レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年12月11日
- 登録日時
- 2011/09/13 11:53
- 更新日時
- 2011/09/13 11:53
- 管理番号
- 9000006221
- 質問
-
解決
ありんす詞(廓詞)の使い方を知りたい。また、登場人物がありんす詞を使っている小説を紹介してほしい。
- 回答
-
ありんす詞の文法については『時代考証事典 続』(稲垣史生著 新人物往来社 1985年)、『江戸の女ことば:あそばせとアリンスと』(杉本つとむ著 創拓社 1985年)に掲載がある。また、吉原を舞台にした小説でありんす詞を使用しているものとしては、『吉原手引草』(松井今朝子著 幻冬舎 2007年)等がある。他の資料については照会資料をご覧ください。
- 回答プロセス
-
1.『国史大辞典』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1984年)の索引から「ありんす詞」を検索し、4巻の「廓詞」の項を確認。「廓詞」は近世、遊里などが使っていた特殊なことば。里ことば、アリンスことばともいう。吉原の廓詞は、当時流行していた六法詞(ろっぽうことば)を基とし、京の島原の廓詞を取り入れたものといわれる。
2.『時代考証事典 続』(稲垣史生著 新人物往来社 1985年)→16「吉原総説」の「吉原の言語」の項を確認。p400-402に解説、p402-406に「ありんす語文法」がある。
3.『江戸の女ことば:あそばせとアリンスと』(杉本つとむ著 創拓社 1985年)→第3章「エロスとユマニスムの女ことば」に「アリンス詞の世界」の項があり、使い方についても記述がある。
4.吉原を舞台にした小説として、次の資料を紹介。
・『吉原手引草』(松井今朝子著 幻冬舎 2007年)
・『吉原御免状』(隆慶一郎著 新潮社 1986年)
・『勝山心中』(押川国明著 講談社 2001年)
・「蕭蕭くるわ噺」「剣鬼と遊女」(『剣鬼と遊女(旺文社文庫)』(山田風太郎著 旺文社 1984年)収載)
- 事前調査事項
-
「たけくらべ」『にごりえ・たけくらべ(岩波文庫)』(樋口一葉作 岩波書店 1999年)、『五番町夕霧楼(新潮文庫)』(水上勉著 新潮社 1979年)では使われていなかった。
- NDC
-
- 語彙 (814 9版)
- 参考資料
-
- 『時代考証事典 続』(稲垣史生著 新人物往来社 1985年) (p402-406)
- 『江戸の女ことば:あそばせとアリンスと』(杉本つとむ著 創拓社 1985年) (p236-284)
- 『吉原手引草』(松井今朝子著 幻冬舎 2007年)
- 『吉原御免状』(隆慶一郎著 新潮社 1986年)
- 『勝山心中』(押川国明著 講談社 2001年)
- 「蕭蕭くるわ噺」「剣鬼と遊女」(『剣鬼と遊女(旺文社文庫)』(山田風太郎著 旺文社 1984年)収載)
- キーワード
-
- ありんす詞
- 廓詞
- 里詞
- 花魁詞
- 江戸時代
- 吉原
- 遊女
- 隠語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
『日本国語大辞典』第1巻(小学館編集・発行 2000年)p661の「ありんす」の項の語誌によると、「吉原の廓言葉を「ありんす言葉」と称するのは江戸期には一般的でなく、明治以後使用されたもののようである。」
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 日本語(方言等)
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000090985