レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年06月03日
- 登録日時
- 2015/10/06 18:52
- 更新日時
- 2015/10/29 10:12
- 管理番号
- 岩手-244
- 質問
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解決
『聴耳草紙』の「114番 鳥の譚 鳩(其の一)」に出てくる粉煎(こせん)とは、どういうものか。
- 回答
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旧南部藩領の岩手の言葉をあつめた『つづれこたゑ 南部詞資料』には、「こせんの粉 こうせん 麦こがし」として、次のように紹介されている。
p104~105
「南部の農村のこうせん - 大麦を殻付の儘煎って、石臼で碾き粉にし粉卸しで殻其他を取り去り、多くは粉の儘食ふ。匙が無かったから付木で掬くって食ふ。砂糖が高価だった時代で否農村が貧しい時代で塩を味付にした。」
また、『みちのく南部の方言』にもp147「コーセン=麦焦がし(粉)【香煎】」として、「大麦を煎って粉にしたもの」と紹介されている。
- 回答プロセス
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・粉煎(こせん)という言葉を国語辞典類で引く。いずれも粉煎(こせん)の項目なし。
・食物関係資料をブラウジング。
・方言資料を調査。とくにこの物語は著者の佐々木喜善が(岩手郡雫石村辺の話)として採集していることから、その地方の資料を通覧。「粉煎」という表記はなかったが、麦こがしを説明する「こせんの粉」「コーセン」の記述を確認、資料を紹介した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810 9版)
- 参考資料
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- 『つづれこたゑ 南部詞資料』高橋 捷夫∥著 豊島書房∥出版 1981年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036129159-00)
- 『みちのく南部の方言』岡田 一二三∥著 伊吉書院∥出版 1996年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I027745096-00)
- キーワード
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- こせん/こうせん/粉煎/香煎
- 麦こがし
- 聴耳草紙
- 方言
- 食べもの
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000182154