レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年01月19日
- 登録日時
- 2015/04/16 10:18
- 更新日時
- 2016/02/03 11:19
- 管理番号
- wul-20150119-00
- 質問
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解決
中国明代の王陽明『象祠記』の日本語訳があるはずだと思うが見つからない。
- 回答
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猪口篤志『新釈漢文大系 第56巻 続文章規範 上』(参考資料1)に日本語訳が記載されている。読み下し文のみであれば、安岡正篤 監修『王陽明全集 第7巻 外集』(参考資料2)にもある。
- 回答プロセス
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1.WINE(早稲田大学蔵書検索)
・キーワード検索「象祠記」→なし。
・著者名検索「王 陽明」→訳文は見つかるが、「象祠記」掲載の判断はつかない。『王陽明全集』(参考資料2)が見つかる。
2.国立国会図書館サーチ
・キーワード検索「象祠記」→以下がヒット。古いものばかりか。
新釈漢文大系 56/文章軌範講義 続(興文社,興文社編輯所 編 興文社 1933)(参考資料1)
漢文叢書 : 詳解全訳 第6巻(友田, 宜剛 至誠堂 1927)
四朝名家文鈔(慶応義塾大学,慶応義塾大学 編 慶応義塾出版局 1920)
文章必読 : 大学漢文(松平, 康国, 1863-1946,牧野, 謙次郎, 1862-1937,松平康国, 牧野謙次郎 編 早稲田大学出版部 1913)
3.国立国会図書館のリサーチナビ「哲学・思想分野の著作の現代語訳、書き下し文を探す」(参考資料3)
全集や叢書の存在を確認
4.『続文章規範』について確認
『漢籍解題事典』(『新釈漢文大系』別巻、2013)によると、
「明の明文選集。七巻。趨守益(一四九一 ー 一五六二)の撰。《中略》この書は明の世宗の嘉靖三十三年(一五五四)に金陵(南京)で刊行されたが、日本では《中略》荻生徂徠以後頼山陽に至って一般読者層が拡大し、注釈書は明治以後に至っても続出した。」との事。NDLサーチで明治期の書籍が多いのは、このあたりまでよく読まれたという事か。『王陽明全集』の底本は四部叢刊『王文成公全書』との事だが、こちらとの異同までは不明。
5.まずは、『新釈漢文大系 第56巻 続文章規範 上』『王陽明全集 第7巻 外集』の現物を確認することとした
・『新釈漢文大系 第56巻 続文章規範 上』 → 現代日本語での訳文あり。白文、読み下し文、語釈、通釈(p.204~213)。明代の名文選集『続文章規範』を読み下し、訳出、解説したもの。
・『王陽明全集 第7巻 外集』(参考資料2) → 読み下し文と白文のみ。
6.国立国会図書館のリサーチナビ「哲学・思想分野の著作の現代語訳、書き下し文を探す」で挙げられていた全集・叢書のいくつかを確認
『陽明学大系』→ 掲載なし(これを増補したものが『王陽明全集』と思われる)
『中国古典文学大系』、『世界の名著』→ ざっと見た感じでは掲載がない。
7.『翻訳図書目録』『全集・合集収載翻訳図書目録』を確認
王陽明の立項はあるが、象祠記は立項なし。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- (1)猪口篤志『新釈漢文大系 第56巻 続文章規範 上』(明治書院, 1977) (http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1023490~S12*jpn)
- (2)王陽明全集. 第7巻 / 安岡正篤 監修(明徳出版社, 1985.12) (http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1192562~S12*jpn)
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(3)国立国会図書館リサーチナビ「哲学・思想分野の著作の現代語訳、書き下し文を探す」
http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-610.php
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 学内
- 質問者区分
- 専任教員
- 登録番号
- 1000171068