レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年11月09日
- 登録日時
- 2012/11/09 11:10
- 更新日時
- 2012/11/14 11:36
- 管理番号
- 20121109-1
- 質問
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解決
研修医の労働者性について初めて判断を示した裁判の内容と判例評釈を知りたい。
- 回答
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平成13年8月29日の大阪地裁堺支部における判決 事件番号:平成12年(ワ)第326号 事件名:『関西医科大学研修医(未払賃金)事件』
「研修医は、研修目的からくる自発的な発意の許容される部分を有し、特殊な地位を有することを否定できないが、全体として他人の指揮命令下に医療に関する各種業務に従事しているとして、その労働者性を肯定して、原告らの請求を認めた事例」
また判例評釈としては、下記の文献などが見つけられる。
・小俣勝治.判例解説:研修医の労働者性判断と「使用従属性」--関西医科大学研修医(未払賃金)事件(最高裁二小平成17.6.3判決).労働判例 (899), p.5-12, 2005.
- 回答プロセス
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・新聞記事データベース 日経テレコム21を使って記事検索。
『研修医』 and (『裁判』 or 『労働者』) で以下のような記事を見つけることができる。
1.日本経済新聞 2002/02/26 朝刊 p.39.
・大阪地裁、研修医の過労死認定――背景に過酷な労働実態、不安定な身分、改善急務。
2.日本経済新聞 2002/10/01 大阪朝刊 p.16.
・北大阪労基署、研修医の労災初認定――判定の基準緩和で。
3.日本経済新聞 2003/08/30 朝刊 p.39.
・共済加入させず死亡、「研修医は労働者」――大阪地裁支部、関西医大に賠償命令。
4.日本経済新聞 2005/06/05 夕刊 p.18.
・「研修医は労働者」認定――過労死巡り賃金請求訴訟、最高裁が初の判断。
1の記事については 2002-02-25 の大阪地裁の判決であることから LEX/DBデータベースで検索。
・著名事件名:『関西医科大学研修医(過労死損害賠償)事件』
【一審】
・裁判日:平成14年2月25日 大阪地裁 事件番号:平成11年(ワ)第4723号
【控訴審】
・裁判日:平成16年7月15日 大阪高裁 事件番号:平成16年(ネ)第955号
【上告はなく確定】
4の記事については 2005-06-03 の最高裁の判決で上記事件とは別個の裁判であることを確認。
・著名事件名:『関西医科大学研修医(未払賃金)事件』
【一審】
・裁判日:平成13年8月29日 大阪地裁堺支部 事件番号:平成12年(ワ)第326号
【控訴審】
・裁判日:平成14年5月9日 大阪高裁 事件番号:平成13年(ネ)第3214号
平成14年(ネ)第107号
【上告審】
・裁判日:平成17年6月3日 最高裁第二小法廷 事件番号:平成14年(受)第1250号
また判例評釈としては、LEX/DBインターネットの上記最高最判決の評釈等所在情報の表示として、
・小俣勝治.判例解説:研修医の労働者性判断と「使用従属性」--関西医科大学研修医(未払賃金)事件(最高裁二小平成17.6.3判決).労働判例 (899), p.5-12, 2005.
・水町 勇一郎.労働判例研究:第1038回(1118)研修医の最賃法・労基法上の労働者性--関西医科大学研修医(未払賃金)事件--最二小判平成17.6.3.ジュリスト(1299),p.180-183,2005.
ほか5件が列挙されている。
ほかにも CiNii Articles を使って「関西医科大学研修医」で検索をかけると15件の文献が見つかる。
( http://ci.nii.ac.jp/search?q=%E9%96%A2%E8%A5%BF%E5%8C%BB%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E7%A0%94%E4%BF%AE%E5%8C%BB&range=0&count=20&sortorder=1&type=0 参照2012-11-08)
- 事前調査事項
- NDC
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- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 9版)
- 労働経済.労働問題 (366 9版)
- 参考資料
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- 1.塚田真紀子.医者を“殺すな!”.日本評論社,2009,244p. (《本学所蔵 498.14//Ts52》)
- キーワード
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- 著名事件
- 労働裁判
- 労働基準法
- 最低賃金法
- 過労死
- 労働判例
- レジデント
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 判例
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000113876