レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/02/13
- 登録日時
- 2023/03/09 00:31
- 更新日時
- 2023/03/09 00:31
- 管理番号
- 6001059838
- 質問
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解決
見立番付の順位の見方を知りたい。
- 回答
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見立番付の順位について記載のある資料は次のとおり。
■『大江戸まる見え番付ランキング:番付から江戸っ子の暮らしが見えてくる! (Gakken Mook)』(小林信也/監修 学研パブリッシング 2013.6)
「番付を知る4 番付の見方指南 実際に見立て番付を見てみよう」(p.18-19)の中に「番付の見方はカンタン!」として4つのポイントが挙げられています。序列についてはポイントの3つめに「序列を見る。文字が大きいものほど序列が上。上段右端が1番」とある。(p.18)
また、同じく「番付を知る4 番付の見方指南 実際に見立て番付を見てみよう」(p.18-19)には次の記載がある。
「相撲番付の場合は、東方が西方より格上にみなされるが、見立番付はそうとは限らない。たとえば、おかずの番付では、東方が『精進方』(野菜)、西方が『魚類方』(動物性タンパク質)となっており、種類で分けられているようなものもある。大関・関脇・小結・前頭と順番に格が下がり、文字も小さくなっていくのは相撲番付と同じだ。相撲番付と違ってユニークなのが、行事を務めるのは、役に振り分けるのが難しい、その番付のテーマの中では権威的存在だったり、ダントツでトップを独走する対象物だったりすること。」(p.18)
p.19には「江戸自慢名代名物ひとり案内」を例に、番付の見方がまとめられている。
たとえば、「東西の序列」として「ランキング対象物は右に東方、左に西方と左右に振り分け、対象物を最新の順位によって並べてある。」とあり、「役と項目、名前」として「同格のものが対象の位置にくる。大関からはじまり、文字の大きさは役が下になるほど小さくなる。」とある。
■『番付で読む江戸時代』(林英夫/編 柏書房 2003.9)
青木美智男「第一編 時代・社会・庶民の世界を映す見立番付」(p.7-40)の「情報としての見立て番付」の項(p.8-15)に次の記載がある。
・見立番付の「一枚の紙面に描かれるのは、ある事柄に関する情報である。ときにはニュース性を持つものもあるが、取り上げられた事柄については、暮らしのさまざまな分野におけるニーズに応えて作成され、その内容は広い範囲にわたる。しかもそれらを東西の大関・関脇・小結、前頭、上段、二段目、三段目と下がるにつれて文字が小さくなるように配列されているのが特色で、間違いなく一つの価値判断を伴う情報伝達の方法である。そこには緊急性はない。どちらかといえば、『遊び心』を背景にしているものが多数を占める。その『遊び心』と一定の価値観に基づいて提供される情報、そのないまぜ的な効果こそが、見立番付の面白さの根源である。しかし時にニュース性と効用優先の番付もあり、読者に一定の影響力を発揮することを見逃してはならないが、そのさい芝居番付に見立てた上下段だけの二者択一方式ではなく、延々と上から下へ続く順列にこそ関心がそそがれるのである。」(p.11、14)
・「そして紙面は、東西を分ける中央の『柱』に、きまって、『為教訓』、『為御覧』などと、相撲番付の『蒙御免』に代わる表現が大きく描かれ、その下に、行司、頭取、世話、差添、勧進元(本)などが鎮座して、そこには価値判断をするにふさわしい人物・団体・商店などの名や、誰しもがそうであろうと認める事物名が認められていて、その内容の正確性と信用性を高める工夫がなされているのが普通である。」(p.14)
[事例作成日:2023年2月13日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 参考資料
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- 大江戸まる見え番付ランキング 小林/信也∥監修 学研パブリッシング 2013.6 (18-19)
- 番付で読む江戸時代 林/英夫∥編 柏書房 2003.9 (11、14)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000330037