レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/05/20
- 登録日時
- 2023/07/20 00:30
- 更新日時
- 2023/07/20 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230022
- 質問
-
未解決
近世において、北海道白老と仙台藩との海運と漁業がどのように発展したかを具体的に知りたい。
(人の交流、船舶の開発、海運の推移、漁業の発展など関連する事項)
- 回答
-
下記資料に、仙台藩と白老元陣屋、蝦夷地に関する記載がありました。ただし、「人の交流、船舶の開発、海運の推移、漁業の発展等」について具体的な内容や数値等を示す記載は見あたりませんでした。※【 】内は当館請求記号です。
資料1 仙台市史編さん委員会編『仙台市史』通史編5, 仙台市, 2004年【K225/セ1-13/5】
pp.449-456「第七章 開国と仙台藩政」-「第一節 蝦夷地の警備」-「三 仙台藩の蝦夷地経営」
pp.450-451「仙台藩の領分経営」の項
pp.451-453「場所請負制への対応」の項
「場所請負人から上納される運上金も、領分を与えられた藩の収入となった」「仙台藩の領分となった地の場所請負人は、シラヲイ場所が函館の野口屋又蔵、…(後略)…であった。」
pp.454-456「「領分」の特産物への対応」の項
p.455「領分となった「蝦夷地」の各「場所」から、特産物である「秋味鮭」を江戸や仙台藩領の石巻湊、鶴岡藩領の酒田湊などの主要な市場に直送することが、この時期に頻繁に行われるようになった。」と記述があり、表「蝦夷地からの鮭の直送状況」の掲載があります。
p.456「シラヲイにおける鹿皮生産」の項
「気仙郡日頃市村(岩手県大船渡市)の革師二名がシラヲイに渡り、一八六〇年(万延元)夏ころから鹿皮六二四枚を買い入れ、「鞣革」生産を開始した」と記述があります。
資料2 仙台市博物館編『市史せんだい』Vol.12, 仙台市博物館, 2002年【K225/セ14-3/12】
pp.84-91「仙台藩の蝦夷地領有とその経営について」-「二、蝦夷地領分の経営 若干の問題」の項
※白老元陣屋代官の記録(『庚申蝦夷地御領分諸達日記坤』1860(万延元)年分)より、藩の目標としてかかげていた土地開墾、漁場取開き、土着人数引入れ政策の問題にかかわる事柄について記述があります。
資料3 松木覚著『北に生きる武士団』白老町教育委員会, 1978年【K390/マ2】
pp.116-232「第二篇 藩領期」、pp.233-298「第三篇 余録篇」
pp.317-324「第四篇 人物列傳」-「七、野口屋又蔵」の項 ※白老場所請負人野口屋又蔵(商人)の人物史
資料4 [白老町町史編さん委員会編]『白老町史』白老町役場, 1975年【K278/シ1】
pp.180-184「第三編 明治前史」-「第三章 松前藩復領と白老」-「第三節 白老場所の経営状況」の項
p.181に天保十二年(一八四一)の白老場所の請負人、運上金の掲載(「天保十五年東蝦夷地御運上高」)があります。また「野口家は天保十二年初めて請負人となったのであるが、明治初年まで継続して白老場所を請負っていたのである。」とあり,p.182には「この時代としては異状な功績として讃えたいこと」として「一つはアイヌ人口の増加であり、二つには投石による昆布増殖を図った白老場所請負人野口屋又蔵の事績である。」という記述があります。
pp.204-216「第三編 明治前史」-「第四章 幕府直轄と白老」-「第四節 蝦夷の撫育と白老場所の状況」-「白老場所の状況」の項
pp.204-205に「(前略)従来禁じていた大網使用の許可あるいは移住に関する制限緩和による漁民の移住、入稼の増加などにより漁獲高は非常に増加したばかりではなく、箱館開港による輸出の増加と価格の騰貴があり、その産額ははいちじるしく増大した。」とあり、「白老場所の明治にいたるまでの運上金と場所請負人」の記載がありました。
資料5 石巻市史編さん委員会編『石巻の歴史』第2巻, 石巻市, 1998年【K253.3/イ1-2/2-1】
pp.162-168「第三章 港町石巻の発展」-「第一節 舟運の発展」-「5 幕末期の海運」
pp.162-163「田代島平塚八太夫」の項に「屡々蝦夷の地に往復し、漁業に従事して巨利を博せり」、「仙台藩は蝦夷地東部を任務としたが、財政窮迫の折で、警衛・開発には商人の経済力に頼る以外なかった。そこに巨利を求める商人の登場があり、平塚八太夫の活躍する場が開けてきたのである。」と記載があります。
pp.163-168「那珂湊・蝦夷地との交易」の項 ※平塚八太夫の蝦夷地交易について記述があります。
また、下記資料を確認しましたが「白老と仙台藩との海運と漁業」に関する記載はありませんでした。
資料6 仙台市史編さん委員会編『仙台市史』資料編2, 仙台市, 1996年【K225/セ1-13/11A】
資料7 佐藤宏一著『東蝦夷地仙台藩陣屋考』佐藤宏一, 1975年【K278/1975.3】
資料8 村上直, 高橋克弥共編『文化五年仙台藩蝦夷地警固記録集成』文献出版, 1989年【K390/フ1】
資料9 『仙台藩白老元陣屋資料館報』仙台藩白老元陣屋資料館【PK278/セ】
資料10 田島佳也著『近世北海道漁業と海産物流通』清文堂出版, 2014年【662.11/2014.5】
- 回答プロセス
-
仙台藩の蝦夷地領有,交易に関連する資料や関係する市史を調査したが,依頼者の質問事項(人の交流、船舶の開発、海運の推移、漁業の発展)に対する具体的な記述等は確認できなかった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 東北地方 (212 9版)
- 参考資料
-
- 仙台市史編さん委員会/編. 仙台市史 通史編5. 仙台市, 2004.3【K225/セ1-13/5】:
- 仙台市博物館/編. 市史せんだい Vol.12. 仙台市博物館, 2002.7【K225/セ14-3/12】:
- 松木 覚/著. 北に生きる武士団. 白老町教育委員会, 1978【K390/マ2】:
- [白老町町史編さん委員会/編]. 白老町史. 白老町役場, 1975.3【K278/シ1】:
- 石巻市史編さん委員会/編. 石巻の歴史 第2巻. 石巻市, 1998.3【K253.3/イ1-2/2-1】:
- 仙台市史編さん委員会/編. 仙台市史 資料編2. 仙台市, 1996.3【K225/セ1-13/11A】:
- 佐藤 宏一/著. 東蝦夷地仙台藩陣屋考. 佐藤宏一, 1975.3【K278/1975.3】:
- 村上直, 高橋克弥/共編. 文化五年仙台藩蝦夷地警固記録集成. 文献出版, 1989.12【K390/フ1】:
- 仙台藩白老元陣屋資料館. 仙台藩白老元陣屋資料館報 . 仙台藩白老元陣屋資料館, 【PK278/セ】:
- 田島/佳也?著. 近世北海道漁業と海産物流通. 清文堂出版, 2014.5【662.11/2014.5】:
- キーワード
-
- 蝦夷地
- 陣屋
- 海運 -- 歴史
- 漁業 -- 歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000336110