レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月07日
- 登録日時
- 2020/10/14 10:56
- 更新日時
- 2020/10/20 11:48
- 管理番号
- 0000110860
- 質問
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未解決
戦前の貨客船「笠戸丸(かさとまる)」の名前の由来が知りたい。下松市にある笠戸島(かさどしま)と関係があるのではないか。
- 回答
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下記資料1p95に「六月三日、「カザン」は笠戸丸と名を改められ」とあり、由来については「「笠戸」とは瀬戸内海に浮かぶ小島の名である」と書かれている。なお、資料2目次には、瀬戸内海関係の島で「笠戸島」は下松市のそれのみ掲載されている。
資料3では笠戸島について触れられておらず、p19に「原名のカザンの音をとって「笠戸丸」と改名」とある。
また同資料p17の記述によると、笠戸丸を東洋汽船が運航していたころの状況については、関東大震災で同社の書類が消失してしまったため、史料は皆無に近いとのこと。
なお、資料4『日本商船・船名考』を確認したところ、p278に「笠戸丸」の名前が見えるが、建造年が大正11年(1922年)であること、昭和11年(1936年)に北海道・松前沖で座礁沈没していることなどから、今回調査対象の笠戸丸(資料2によると、明治33年(1900年)進水、昭和20年(1945年)カムチャツカ半島西岸沖でソ連の空爆により沈没)とは別の船であると思われる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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以下の資料は確認済み
国立国会図書館デジタルコレクション『かさと丸』「視聴覚教育 38(9)(443) 」など
宇佐美昇三 著 『笠戸丸から見た日本 したたかに生きた船の物語』(海文堂出版,2007.2)
松井邦夫 著・画『日本商船・船名考』(海文堂出版,2006.8) ※目次のみ確認
その他、ロシアの病院船「カザン」「カストローマ」が「笠戸丸」の前身であることや大阪商船とのかかわりについての資料
船は「島」や「国」の名前が使われているので、下松市の「笠戸島」との由来がわかるものを調べている。
- NDC
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- 海運 (683 9版)
- 参考資料
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1.藤崎康夫 著 , 藤崎, 康夫, 1936-. 航跡 : ロシア船笠戸丸. 時事通信社, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001615387-00 (p95) -
2.日本離島センター 編 , 日本離島センター. シマダス = Shimadas : 日本の島ガイド 新版. 日本離島センター, 2019.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I030081661-00 , ISBN 9784931230385 (目次) -
3.山田廸生 著 , 山田, 廸生, 1937-. 船にみる日本人移民史 : 笠戸丸からクルーズ客船へ. 中央公論社, 1998. (中公新書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002735071-00 , ISBN 4121014413 (p17,19) -
4.松井邦夫 著・画 , 松井, 邦夫, 1923-. 日本商船・船名考. 海文堂出版, 2006.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008259542-00 , ISBN 4303123307 (p278)
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1.藤崎康夫 著 , 藤崎, 康夫, 1936-. 航跡 : ロシア船笠戸丸. 時事通信社, 1983.
- キーワード
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- 笠戸丸
- 笠戸島
- 海運--日本--歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000288252