レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年05月25日
- 登録日時
- 2023/08/03 10:33
- 更新日時
- 2023/08/03 10:34
- 管理番号
- 千県中千葉-2023-04
- 質問
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解決
明治期に佐倉で士族の授産事業として始まった製茶について知りたい。
- 回答
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佐倉の製茶について、わかりやすくまとまっている資料として以下のとおり見つかりました。
【資料1】『近代の佐倉 ふるさと歴史読本』(佐倉市 2001)
p22-23に「明治期の茶業と養蚕業」の項目があります。佐倉における茶業と養蚕業の発達や、授産事業として茶業を行った佐倉同協社の誕生等について書かれています。
【資料2】『倉次亨 佐倉市郷土の先覚者』(佐倉市教育委員会 1993)
旧士族による佐倉茶生産の中心的人物である倉次亨に関する資料です。児童向けの資料ですが、倉次亨や同協社についてわかりやすく書かれています。
【資料3】「房総のふるさと 郷土の伝統を守る人々』(千葉県農業協同組合中央会テレビ企画班編 多田屋 1972)
p47-55に、佐倉市で製茶業を営む兼坂市兵衛氏を紹介する「すがすがしい佐倉茶の作り手」の項目があり、そのうちp49-50「佐倉茶史」、p50-53「ニューヨークへ積み出す」では、佐倉茶がアメリカに輸出されたきっかけなど、佐倉の製茶の歴史が書かれています。
市史や県史等では、以下の資料に記載がありました。
【資料4】『佐倉市史 巻3』(佐倉市史編さん委員会編集 佐倉市 1979)
p572-677に「佐倉同協社の茶業」の項目があり、史料を交えながら詳しく書かれています。p586-592「同協社の結成と着手」では、倉次亨が茶業を興そうと協議した旧藩士5名の名前や、なぜ茶業を始めようと考えたか等書かれています。p622-623には「佐倉同協社創始初摘以来製茶表」が引用されており、茶の生産量や製造費、収入金額等がわかります。p646-650「事業が困難を来たした諸点」では、気候風土や経営組織、災害を、経営困難に陥った理由として挙げています。
また、p386-410「茶業」では、同協社に限らず佐倉での茶業について書かれています。
【資料5】『八街町史』(八街町史編纂委員会編集 千葉県印旛郡八街町 1974)
p502-513に「富山同協社」の項目があります。p503には「明治四年七月、廃藩置県により、佐倉藩士卒の身分処置が問題となった時…富山を上地とし、…旧佐倉藩士卒に払い下げ、翌五年三月、旧佐倉藩士が富山に入植して茶業を始めるということになった」とあります。
【資料6】『千葉県印旛郡誌 後篇』(崙書房 1971)
p211-214に同協社の項目があり、同協社や倉次亨について書かれています。
【資料7】『千葉県の歴史 通史編近現代1』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 2002)
p394-397「房総の製茶」のうち、p395-397に「下総台地の製茶」の項目があり、同協社について書かれています。
その他、以下の資料に記載がありました。
【資料8】『房総風雅史』(小倉光夫著 思文閣出版 2003)
p655-677「明治期における房総茶業の発展」のうち、p662-666に「下総国佐倉茶業同業組合「佐倉同協社」と「相済社」」の項目があります。
【資料9】「千葉県史(25)明治編 四 前期千葉県の行政機構と産業 (3)佐倉同協社とその茶業」(『房総及房総人』通巻602号 1985.10)p4-19
同協社の結成やその事業について書かれています。p11には「同協社受領の褒賞等」の表があり、博覧会での受賞等について記載があります。
【資料10】倉次重一「西村茂樹と倉次亨」(『弘道』第943号 1989.12)p26-31
著者は倉次亨の曾孫です。倉次亨の業績について書かれており、その中で茶業についても書かれています。p29-30には「佐倉同協社茶摘歌」が掲載されています。p31には倉次亨略年譜があります。
同協社に関する史料が以下のとおり見つかりました。
【資料11】『千葉県の歴史 資料編近現代4』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1997)
p49-55に「佐倉同協社」の項目があり、p49-53「千葉県下同協社資金貸金ノ件[抄]」とp53-55「墾場景況」が収録されています。
【資料12】『佐倉同協社茶業輯録』(倉次亨著 佐倉同協社 1891)
倉次亨によるものです。『佐倉市史 巻3』にも多く引用されています。
【資料13】『旧佐倉藩同協社趣意書並諸規則[書写資料]』(同協社中倉次亨 1872)
倉次亨によるものです。趣意書や諸規則、社員名等が含まれています。
インターネット最終アクセス:2023年5月31日
- 回答プロセス
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千葉県関係データベース「菜の花ライブラリー」(https://www.library.pref.chiba.lg.jp/nanohana/index.html)をキーワード「佐倉 茶」で検索し、【資料9】を発見。
また、菜の花ライブラリー十二郡誌人名索引の「倉次 亨」(http://e-library.gprime.jp/lib_pref_chiba/da/detail?tilcod=0000000017-CHB54202)もヒットした。
倉次亨について「旧佐倉藩参事。維新後、旧佐倉藩帰農の同志とともに八街に移住、同協社を設立。農事とくに製茶業に於て成功す」とあるほか、出典として【資料6】が挙げられていた。
千葉県立図書館ホームページ「図書・雑誌・視聴覚資料検索」で、全項目「倉次亨」と検索し【資料2】、【資料10】を発見した。
【資料10】に情報のあった資料として、【資料4】【資料5】を発見。
千葉県資料室開架の佐倉市の歴史の棚を探索し、【資料1】を発見。
そのほか、『満開佐倉文庫 電子図書館』(内田儀久著 中央公論事業出版 2003)を確認。この資料からは佐倉の製茶に関する情報を見つけられなかったが、この資料で紹介している「満開佐倉文庫」のウェブサイト(http://www.mankai-sakura.com/)を、Googleのサイト内検索「同協社」で検索したところ、「郷土資料」(http://www.mankai-sakura.com/kyoudo22.htm)のページがヒット。『房総風雅史』に記載があると書かれていたため、【資料8】を確認した。
国立国会図書館サーチをキーワード「同協社」で検索し、【資料12】、【資料13】を発見。
千葉県立図書館ホームページ「図書・雑誌・視聴覚資料検索」で、資料種別を「千葉県資料」のみチェックし、全項目「製茶」で検索し、【資料7】、【資料11】を発見。
同じくヒットした『千葉県の歴史 通史編近世1』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 2007)p1011-1014「製茶業」を確認したが、近世のことを扱っており、佐倉の製茶に関する記述は見つからなかった。
他の職員からの情報提供で【資料3】を発見。
- 事前調査事項
- NDC
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- 農産物製造.加工 (619 9版)
- 社会福祉 (369 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『近代の佐倉 ふるさと歴史読本』(佐倉市 2001)(0200747593)
- 【資料2】『倉次亨 佐倉市郷土の先覚者』(佐倉市教育委員会 1993)(9200304910)
- 【資料3】「房総のふるさと 郷土の伝統を守る人々』(千葉県農業協同組合中央会テレビ企画班編 多田屋 1972)(9200293129)
- 【資料4】『佐倉市史 巻3』(佐倉市史編さん委員会編集 佐倉市 1979)(9200285190)
- 【資料5】『八街町史』(八街町史編纂委員会編集 千葉県印旛郡八街町 1974)(9200286438)
- 【資料6】『千葉県印旛郡誌 後篇』(崙書房 1971)(9200283024)
- 【資料7】『千葉県の歴史 通史編近現代1』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 2002)(0200785843)
- 【資料8】『房総風雅史』(小倉光夫著 思文閣出版 2003)(0200796800)
- 【資料9】「千葉県史(25)明治編四 前期千葉県の行政機構と産業 (3)佐倉同協社とその茶業」(『房総及房総人』通巻602号 1985.10)p4-19(0501158720)
- 【資料10】倉次重一「西村茂樹と倉次亨」(『弘道』第943号 1989.12)p26-31(9200302827)
- 【資料11】『千葉県の歴史 資料編近現代4 産業・経済』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1997)(0200677603)
- 【資料12】『佐倉同協社茶業輯録』(倉次亨著 佐倉同協社 1891)国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/838465
- 【資料13】『旧佐倉藩同協社趣意書並諸規則[書写資料]』(同協社中倉次亨 1872)早稲田大学リポジトリ http://hdl.handle.net/2065/7698
- キーワード
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- 佐倉藩(サクラハン)
- 士族(シゾク)
- 授産事業(ジュサンジギョウ)
- 製茶(セイチャ)
- 茶業(チャギョウ)
- 倉次亨(クラナミトオル)
- 同協社(ドウキョウシャ)
- 佐倉茶(サクラチャ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000336871