レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/6/24
- 登録日時
- 2006/09/14 02:12
- 更新日時
- 2008/04/12 14:42
- 管理番号
- 埼浦-2006-062
- 質問
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解決
「盲人」という言葉は差別用語かどうか知りたい。放送倫理規程やその他差別用語の規程があるか。あればそれに含まれているかを知りたい。
- 回答
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①『差別表現の検証』 ②『実例・差別表現』の記述を紹介する。
差別表現についての文献①②では、著者の見解として「盲人」は使用してよいのではないかと考えられている。
放送団体へ問い合わせた結果によれば、差別的でなく、他に言い換えられないときには「盲人」という言葉を使用するが、「目の不自由な方」という表現を用いているところもある。
現在では、公刊されている放送禁止用語集のようなものは見つからない。放送会社が各々社内で使用している使いづらい言葉の一覧は存在するようである。
- 回答プロセス
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『差別用語の基礎知識』
p118に「「色盲」「盲点」などの言葉について、「盲」の字があることから避けた方がいいのではないかという意見もあり、(中略)「盲」の字については「盲学校」「盲教育」などの公式用語もあり、「色盲」の語句自体を差別語とみなすことは行き過ぎだろう」とあり。
p131、298に「めくら」の言い換えとして「盲人」をあげている。
『新・差別用語』「めくら」については言及しているが盲人についてはなし。
『表現の自由と差別用語』(NETテレビ)に「放送上さけたい用語」あり(その1 1973.10、その2 1974、その3 1975.10)
(その2)で「盲人」は「めくら」の言い換えとしてあがっている。
『差別表現の検証』『実例・差別表現』どちらも筆者の見解として、「盲人」は使用してもよいのではないかと考えられている。
『続・差別用語』p129「身体障害者関係事例」の項に「メクラ」ということばをカットしたという記述あり。「盲人」への差別としている。
《聞蔵(朝日新聞記事データベース)》〈盲人〉で検索すると以下の記事で使用例あり。固有名詞 ○○盲人協会などを除く。
2005年5月19日朝(秋田)「盲人用の点字ブロック」
2005年4月27日朝(茨城)スポーツ結果で「盲人」(の部)
放送禁止用語集について日本民間放送連盟へ問い合わせる。
「民放連としてだしている基準書はない。各局が各々社内で持っている使いづらいことばの一覧はあるよう。」
NHK放送博物館に同様に問合わせる。
NHK放送文化研究所の用語の担当者に尋ねたところ、現場では「目の不自由な方」という表現を用いている。
差別的でない表現ならば、「盲人」も使用する(他に言い換えられないとき)。」とのこと。
以上の調査経過を連絡する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 語彙 (814 9版)
- 社会福祉 (369 9版)
- 放送事業 (699 9版)
- 参考資料
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- 『差別表現の検証 マスメディアの現場から』(西尾秀和 講談社 2001)
- 『実例・差別表現 糾弾理由から後始末まで、情報発信者のためのケーススタディ』(堀田貢得 大村書店 2003)
- キーワード
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- 日本語-語彙
- 視覚障害者福祉
- 放送
- 照会先
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- NHK放送博物館
- 日本民間放送連盟
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- その他
- 登録番号
- 1000030619