レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年01月23日
- 登録日時
- 2022/03/29 09:50
- 更新日時
- 2024/01/15 10:51
- 管理番号
- 横浜市中央2662
- 質問
-
解決
日本での牛鍋の発祥の店がどこか知りたい。
横浜市中区にある「太田なわのれん」だと聞いたことがあるが、本当か。
- 回答
-
下記の資料に、最初の牛鍋店は文久二(1862)年に開店した「伊勢熊」という記述があります。
「太田なわのれん」は現存する店では最古参と書かれています。
1 『横浜市史稿 風俗編』 横浜市役所/編纂 臨川書店 1985.12
p.710-722 「六 牛鍋の流行」
p.717 「上述の如く流行の全盛を極めた牛鍋店は、横浜では前掲古老の談にもある
如き、文久二年の開店である居酒屋の伊勢熊を其権輿(けんよ)とされて居るが、
第二者として推想されて今も猶其繁栄を続けて居るのは、現在中区末吉町二丁目の
通称、太田の牛屋、縄のれんの高橋と言ふ元祖ぶつぎり牛鍋店である。」
2 『横浜開港側面史』 横浜貿易新報社/編 歴史図書社 1979.5
p.214-215 「牛肉切売と鍋売」
「…其後入船町(ザット今の鐡の橋から辨天橋あたりへ一直線を
引いた海岸の街を入船町と云った)で伊勢熊と云う人が牛肉
の鍋売を始めた、…」とあります。
この資料は横浜市立図書館デジタルアーカイブ都市横浜の記憶で閲覧できます。
https://archive.lib.city.yokohama.lg.jp/museweb/detail?cls=collect_01&pkey=00002059
3 『幕末・明治の横浜 西洋文化事始め』 斎藤多喜夫/著 明石書店 2017.3
p.71 「牛鍋の始まり」
1、2の資料が引用されています。
4 『横浜もののはじめ考』 横浜開港資料館/編 横浜開港資料館 2010.3
p.44-45 「牛肉切売りと牛鍋」
2の資料が引用されています。「太田縄暖簾」の項では、1の資料が引用
され、「現役最古参の牛鍋屋である。」と書かれています。
5 『たべもの起源事典』 岡田哲/編 東京堂出版 2003.1
p.129-130 「ぎゅうなべ(牛鍋)」の項
「幕末の1862年(文久2)に、横浜に最初の牛鍋屋が現れる。
伊勢熊という居酒屋で、牛肉の煮込みを出したところ、大盛況
であったという。1868年(明治元)に、横浜で開店した、
太田なわのれんは、文明開化の頃の牛鍋の味をよく伝えている。」
6 『日本の食文化史年表』 江原絢子/編 吉川弘文館 2011.7
p.136 1862(文久2)年の事項に「この年、横浜にて、初の牛鍋店伊勢熊
開店」とあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000314205