打った『ランダーの屋敷』(原題:Landor's Cottage)という人工楽園の物語があり…」との記述もあります。
『庭園』『ランダーの屋敷』は、どちらも上記『ポオ全集 2』に所収されております(ただし『ランダーの屋敷』は『ランダーの別荘』というタイトルになっています)。
・邦訳では『アルンハイムの地所』という短編集は出版されたのか。
・原著では『アルンハイムの地所』という短編集が出版されて、その中に『アルンハイムの庭』は所収されているのか。
『ポーと日本その受容の歴史』(宮永孝著 彩流社 2000 930.2/P76)の「ポー翻訳年表」、各種英米文学事典類の「ポー」に関する項目などを見ましたが、『アルンハイムの地所』というタイトルでの邦訳短編集の発行は確認できません。
また「The Domain of Arnheim」で米国議会図書館のOPACをインターネットで検索しましたが、タイトルによる検索ではヒットしませんので、恐らく『アルンハイムの地所』という短編集は、原著でも発行された可能性は低いかと思われます。
ちなみに上記調査資料などでは、「The Domain of Arnheim」は1847年に『コロ(ラ)ンビアン・マガジン』に発表したとあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 小説.物語 (933 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- エドガー・アラン・ポー
- 小説
- アメリカ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000025839