レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20160108
- 登録日時
- 2017/06/11 00:30
- 更新日時
- 2017/06/11 00:30
- 管理番号
- 0400001707
- 質問
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解決
川村清雄の絵画に描かれていた道具について,名前や用途,使い方などを知りたい。物体は長い棒の先に横木と輪をつけたもので,芸人らしき人物が手にしていた。♀←このマークの縦棒部分を長くしたような形状。
- 回答
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この道具は猿回しに使うものであること,正式な名称はないようであることをお伝えし,『川村清雄展』『江戸東京職業図典』『猿まわしの系図』の3冊を提供した。
- 回答プロセス
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(1)新潟市美術館の図録『川村清雄展』(新潟市美術館 2015)を確認したところ,p58該当の絵画「桜狩」にて道具を手にしている人物は猿を背負っていた。
また『まちかどの芸能史』(村上紀夫 解放出版社 2013)に,同じ道具を手にした人物の浮世絵が掲載されており,この人物も猿を連れていた。
新潟市美術館に該当の質問について問い合わせたところ,やはり猿回しの道具ではないかという回答があった。
(2)図書館情報システムにて「猿回し」で検索。『猿まわしの系図』(飯田道夫 人間社 2010)p115-116に,該当の道具についての図と記述があった。これは猿芸の道具で,猿は地面に立てたこの棒のてっぺんで曲芸をしてみせる,とあった。名称については,文章内で便宜上「芸棒」と呼ばれていた。
(3)同様に「江戸 職業」で検索。『江戸東京職業図典』(東京堂出版 2003)p35に,猿回しの図と道具についての記述があった。こちらでは棒は「輪型を作りつけた撞木」と記述されていた。
『日本国語大辞典 第6巻』(小学館 2001)を参照したところ,「撞木」という言葉は丁字上の棒を指す,という記述があり,こちらも文章内で便宜上付けた名称であるようだった。
(4)このことから,この道具についての正式な名称はないのではないかと考えられる。
また,いずれの資料でも道具が持つ記号的な意味や魔除けなどといった役割については確認できなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 大衆演芸 (779 9版)
- 参考資料
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- 江戸東京職業図典 川村清雄展 ―古今・東西・混ざり合い― 猿まわしの系図 まちかどの芸能史 日本国語大辞典 第6巻
- キーワード
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- 猿まわし
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000217184