レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年08月28日
- 登録日時
- 2021/12/26 16:31
- 更新日時
- 2022/07/06 17:43
- 管理番号
- 23443
- 質問
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解決
語頭を「お」に変える讃岐の方言について説明した資料はあるか。
- 回答
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以下の資料に関連する記述あり。
【参考資料1】
「音韻篇 母音の部 1母音の転換 ウ母音の転換 ウ音→オ音」の項
ウ音がオ音に変化することについて下記のような記述あり。
p6-8「語例が非常に多く、最も訛り易い現象である。島には比較的少く小豆には全く
用ひられない語もある。」
母音が転換した語の例とその語が確認される地域がいくつか列記されており、
語頭の「ウ」が「オ」に変化した語には、
「鰻(オナギ)」「海(オミ)」「兎(オサギ)」「後(オシロ)」が挙げられている。
「語法篇 代名詞 (1)人代名詞 自称(一人称)」の項
「おたし」について下記のような記述あり。
p34「オタシ」の項
「大・木・高・香・綾には全面的に用ひられ、丸・仲希少、三・島・小には全くない。
男女、常に用ひる。」
*大=大川、木=木田、高=高松、香=香川、綾=綾歌、丸=丸亀、仲=仲多度、
三=三豊、島=島嶼部、小=小豆島
【参考資料2】
「おたし」「おなぎ」に関して下記のような記述あり。
「第1章 『香川の方言集』 あ行 お」
p47「おたし」の項
「(代)私。「おたしは知らんぜ。」男女ともに使用する」
p51「おなぎ」の項
「(名)うなぎ(老人語)。(古)」
「第2章 第1節 古語の流れと思われる香川の方言について」
香川の方言の特徴として上方の古い言葉が多く残っているということを取り上げ、
古語の流れと思われる語を列記している中に、「おなぎ」あり。
p343「おなぎ」の項
「鰻。『東海道中膝栗毛』「おなぎのかばやきござります」」
「第2章 第3節 讃岐なまり 6 同行通音」
讃岐なまりの1つ、同行通音の語(同じ行の音に変化する語)を列記している中に
「おなぎ」あり。
p423「おなぎ」の項
「(鰻)「ウ」が「オ」に変化。(老人語)」
「おなぎ」と同じく、語頭の「ウ」が「オ」に変化した語として、
【参考資料1】で挙げた語と同じ語(「海(オミ)」「兎(オサギ)」「後(オシロ)」)が
列記されており、それら全てに「「ウ」が「オ」に変化。(老人語)」との記述あり。
- 回答プロセス
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例:「うなぎ」を「おなぎ」
「わたし」を「おたし」
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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(1)『讃岐方言の研究』 脇田順一 著 , 香川県師範学校附属小学校, 1938.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I085569572-00 -
(2)『香川の方言とその特徴』塚田教一 著 , 塚田教一, 2000.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002892935-00
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(1)『讃岐方言の研究』 脇田順一 著 , 香川県師範学校附属小学校, 1938.
- キーワード
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- 方言
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000309605