まず呉服という項目ではありませんが、関連する商品の値段の変遷が記載されている資料を紹介します。
・『日本長期統計総覧 第4巻』(日本統計協会 1988.5)
「品目別東京小売価格」(大正13年~昭和42年)の表に「縮緬」および「久留米絣」の一反の値段の変遷が記載されています。
・『値段の明治大正昭和風俗史 続続』(週刊朝日/編 朝日新聞社 1982.11)
「ゆかた」の値段(大正14年~昭和56年)のうつりかわりが記載されています。
・『物価の百年』(大門一樹/著 早川書房 1967.11)
明治から日華事変の間の物価に関する内容を掲載。お調べの年代は大正4年から10年まで、10年以後ならびに昭和元年から日華事変までの個所が該当します。この当時の被服代や「白木綿」の大正8年と11年の比較等が記載されています。なお、巻末には昭和初期の「ちりめん」の価格の変遷も記載されています。
呉服の値段に関しましては、変遷に関する記述はなく、また調査時期に関しましても若干ずれますが下記の資料があります。
・『呉服太物流行柄綴1、2』(関西衣生活研究会 1985)
坂野呉服店 大正6年刊の複製で、明治末期より大正6年に至る当時流行した着尺地360点の色彩や価格等を記載した資料。
・『呉服太物流行柄綴3』(関西衣生活研究会 1985)
上記の資料の解説で、記載されている相場については、「最高価格45円90銭No.325鎧織袴地八王子産、着尺地43円No.221優秀織八王子産。最低価格1円90銭No.44岩国縮岩国産、1円95銭No.40漣織遠州産」と記述されています。この後に「日本銀行調査部によると物価指数は、昭和9年~11年を基準として、大正11年は1.54倍、昭和58年現在においては1,504倍とする」と記述されています。
このほか呉服の値段については、『織布工塲の合理化と原価計算』(喜多卯吉郎/著 紡績織布研究社 1932 請求記号:786/31/#)、『織物常識』(津田次作/著 杉山書店 1933 請求記号:786.6/77/#)などの資料がありますが、内容が原価計算の方法等に関するものであまり参考にはならないかもしれません。
最後に直接呉服の値段とは関わりがありませんが値段の変遷に関する資料を紹介します。
・『値段の明治・大正・昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1981.1 請求記号:337.8/37)
・『値段の明治・大正・昭和風俗史 続』(週刊朝日編 朝日新聞社 1981.10 請求記号:337.8/37)
※背広の値段変遷(明治初年~昭和55年)の記載があります。
・『値段の明治・大正・昭和風俗史 完結』(週刊朝日編 朝日新聞社 1984.2 請求記号:337.8/37)
※学生服の値段変遷(大正10年~昭和57年)の記載があります。
・『値段史年表 明治・大正・昭和』(週刊朝日/編 朝日新聞社 1988.6 請求記号:337.8/25N)
※上記『値段の明治・大正・昭和風俗史』の年表を収録。
・『新値段の明治・大正・昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1990.1 請求記号:337.8/37)
※学生服の値段変遷(昭和10年~平成元年)の記載があります。
・『物価の世相100年』(岩崎爾郎/著 読売新聞社 1982.7 請求記号:337.8/73N)
明治から昭和55年まで各年ごとに数点の品目の値段や世相を記載した資料。
以上参考までに記しました。