レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年11月02日
- 登録日時
- 2008/11/02 09:43
- 更新日時
- 2023/05/17 09:07
- 管理番号
- 遠野-2008-01
- 質問
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解決
岩手県遠野地方において、近世に塩が運ばれた道の名前について教えてください。
- 回答
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現在の盛岡市・花巻市と遠野市を結んだ「遠野街道」と、遠野市と三陸沿岸を結んだ「釜石街道」「大槌街道」がある。
三陸沿岸部の塩をはじめとする海産物を内陸部に移入し、その帰り荷として、内陸部の米・雑穀・藁製品などを沿岸部へと運ぶための重要な交易路であった。
- 回答プロセス
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<所蔵資料からの調査>
【遠野街道】
『角川日本地名大辞典3 岩手県』(角川書店 1985)p534より
「遠野街道 盛岡と遠野を結ぶ道路。現在の国道396号とほぼ同じコース。(中略)遠野は閉伊海岸と内陸を結ぶ交通の要地にあり、各地から物資が集まり、そのにぎわいぶりは盛岡に次ぐといわれた。海岸からの運搬物が海産物であることは当然であるが、幕末には釜石方面からの鉄が重要物資となる。(後略)」
『南部と奥州道中』(細井計 吉川弘文館 2002)p31より
「遠野(遠野市)への道は、二つのコースがある。一つは奥州道中の花巻宿(花巻市)から土沢(東和町)・下宮守(宮守村)などを経て、領内第一の重臣南部弥六郎の知行所であった遠野に通じる道である。これが遠野街道とか花巻街道などといわれていた。もう一つは城下盛岡から乙部(盛岡市)・大迫(大迫町)・達曽部(宮守村)などの宿駅を経て遠野へ達する道である。
【大槌街道】
『南部と奥州道中』(細井計 吉川弘文館 2002)p31より
「さらに遠野から笛吹峠を越えて、代官所のあった三陸沿岸の大槌(大槌町)に通じる大槌街道があり、(後略)」
大槌街道についてはレファレンス協同データベース『塩の道について知りたい。遠野から大槌の交通路』がある
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000323162
【釜石街道】
『南部と奥州道中』(細井計 吉川弘文館 2002)p31より
「(前略)大槌街道があり、その途中の鴬崎(遠野市)で分岐して仙人峠を越え、甲子から釜石(以上釜石市)へ達する釜石街道がある。」
【その他】
『南部と奥州道中』(細井計 吉川弘文館 2002)p31より
「この遠野からは小松峠を越え、日頃市から盛(以上、大船渡市)へ通じる道もあった。」
【積み荷】
『南部と奥州道中』(細井計 吉川弘文館 2002)p31より
「三陸沿岸部の塩をはじめとする海産物を内陸部に移入し、その帰り荷として、内陸部の米・雑穀・藁製品などを沿岸部へと運ぶための重要な交易路であった。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 交通史.事情 (682 8版)
- 参考資料
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「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 3 (岩手県). 角川書店, 1985.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001726922-00 , ISBN 4040010302 -
細井計 編 , 細井, 計, 1936-. 南部と奥州道中. 吉川弘文館, 2002. (街道の日本史 ; 6)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003637142-00 , ISBN 4642062068
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「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 3 (岩手県). 角川書店, 1985.
- キーワード
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- 遠野街道
- 大槌街道
- 釜石街道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000048680