レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年1月15日
- 登録日時
- 2013/03/28 00:30
- 更新日時
- 2013/05/17 11:27
- 管理番号
- OSPR13010033
- 質問
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解決
1896年(明治29年)2月1日の制定の「府令・製造場取締規則」について記載している文献をさがしている。
- 回答
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1896年(明治29年)2月1日の制定の「府令・製造場取締規則」は
・『環境問題資料集成 9 地方自治体の環境政策・まちづくり』(日本科学者会議/編 旬報社 2003)
p.3に以下の記述があります。
「工場規制の基準が徐々につくられていったが、1896年(明治29)年、大阪府は、それまでの布達や府令を廃止し、新たに大阪府令21号「製造場取締規則」を制定した。以後、1920(大正9)年制定の「工場取締規則」が制定されるまで、部分的改定を経ながら、工場規則は本規則に基づいて行われた。本規則は、煤煙・悪臭・音響を発する工場やその他健康を害する物品を製造する工場に対して、こうした工場の新増設・変更時に、製造上の位置・構造物等を細かく定めた書類の提出を義務づけている。
第3条では、「製造上ハ其建造物ヨリ周囲他人ノ住家等ニ対シ相応ノ距離ヲ有シ公害ナシト認ルモノニアラサレハ許可セサルヘシ」と規定している。また、本規則は、水源地での製造場を設けている。これらのことは、本規則を実行したならば効果を期待することができる内容であったといえよう。ただし、近傍の人家の承諾を得る必要性はなくなっている。」
p.10-13には、規則の全文が掲載されています。
コメントとして、「煤煙・悪臭・音響等を発生する工場、あるいは健康を害する物品を生産する工場等を新増設・変更する場合、敷地・建物と人家等との位置を示す図面の提出、有毒ガス等を発生する施設の場合にはその防除方法等を示す書類等の提出を義務づけるとともに、工場は人家等に対して相応の距離をおき、公害がないと認められない場合には新増設・変更等を許可しないというものである。また、石炭を燃料にする煙突にあっては60尺以上の高さとして、材質を煉化石造・鉄板製とするとしている。また、本規則では罰則規定を設けている(第17条)。」と記述されています。
◆府令本体は、「大阪府公報第千百五十八號」として掲載されており、大阪府公文書総合センター内の大阪府公文書館のサイトで閲覧可能です。
以下の資料にも記述が見られましたので、挙げさせていただきます。
・『都市公害の形成 近代大阪の成長と生活環境』(小田康徳/著 世界思想社 1987)
p.13-40 「第一章 大阪における公害問題の形成」の中で、
1「初期の公害規制法令」の中で明治10年代までの諸法令について、
2「製造場取締規則の制定と煤煙汚染の拡大」では、明治30年代までの諸法令について記述されています。
(「製造場取締規則」の全文が引用されています。)
・『近代日本の公害問題 史的形成過程の研究』 (小田康徳/著 世界思想社 1983)
・『資料近代日本の公害』(神岡浪子/編 新人物往来社 1971)
・『大阪市公害対策史』(大阪市環境保健局環境部/監修 地球環境センター 1994)
・『大阪の産業と社会』(北崎豊二/著 毎日放送 1973)
・『公害白書』(大阪府生活環境部公害室)等にも記述が確認できました。
公害の歴史についての基本的な規則のようですので、これらの図書以外にも近代の公害関係や大阪の近代産業について書かれた図書や論文に記述が含まれていると思われます。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 地方自治.地方行政 (318 8版)
- 参考資料
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- 環境問題資料集成 9 地方自治体の環境政策・まちづくり(ページ:3,10-13)
- 都市公害の形成 近代大阪の成長と生活環境(ページ:13-40)
- 近代日本の公害問題 史的形成過程の研究(ページ:)
- 資料近代日本の公害(ページ:)
- 大阪の産業と社会 毎日放送文化双書(ページ:)
- 公害白書(ページ:)
- 大阪府公文書館 所蔵資料検索システム(2013.1.29確認) (ホームページ:http://www.doc.pref.osaka.jp/hx/index.jsp)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000129749