レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年08月06日
- 登録日時
- 2012/07/14 10:31
- 更新日時
- 2022/04/26 21:37
- 管理番号
- 県立長野-12-001
- 質問
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解決
「信府」と呼ばれる信濃三十四札所の御詠歌を知りたい。
(よく知られている信濃三十三札所は「撰」といい、その他に質問の「信府」三十四札所と、「悟」と呼ばれる三十三札所があり、合わせて信濃百札所とされている、とのこと。)
- 回答
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雑誌『信濃』(第1次)第4巻2号、4号、7号、8号(1935年)に掲載された、細野宮太郎氏による「信濃百番観世音順礼」に記載されている。
ただし、「撰」、「信府」、「悟」の別ではなく、一部欠落と重複がある。
- 回答プロセス
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1 「信濃三十三札所」に関する資料は多く所蔵しており、そのうち下記参考資料1には、信濃三十三番の巡礼は江戸時代初期の寛政年間には成立し、「信濃三十三番の巡礼が盛んになるにつれて、これを西国三十三番に見立てた信濃西国(信前・信撰ともいう)ができ、のちには信濃秩父(信府ともいう)や信濃坂東(信後・信悟ともいう)が加わり、あわせて信濃百番の札所が元禄8年には成立した」という記述がある。
2 また、参考資料2巻末に、資料3を原拠として、信濃百番を含む「信濃観音巡礼札所一覧」が掲載されているが御詠歌の記載はない。(一部欠落と重複あり。)
3 資料1巻末著者紹介によると、関保男氏が「信濃三十三札所」に関する論文を幾つか発表しているようなので、これらを調査。資料4に、「『信濃百番』の札所名については、後述のように各地域によって寺名に異動があるが、最も一般的なものは第一次『信濃』に細野宮太郎氏が紹介されたものである」とある。
4 資料5によると、細野宮太郎氏による記事は『信濃』第4巻2号、4号、7号、8号(1935年)に連載されている。
5 上記『信濃』を確認。「撰」、「信府」、「悟」の別ではないが、札所と御詠歌が記載されている。(一部欠落と重複がある。)
6 『全国三十三カ所観音霊場および全国八十八カ所霊場ご詠歌集』武石伊嗣/著 神谷書房 2009年 【当館請求記号 186.9/タコ】のp364に「信濃(府)三十四カ所観音霊場」が掲載されているが、典拠としている資料が『東筑摩郡松本市塩尻市誌 第2巻下』であり、収録対象としている筑摩郡関係以外の札所については記載されていない。
7 「順礼歌」、「巡礼歌」、「信濃百札所」などのキーワードでは他の資料は見つからず、細野氏の記事が後に典拠とされている基本的な文献と思われるので、これを紹介。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏会 (186 9版)
- 参考資料
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- 1 『信濃三十三札所めぐり』柿木憲二 関保男/著 郷土出版社 (【当館請求記号 N180/59】)
- 2 『信州の仏教寺院1』 郷土出版社 1986年 (【当館請求記号N180/49/1】)
- 3 「信濃巡礼札所一覧」関保男 『長野』(第60号) 1975年
- 4 「『信濃三十三番』雑考」関保男 『長野』(第106号) 1982年
- 5 『信濃総索引 第3版』信濃史学会/編 信濃史学会 1983年 (【当館請求記号 N050/198B】)
- キーワード
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- 御詠歌
- 巡礼
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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埼玉県立熊谷図書館様から下記の情報をいただきました。
『全国三十三所収録 上 東日本編』(石川靖夫/編 石川靖夫 2008年)(禁帯出、相互貸借・郵送複写可)のp379「信濃百番観音順礼」の項に「信府三十四番・松本」の項(p379-382)があり、第一番から第三十四番までの札所について寺院名・御詠歌・住所等の記載あり。
(p379に『信濃百番観世音詠歌巡拝』(上条為人)により掲載している旨の記述あり。)
また、同館からも情報をいただいていた、信州大学附属図書館所蔵の『巡/礼 信濃百番』(http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/eddb/eddb17.html 参照。最終アクセス確認2012年7月8日。)の全ページの撮影写真を掲載した書籍『信濃百番 百姓親爺の青空研究』 山浦行男/著 山浦行男 2009年 が最近寄贈された。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000108557