レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年09月25日
- 登録日時
- 2021/10/13 11:12
- 更新日時
- 2022/02/03 10:24
- 管理番号
- 相‐210015
- 質問
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解決
speechという単語を初めて「演説」と訳して輸入したのは福澤諭吉であると聞いたが、(その情報の真偽はともかくとして)近年では外来語を漢訳せずにいわゆるカタカナ語としてそのまま使用するケースが多くなってきた、という変化があるように思われる。このような変化について論じた本があるか知りたい。また、もっと一般に、外来語の輸入に関する歴史について論じられた本があるか知りたい。
- 回答
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・『日本語の乱れか変化か これまでの日本語、これからの日本語』金澤裕之ほか編 ひつじ書房 2021
p.153~172金愛蘭「外来語の氾濫・乱用と叙述語化」に、外来語の使用増加等について記述があります。
・『シリーズ〈日本語の語彙〉 7 現代の語彙』飛田良文ほか編 朝倉書店 2019
p.32~42茂木俊伸「第三章 外来語の氾濫と定着」に、外来語の増加の問題点や辞書・新聞などでの量的変化がまとめられ、参考文献も数多く紹介されています。
・石暘暘「20世紀後半の外来語使用急増の一過程 -外来語「パターン」の増加過程を例に-」『文化』84巻1,2号 p.80-98 東北大学文学会 2020
http://hdl.handle.net/10097/00129707
「パターン」という外来語の使用の変遷を例に、20世紀後半の外来語使用の増加過程について書いた論文です。
2.先行研究で、「20 世紀後半の外来語の急増について、量的な側面において検討したもの」として金愛蘭「20 世紀後半の新聞語彙における外来語の基本語化」『阪大日本語研究』別冊3(2)(本文 http://hdl.handle.net/11094/11330)、橋本和佳『現代日本語における外来語の量的推移に関する研究』が挙げられています。また、「質的な側面において、どのような意味分野の外来語が増加しているのかを検討したもの」として佐竹秀雄「新聞の生活家庭面における外来語」『日本語学と言語学』が挙げられています。
・『国語審議会報告書 20』文化庁編 大蔵省印刷局 1996
・『国語審議会報告書 22』文化庁編 財務省印刷局 2002
『国語審議会報告書 22』p.443~462「国際社会に対応する日本語の在り方」に「Ⅲ 国際化に伴うその他の日本語の問題」として「外来語・外国語増加の問題」が挙げられています。増加の現状(2002年時点)と問題点、考え方がまとめられています。
こちらの答申に関する経過報告や議事録についても全体を通して掲載されています。例えば『国語審議会報告書 20』p.320~321に審議経過報告、『国語審議会報告書 22』のp.292~299に関連の議事録があります。
外来語輸入に関する歴史について、ご参考になりそうな資料は以下の通りです。
・『現代外来語の世界 シリーズ現代日本語の世界4』小林千草著 朝倉書店 2009
第1章、第2章「外来語受容史から辿る「現代」」などで、外来語受容史がまとめられています。
・『外来語の総合的研究』石綿敏雄著 東京堂出版 2001
西洋外来語を中心に外来語の受容史や表記の変容の研究がまとめられています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810)
- 語彙 (814)
- 参考資料
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金澤裕之, 川端元子, 森篤嗣編 , 金澤, 裕之 , 川端, 元子 , 森, 篤嗣. 日本語の乱れか変化か : これまでの日本語、これからの日本語 = Japanese language in transition : rules as we know them, and those yet to come. ひつじ書房, 2021.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I012410540-00 , ISBN 9784823410376 -
飛田良文, 佐藤武義 編集代表 , 飛田, 良文, 1933- , 佐藤, 武義, 1935- , 田中, 牧郎. シリーズ〈日本語の語彙〉 7. 朝倉書店, 2019.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029616209-00 , ISBN 9784254516678 -
石 暘暘 , 石 暘暘. 20世紀後半の外来語使用急増の一過程 : 外来語「パターン」の増加過程を例に. 2020. 文化 = Culture / 東北大学文学会 編 84(1・2) (430・431) p. 63-45
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030767839-00 -
文化庁/編集 , 文化庁. 国語審議会報告書 20. 大蔵省印刷局, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015822683-00 , ISBN 4171914205 -
文化庁/編集 , 文化庁. 国語審議会報告書 22. 財務省印刷局, 2002.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015909714-00 , ISBN 4171914221 -
小林千草 著 , 小林, 千草, 1946- , 佐藤, 武義, 1935-. 現代外来語の世界. 朝倉書店, 2009. (シリーズ〈現代日本語の世界〉 ; 4)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010551000-00 , ISBN 9784254515541 -
石綿敏雄著 , 石綿, 敏雄. 外来語の総合的研究. 東京堂出版, 2001.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010170818-00 , ISBN 4490204264
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金澤裕之, 川端元子, 森篤嗣編 , 金澤, 裕之 , 川端, 元子 , 森, 篤嗣. 日本語の乱れか変化か : これまでの日本語、これからの日本語 = Japanese language in transition : rules as we know them, and those yet to come. ひつじ書房, 2021.
- キーワード
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- 日本語--外来語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000306007