レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/11/11
- 登録日時
- 2022/01/08 00:30
- 更新日時
- 2022/01/08 00:30
- 管理番号
- 牛久-1817
- 質問
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解決
「ずぼんぼ」というおもちゃを初めて聞いた、どんないわれのおもちゃなのか知りたい。
- 回答
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「ずぼんぼ」は天明期以前から浅草寺附近で売られていた江戸玩具の一つ。和紙を細長い箱型にして胴とし、それに手足の重しに蜆(しじみ)をつけて作った獅子や虎などの動物を畳に上におき、あおいで動かし躍らせて遊ぶもの。「ずぼんぼ」は獅子舞の囃子言葉に由来する、または獅子舞を躍らせる時の拍子であったという説がある。
○「ずぼんぼ」について次の資料を紹介。
・『江戸の縁起物』(木村吉隆/亜紀書房/2011.12)…p60-62
・『ふるさと玩具図鑑』(井上重義/平凡社/2011.8)…p40
・『はじめましての郷土玩具』(甲斐みのり/グラフィック社/2015.3)…p78
○追加調査で次の資料にも確認。
・『日本国語大辞典 第7巻』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.7)…p1043
・『日本郷土玩具事典』(西沢笛畝/岩崎美術社/1983)…p55
・『日本人形玩具大辞典』(日本人形玩具学会編/東京堂出版/2019.7)…p180
- 回答プロセス
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1. キーワード「江戸のおもちゃ」「ずぼんぼ」でGoogle検索。
(1)松戸市立博物館ホームページの「第5弾 ずぼんぼをつくって遊ぼう(郷土玩具関連企画)」に「ずぼんぼ」の説明あり。
(https://www.city.matsudo.chiba.jp/m_muse/zubonbo.html)
…「『ずぼんぼ』は和紙でできていて、おもりとして4本の足にしじみの貝殻がついています。うちわで風を送るとふわふわと浮き上がり踊っているように見えます」とあり。「ずぼんぼ」の「しし」と「とら」の写真と、ダウンロードできる型紙あり。
2. フリーワードに「玩具」「江戸」で自館資料検索し、ヒットした書誌情報から請求記号「759」の棚をブラウジング。
(2)『江戸の縁起物』(木村吉隆/亜紀書房/2011.12)
…p62に「安永年間(1772~81)に案出され…(中略)…あそびかたは、小屏風をめぐらして団扇(うちわ)で風を送り躍らせます…(中略)…『ずぼんぼ』の名称は、後世の好事家が命名したもので、起因するところは、獅子舞を躍らせる時の拍子であったと伝えられており」と記載あり。
(3)『ふるさと玩具図鑑』(井上重義/平凡社/2011.8)
…p40に「『ずぼんぼ』は獅子舞の囃子言葉に由来する」と記載あり。
(4)『はじめましての郷土玩具』(甲斐みのり/グラフィック社/2015.3)
…p78に「江戸時代には『浅草寺』の境内で売られていた紙製玩具」と記載あり。
→(2)(3)(4)の資料を紹介し終了。
3. 追加調査で「すぼんぼ」について、国語辞典等の確認のために、請求記号「R813」の棚を、玩具に関する参考資料を確認のために「R759」の棚をブラウジング。
(5)『日本国語大辞典 第7巻』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.7)
…p1043「ずぼんぼ」の項に、「『ずぼみぼう(莟鼈)』の変化した語。『すっぽん(鼈)』の異名。風俗画報156号(1898)人事門『亀の子の形せるもの(之をヅボンボと云う)』」「子どもの遊戯の一つ。和紙を細長い箱型にして胴とし、それに手足の重しに蜆(しじみ)をつけて作った獅子や虎などの動物を畳に上におき、あおいで動かし躍らせて遊ぶもの。浅草名物の玩具。」と記載あり。
(6)『日本郷土玩具事典』(西沢笛畝/岩崎美術社/1983)
…p55「ずぼんぼ(東京都台東区浅草)」の項に、「浅草観音の境内附近で売られてきた江戸の有名な玩具」「『ずぼんぼ』とは獅子舞の囃し言葉から名付けたものといわれている」と記載あり。
(7)『日本人形玩具大辞典』(日本人形玩具学会編/東京堂出版/2019.7)
…p180「ずぼんぼ」の項に、「天明期以前から浅草寺附近で売られていた江戸玩具の一つ」「『ずぼんぼ』の語源は『スッポン』か。幕末ごろ江戸花街の酒席でスッポンの形に作り、京都の座敷歌『ズボンボエ』を伴奏に遊んだのに由来して、後に命名されたものと思われる」と記載あり。参考資料として、(8)(9)の2点あり。
(8)『風俗画報』156号 1900年。
(9)岡村昌夫「葛原勾当と阪谷朗廬--江戸玩具「ズボンボ」別伝」…『日本人形玩具学会会誌』21号/2010年、p.4-14
→以上より、(5)~(7)にも確認。
4. (8)(9)の書誌確認のために、国立国会図書館オンラインでそれぞれ検索。(https://ndlonline.ndl.go.jp/)
→出版年が(5)では1898年、(8)では1900年とあるので、書誌情報を確認。『風俗画報』156号は出版年1898年1月出版とある。「目次」を確認すると「人事門 / p4-18」とある。
→(9)の掲載誌は『人形玩具研究:かたち・あそび:日本人形玩具学会会誌』21号/2010、p4-14とある。
※全ての最終アクセス日は2021年12月3日
- 事前調査事項
- NDC
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- 人形.玩具 (759 10版)
- 辞典 (813 10版)
- 参考資料
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- B10665378 はじめましての郷土玩具 甲斐みのり/著 グラフィック社 2015.3 759.9 978-4-7661-2698-3
- B10624898 江戸の縁起物 木村吉隆/著 亜紀書房 2011.12 759.9 978-4-7505-1128-3
- B10620561 ふるさと玩具図鑑 井上重義/著 平凡社 2011.8 759.9 978-4-582-83536-6
- B10268323 日本国語大辞典 第7巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.7 813.1 9784095210070
- B10019115 日本郷土玩具事典 西沢笛畝/著 岩崎美術社 1983 759.9 9784753412846
- B10822054 日本人形玩具大辞典 日本人形玩具学会/編 東京堂出版 2019.7 759.033 978-4-490-10909-2
- 松戸市立博物館ホームページの「第5弾 ずぼんぼをつくって遊ぼう(郷土玩具関連企画)」 https://www.city.matsudo.chiba.jp/m_muse/zubonbo.html 2021年12月3日
- 国立国会図書館オンライン https://ndlonline.ndl.go.jp/ 2021年12月3日
- キーワード
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- ずぼんぼ
- 江戸のおもちゃ
- 玩具
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000310196