レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/01/12
- 登録日時
- 2019/07/26 00:30
- 更新日時
- 2019/07/26 14:44
- 管理番号
- 所沢富岡-2019-004
- 質問
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解決
曼荼羅の写真が載っているものが見たい。
(できれば日本のもので空海に関係のあるもの)
- 回答
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空海が中国から請来したもの(又はその写本)をもとに描かれた曼荼羅が現存しており、以下の資料に写真が掲載されています。
〇『図説日本仏教の世界 4』 集英社 1988年
〇『古寺巡礼京都 1』 淡交社 2006年
〇『古寺巡礼京都 15』 淡交社 2007年
〇『曼荼羅の美と仏』 東寺宝物館/編集 東京美術 1995年
また、教王護国寺(東寺)講堂内の仏像群は「立体曼荼羅」あるいは「羯磨(かつま)曼荼羅」と呼ばれる一種の曼荼羅を形作っていて、空海の構想と言われています。その仏像群の写真は以下の資料に掲載されています。
〇『すぐわかるマンダラの仏たち』 頼富本宏/著 東京美術 2011年
〇『曼荼羅のみかた』 石田尚豊/著 岩波書店 1984年
〇『古寺巡礼京都 1』 淡交社 2006年
〇『日本美術全集 6』 学研 1980 年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『図説日本仏教の世界 4』 集英社 1988年
p.6 「胎蔵界曼荼羅(伝真言院曼荼羅)の写真あり。
p.7 「金剛界曼荼羅(伝真言院曼荼羅)の写真あり。
※ 「空海が中国から請来し、わが国で広く流布したのが、(中略)九つの部分(九会)からなる曼荼羅である。」と記載あり。
p.22 「高雄曼荼羅(たかおまんだら)」の写真あり。
※「その手本となったのは、空海が請来した現図曼荼羅、もしくは弘仁12年(821)の第1回転写本」と記載あり。
〇『すぐわかるマンダラの仏たち』 頼富本宏/著 東京美術 2011年
p.124-125 「立体マンダラ」の項あり。
「その五大明王をも含んで壮大な立体(羯磨(かつま))マンダラを築き上げているのが、京都・東寺の講堂の二十一体の仏像群です。(中略)空海晩年の発想に基づいています。」と記載あり。
※「東寺講堂諸尊」のカラー写真あり。
〇『曼荼羅のみかた』 石田尚豊/著 岩波書店 1984年
p.73 「東寺講堂内諸尊」のカラー写真あり。
※「仏像や三昧耶形によって立体的に構成する曼荼羅を立体曼荼羅(羯磨曼荼羅)といいますが、東寺講堂像は、まさに典型的な羯磨曼荼羅です。《写真・配置図あり》、(中略)、三輪身説にもとづいて諸尊を統一した、空海の新しい密教思想がここに具現されています。」と記載あり。
△『マンダラとは何か』 正木晃/著 日本放送出版協会 2007年
p.170 「胎蔵マンダラ(今村九十九画)白黒写真あり。
p.181 「金剛マンダラ(今村九十九画)白黒写真あり。
※空海との関係についての記載は見当たらない。
p.200-202 「両界不二の創造者―恵果と空海」の項あるが、空海に関係のある曼荼羅についての記載は見当たらない。
△『詳解空海と真言宗』 福田亮成/監修 学研パブリッシング 2009年
p.45 「胎蔵界曼荼羅」白黒写真あり。
p.47 「金剛界曼荼羅」白黒写真あり。
p.53 「法曼荼羅「三昧耶曼荼羅」白黒写真あり。
※空海との関係についての記載は見当たらない。
△『日本浄土曼荼羅の研究』 元興寺文化財研究所/編 中央公論美術出版1987年
口絵 「智光曼荼羅図」「当麻曼荼羅図」「清海曼荼羅図」ほかの写真あり。
※空海との関係についての記載は見当たらない 。
△『シャシン・マンダラ』 花沢正治/著 平凡社 1984年
※ブータンの曼荼羅の写真あり。
△『ラダック曼荼羅』 岩宮武二/写真撮影 岩波書店 1987年
※インド・ラダック地方の曼荼羅の写真あり。
×『山界曼陀羅』 吉岡功治/著 新潮社 1992年
×『日本仏教曼荼羅』 ベルナール・フランク/[著] 藤原書店 2002年
2.後日調査による追加資料
(1)市内所蔵資料
△『仏教美術事典』 中村元/監修 東京書籍 2002年
p.174 「羯磨曼荼羅(かつままんだら)」の項あり。
「教王護国寺講堂の仏像群は空海の構想になる二十一尊羯磨曼荼羅」と記載あり。
p.949 「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」の項あり。
「空海は、八〇五年供奉李真などに描かせた彩色の両界曼荼羅を請来し、八二一(弘仁一二)年第一転写本を制作した。高雄(たかお)曼荼羅は、請来本あるいは弘仁本に基づくとみられ、空海在世時にさかのぼる唯一の遺例である。」
「大師三百年忌(一一三四)のとき兼意がこれを模写しており、数種の白描本(奈良・長谷寺蔵ほか)が伝わっている」と記載あり。
△『空海とその美術』 佐和隆研/著 朝日新聞社 1984年
p.46-82 「空海請来の密教美術」の項あり。
p.69 「高雄曼荼羅 神護寺蔵」の白黒写真あるが、不鮮明
p.209-212 「一.空海請来本」の項あり。
「一、大悲胎蔵三昧耶略曼荼羅 一紙 石山寺蔵」
「一、金剛界三昧耶曼荼羅図 一巻 石山寺蔵」
「一、金剛界八十一尊曼荼羅 一紙 石山寺蔵」他の記載あり。
※『大正新脩大蔵経図像部』の第一巻に所収されていると記載あり。
〇『古寺巡礼京都 1』 淡交社 2006年
p.28-29 「講堂内陣諸仏」の項あり。
「長大な基壇の上に、(中略)二十一体の仏像が安置されている。空海自身の構成による密教空間であり、立体曼荼羅(まんだら)とも呼ばれている。」と記載あり。
※一部のカラー写真あり。
p.66 「両界曼荼羅(元禄本)」の項あり。
※「空海請来の根本曼荼羅の第4回目の転写本」と記載あり。
〇『古寺巡礼京都 15』 淡交社 2007年
p.50-51 「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」の項あり。
p.50 「金剛界」のカラー写真あり。
p.51 「胎蔵界(部分)」のカラー写真あり。
〇『曼荼羅の美と仏』 東寺宝物館/編集 東京美術 1995年
p.54-55 「2 ◎両界曼荼羅図(りょうがいまんだらず) (元禄本)」の項あり。
p.54 「金剛界」のカラー写真あり。
p.55 「胎蔵界」のカラー写真あり。
※「東寺の曼荼羅は、弘法大師が唐から請来してきた原本の正統をうけついでおり、(中略)その最後の写しがこの元禄本である。」と記載あり。
p.66-67 「4 ◎両界曼荼羅図残闕(りょうがいまんだらずざんけつ) (甲本)」の項あり。
p.66 「金剛界」のカラー写真あり。
p.67 「胎蔵界」のカラー写真あり。
※「弘法大師が唐から請来した現図系両界曼荼羅の直系のもので、建久二年に新写された。」と記載あり。
〇『日本美術全集 6』 学研 1980 年
図版8 「東寺講堂内部」のカラー写真あり。
図版9-18 「東寺 講堂」の仏像個別のカラー写真あり。
※「その造像配列のプランは空海の密教理念にもとづくものであり。」と記載あり。
※「曼荼羅」という記載は見当たらない。
△『日本美を語る 4』 ぎょうせい 1989年
p.66 「32 両界曼荼羅図(高雄曼荼羅・部分) 国宝」のカラー写真あるが、部分のみ。
※p.67 「空海が天長六年より十年に神護寺の真言堂に懸けるため描かせた」と記載あり
△『日本の美 12』 ワコー美術出版 1983年
図版番号1 「両界曼荼羅図(金剛界一印会)」 ※目次には「高雄曼荼羅」とあり。※部分のみ
図版番号2~5 「両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅)
図版番号2・3 「胎蔵界」 カラー写真あり。
図版番号4・5 「金剛界」 カラー写真あり。
※「比較的小ぶりの両界曼荼羅で、極彩色を施したものとして、現在最古の作品です。弘法大師帰国後、およそ100年以後に作られたと考えられます。」と記載あり。
△『空海と密教美術』 正木晃/著 角川学芸出版 2012年
口絵 「金剛界曼荼羅」のカラー写真あり。
※空海との関係についての記載は見当たらない。
p.6-8 「第一章 東寺の秘密」に「立体曼荼羅」の項あり。
「弘法大師空海は平安京の南端に位置する東寺の講堂に、二一体の尊像から構成される立体曼荼羅をきずきあげた。」と記載あり。
※写真は見当たらない。
△『空海と中国文化』 岸田知子/著 大修館書店 2003年
p.63 「空海は、(中略)画師の李真ら十余人に曼荼羅を描かせた。(中略)これらの曼荼羅はいずれも大きなもので、とりわけ「大毘盧遮那大悲胎蔵大曼荼羅」と「金剛界九会曼荼羅」は縦が七幅(一幅はほぼ二尺二寸)もある。」と記載あり。
※写真は見当たらない。
(2)県内所蔵資料
△『大正新脩大蔵経図像 第1巻』 大正新脩大蔵経刊行会 1976年
※「目次」に「金剛界八十一尊曼荼羅(一紙)石山寺蔵」などの記載があるが、該当の「別紙」が見当たらない。
p.1027-1085 「金剛界三昧耶曼荼羅圖(一巻) 滋賀石山寺蔵本」の項あり。
※空海との関係についての記載は見当たらない。
※部分ごとの写真あるが、全体像の写真は見当たらない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 仏会 (186 9版)
- 叢書.全集.選集 (708 9版)
- 参考資料
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- 図説日本仏教の世界 4 集英社 1988.12 182.1 4-08-193004-X
- すぐわかるマンダラの仏たち 頼富本宏/著 東京美術 2011.7 188.56 978-4-8087-0936-5
- 曼荼羅のみかた 石田尚豊/著 岩波書店 1984.4 186.81 4-00-008420-8
- 古寺巡礼京都 1 淡交社 2006.10 185.9162 4-473-03351-1
- 古寺巡礼京都 15 淡交社 2007.11 185.9162 978-4-473-03365-9
- 曼荼羅の美と仏 東寺宝物館/編集 東京美術 1995.2 186.81 4-8087-0615-6
- 日本美術全集 6 学研 1980 708.7
- キーワード
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- 曼荼羅
- 空海
- 高雄曼荼羅
- 立体曼荼羅
- 羯磨曼荼羅
- 神護寺
- 教王護国寺
- 東寺
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 図・絵・写真
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000259076