レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年05月05日
- 登録日時
- 2023/03/01 11:30
- 更新日時
- 2023/03/03 13:53
- 管理番号
- 福参-1196
- 質問
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解決
さつまいもの語源が知りたい。
- 回答
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◆参考資料1『日本国語大辞典 第6巻』p.113「さつまいも【薩摩芋・甘藷】」の項目あり。
「ルソン経由で十六世紀末中国福建省に伝わり、慶長二年(一五九七)宮古に、同一〇年野国総官により琉球に、同一七年頃琉球から薩摩に伝わり、元和元年(一六一五)には英国商館員R=コックスが平戸に取り寄せ栽培した。(中略)その名称は出身地・伝来経路に由来し、東日本から近畿・中国にかけて「サツマイモ」、九州北部から山口などにかけて「トウイモ(唐芋)」、九州南部と四国の一部で「カライモ(唐芋)」、九州北西・中国・四国・能登などで「リュウキュウイモ」と称する。(以下略)」の記述あり。
◆参考資料2『たべもの起源事典』p.188-190「さつまいも」の項目あり。
さつまいもの呼称について参考資料1と同様の記述あり。
◆参考資料3『たべもの語源辞典』p.79「サツマイモ【薩摩芋】」の項目あり。
「薩摩では琉球から渡ってきたので琉球芋とよび、琉球では唐土(中国)から渡ってきたので唐芋といった。(中略)江戸時代、島津候のことをからかってサツマイモとよんだ。このイモは薩摩から伝来したということでこの名がついた。」の記述あり。
◆参考資料4『さつまいも』p.61
「呼び名で最も多いのはサツマイモである。この呼び名は“薩摩いも”を片仮名にしただけであるが、誰がいつ頃つけたのかは判然としない。一説によると、薩摩から江戸にサツマイモを導入し、普及させた青木昆陽であるといわれている。史的証拠としては昆陽が将軍吉宗に提出したといわれる上申書には「薩摩いも作り様、功能之儀上書」という題名がついているので、昆陽が関東に広める前に関東にはサツマイモがなかったとすれば、昆陽が命名したことになる。(中略)また昆陽以前に江戸で栽培されたという記録はないが、薩摩から江戸へ入港する船がサツマイモを運んできたのではないかとも考えられる。こうしてみると昆陽が名づける前に、薩摩から持ち込まれた珍しいイモに、船員か江戸市民が名づけたとみる方が妥当ではないかと思われる。(以下略)」の記述あり。
◆参考資料5『日本古典全集 [120]』
p.507-530「重訂本草綱目啓蒙第二 巻之二十三 菜部」に「甘藷」の項目あり。
p.526「甘藷 リウキウイモ サツマイモ シマイモ(以下略)」の記述あり。
◆参考資料6『日本民衆史 7』
p.100-112「一二 下見吉十郎」の章に下記のとおり記述あり。
p.105-106「さて、江戸をたって相模(神奈川県)にはいり、江ノ島弁天を拝み、東海道を西へ西へとあるいて、尾張(愛知県)熱田神宮にまいり、伊勢路(三重県)にはいって伊勢神宮に参拝している。(中略)そこで日記にもう一度「正徳元年十一月二十三にち、薩摩鹿児島伊集院村土兵衛殿より薩摩芋種子所望いたしかえり、近国所々浦々へ作り方伝授披露したこと」をしるしている。(以下略)」
◇参考URL1『さつまいも及びじやがいもの渡来』58コマ
国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館・個人送信限定)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1157702 2022.12.09最終確認)
「享保元年(一七一六年)には島利兵衛によつて琉球から京都へ齎らされた。併しこの利兵衛の移入については二つの説があつて、第一説は當時攝家の一つである一條兼良公に、薩摩宗信卿から、サツマイモを寄進して来たがこれは近國になく、長崎表と薩摩には元禄年中に渡つた物で、甚だ珍品であるとて一條家の領地である南山城相樂郡木津郷脊山村(現京都府相樂郡木津町鹿脊山)の庄屋村役であつた利兵衛を呼び出して試植させ、この年正月栽植、十一月には約十貫収穫した。そこで移入當初は琉球芋と呼んでいたのを、改めてサツマイモと呼ぶこととし、追々遠國にまで擴がるに及んで利兵衛の名が高くなつたというのであり。(以上天保十五年記相樂郡惣代記録)(以下略)」の記述あり。
- 回答プロセス
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①事典類で調べる。
「さつまいも」「甘藷」の項目を確認。
②一般図書で調べる。
自館OPACでキーワード「さつまいも」「甘藷」「歴史」「江戸」「伝来」「渡来」「伝播」等で検索。
関連の書架をブラウジング。
③国立国会図書館デジタルコレクションで調べる。
キーワード「さつまいも」「甘藷」「歴史」「江戸」「伝来」「渡来」「伝播」等で検索。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 10版)
- 参考資料
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- 1.日本国語大辞典 第6巻/小学館国語辞典編集部/編集 第2版/小学館/2001.6/813/1R/96-6 (p.113)
- 2.たべもの起源事典/岡田 哲/編 4版/東京堂出版/2004.3/383/8R/534 (p.188-190)
- 3.たべもの語源辞典/清水 桂一/編 新訂版/東京堂出版/2012.9/383/8R/50 (p.79)
- 4.さつまいも/坂井 健吉/著/法政大学出版局/1999.2/616/8/14 (p.61)
- 5.日本古典全集 [120]/正宗 敦夫/編/現代思潮社/1978/081//33-120 (p.507-530,526)
- 6.日本民衆史 7/宮本 常一/著/未來社/1962.10/382/1/S28 (p.100-112,105-106)
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1.国立国会図書館デジタルコレクション 『さつまいも及びじやがいもの渡来』 日本甘藷馬鈴薯株式会社 編 新生社 1948
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1157702 (58コマ 2023.03.02最終確認)
- キーワード
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- 薩摩芋
- 甘藷
- サツマイモ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000329475