レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/11/16
- 登録日時
- 2022/12/23 00:30
- 更新日時
- 2022/12/23 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-220189
- 質問
-
解決
宮城蔵王の遠刈田温泉地内で明治後半頃に一度も稼動することなく解体された製鉄所高炉跡があった。鉄鉱石は近くの青根鉄山から入手予定だったらしいが,その青根鉄山の場所はどこなのか知りたい。
- 回答
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青根鉱山の位置等については,下記論文に記載がありました。
※【 】内は当館請求記号です。
資料1 南部松夫「<報文>日本産褐鉄鉱の鉱物学的研究」『東北大学選鉱製錬研究所彙報』11(1), 1955, pp.35-66.【P051.1/コ】
「V. 赤鉄鉱後の褐鉄鉱-1. 宮城県青根鉱山産針鉄鉱」(p.55)
「本鉱山は柴田郡青根温泉西方物見岩付近にある.第3紀の緑色凝灰岩を貫く浅熱水性雲母鉄鉱石英脈である.」との記述があります。
また,下記参考資料により,青根鉄山と青根鉱山は同じであることがわかりました。
参考資料1 野呂景義「本邦製鉄事業の過去及将来(承前)」『鉄と鋼』2(2), 1916, pp.159-167.
URL https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1915/2/2/2_2_159/_article/-char/ja (最終アクセス:2022/11/16)
「日本製鉄株式会社(青根鉄山)の事」(pp.163-166)の記述中,「青根鉄山鉱量に付工学士三田守一氏の調査書」が掲載されており,「(1)新湯沢鉱脈」「(2)物見岩鉱脈」「(3)花房山鉱脈」等11鉱脈について高・延長・幅等について記載があります。ただし各鉱脈の位置については記載がありません。
- 回答プロセス
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遠刈田製鉄所については下記を参照。
広田稔「大正に蘇生した明治高炉 : 青根鉄山「遠刈田製鉄所」と山陽製鉄所の産業技術記念物」『鉱山金属文化』(1), pp.29-36.【P(ODD) /コ】
その参考資料としてあった『鉄と鋼』を参照し,資料1に青根鉄山についての記述があることがわかりました。
岡田広吉「東北の高炉遺跡」『日本金属学会会報』13(9), pp.689-692.【P563/ニ】
URL https://doi.org/10.2320/materia1962.13.689 (最終アクセス:2022/11/16)
青根鉄山(青根鉱山)については下記を参照。
レファレンス共同データベース
URL https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000316348 (最終アクセス:2022/11/16)
事例を参考に,南部松夫『宮城県鉱物誌』【K459/ナ】(p.58)を確認したところ,赤鉄鉱の主産地として「柴田郡川崎町青根物見岩 青根鉱山」との記載がありました。そこでさらに,「南部松夫&青根」をキーワードとしてインターネット検索をしたところ,東北大学リポジトリTOURにおいて,『著作目録(南部松夫)』(http://hdl.handle.net//10097/63602 最終アクセス:2022/11/16)がヒットし,掲載されていた「日本産褐鉄鉱の鉱物学的研究」(『東北大学選鉱製錬研究所彙報』11(1), p.55)を確認したところ,青根鉱山の位置について記述があることがわかりました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 金属工学.鉱山工学 (560 9版)
- 参考資料
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- 東北大学選鉱製錬研究所. 東北大學選鑛製錬研究所彙報 11卷1號 (1955.6). 東北大學選鉱製錬研究所, 1955【P051.1/ト/0010-TAG】:
- 産業考古学会. 鑛山金属文化 創刊[1]号 (昭60.4). 産業考古学会鉱山金属分科会, 1985.4【P(ODD)/コ】:
- 日本金属学会. 日本金屬學會誌 13巻9號 . , 1974【P563/ニ】:
- 南部松夫/著. 宮城県鉱物誌. 宮城県商工労働部中小企業課, 1972【K459/ナ1】:
- キーワード
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- 鉄 -- 鉱山 -- 宮城県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000326304