レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/09/23
- 登録日時
- 2014/12/05 00:30
- 更新日時
- 2014/12/05 00:30
- 管理番号
- 6001005494
- 質問
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解決
性的少数者の人権運動の象徴として6色のレインボーフラッグが用いられているが、その由来とどのように性的少数者の人権運動に広がっていったのかを調べています。
- 回答
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次の雑誌記事が比較的よくまとまっていると思われます。
「History Gay right: A Rainbow Marriage ゲイの象徴はなぜ虹色の旛なのか」
社会 同性愛者が誇らしげに振るレインボー・フラッグがLGBT社会のシンボルになった歴史とは(『Newsweek(日本語版)』V.28(28)<1358> 2013.7.23 p.57)中之島所蔵【P05/126N】貸出不可
昔から同性愛者は鮮やかな色を身に着けひそかに性的嗜好を伝え合ったこと、ホロコーストの強制収容所では男性同性愛者にピンクの三角形の胸章をつけさせたことから「ピンクトライアングル」は同性愛者の象徴になったこと、虹が同性愛者の象徴として広まったのは70年代に入ってからであり、虹の旗の起源は78年にサンフランシスコのアーティスト、ギルバート・ベイカーがデザインした8色の旗とされており、それが現在の6色になったこと、78年にハーヴェイ・ミルクが暗殺されると抗議デモで旗が掲げられたこと、ポップカルチャーでは50~60年代の同性愛社会の大スター、ジュディ・ガーランドと彼女が歌う「虹の彼方に」が「虹と同性愛」を結びつけたこと、等が書かれています。
また、旧約聖書には大洪水の後に箱舟を下りたノアに神が平和を約束して空に虹を懸けたこと、16世紀ドイツの宗教改革運動で聖職者トーマス・ミュンツァーが神は自分たちの味方であると主張するために虹の旗を振ったこと、60~70年代のヒッピーも反戦デモで虹の旗を掲げた、等多様性の象徴でもある、と続いています。
『アメリカのゲイたち: 愛と解放の物語』(栗木千恵子/著 中央公論社 1996.3)【367.9/162N】貸出可
まえがき(p.3)に、10行足らずですが 「ドロシーの友人」という言葉が同性愛者を指すのは「オズの魔法使い」の主人公に由来し、主題歌「虹の彼方に」も人気があること、最初のレインボーフラッグは1978年ギルバート・ベーカーがデザインしたが現在は6色であること、などが書かれています。
当館が契約しているデータベース「聞蔵II ビジュアル」では、朝日新聞・朝日新聞デジタル・アエラ・週刊朝日の記事が収録されていますので、「レインボーフラッグ」「ギルバート・ベイカー(ベーカー)」のキーワードで検索したところ、2014年6月23日から7月4日まで「虹をたどって」という10回の連載がありました。記者が「虹」をテーマに、物理学・社会学・地震学・芸術等の観点から取材したコラムです。
そのうち、次の2件をご紹介します。
第7回 つながらなきゃいられない(2014年7月1日 夕刊 2総合面)
1978年、ギルバート・ベーカー氏が最初の旗を染めて縫い上げたことが書かれています。
第8回 そこにはすべての色がある(2014年7月1日 夕刊 2総合面)
最初は8色だったが染色ができなかったため6色になったこと、1994年南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ氏が大統領就任演説で「すべての南アフリカ人が世界とも平和に共存する『虹の国』をつくることを制約する」と述べたことが書かれています。
当館が契約している「毎索」(毎日新聞・週刊エコノミストを収録)では、「人種融和を示す6色の南ア国旗(通称レインボーフラッグ)」という説明がありました。(「マンデラ元南ア大統領:英雄、故郷で静かにー東ケープ州ルポ 2012.01.19 東京朝刊 国際面)(2014/9/24現在)
※南アフリカ共和国の国旗は6色ですが、「虹」の模様ではありません。
その他、インターネットでは次の2つのブログが詳しいです。
1)「タディの国旗の世界 レインボーフラッグへのとまどい2 『虹の街』サンフランシスコ」の後半(2014/9/20現在)
http://www.worldflags.jp/blog/6006/
1978年、1989年の事件からレインボーフラッグが広がっていったことが書かれています。
2)「ジオサイト レインボーカラーにまつわるいろいろや、パレードのこと」の前半(2014/9/20現在)
http://www.go-revolution.com/rainbow.html
1969年ゲイ・アイコン存在のジュディ・ガーランドの死亡とストーンウォール事件、1970年のゲイパレードで「オーバーザレインボー」が歌われたことが書かれています。
その他の資料、また主として当館請求記号367.9(性問題・性教育)の図書を探しましたが、見つけられませんでした。
『セクシュアリティ基本用語事典』(ジョー・イーディー編著 2006.12)【367.9/386N】貸出不可
項目なし
『<同性愛嫌悪(ホモフォビア)>を知る事典』(ルイ=ジョルジュ・ダン編 明石書店 2013.7)【367.9/475N】貸出不可
項目なし
なお、
1)WorldCat(Online Computer Library Center (OCLC) に参加する71,000以上の図書館の蔵書を目録化した総合目録)
2)Amzon.com(US)
3)Amzon.co.jp(日本)
で「レインボーフラッグ」「Rainbow flag」を探したところ次の2冊を見つけましたが、国内所蔵は確認できませんでした。(いずれも2014/9/19現在)
『Rainbow flag』(Surhone Lambert M./編 Betascript Publishing 2013.9 72p) 英語(2014/9/19現在)
ISBN: 9786130318789
レビューがないため内容はわかりませんが、表紙から「レインボーフラッグ」についてだと推察されます。
『Rainbow flag: We the people say no to the Bush Agend』(Jesse Russe/編 Book on Demand Ltd. 2012.2 100p) 英語(2014/10/9現在)
ISBN: 9785510655605
レビューがないため内容はわかりませんが、表紙に「7色のレインボーフラッグ」が描かれています。出版国はアメリカだと推察されます。
参考までに、以下に調査の経過をお知らせします。「レインボーフラッグ」「ギルバート・ベイカー(ベーカー)」で検索しましたが、0件か、ご依頼の回答にはならなかったものです。(いずれも2014/9/18現在)
当館契約データベース
1)ELNET ELDB(全国新聞・雑誌記事紙面データベース)
2)MGAZINEPLUS(一般誌から専門誌、大学紀要、海外誌を収録)
3)CiNii Articles(学協会誌・大学研究紀要・国立国会図書館雑誌記事索引等、学術論文情報に強い。当館は有料記事も検索できます)
4)雑誌記事索引集成データベース(明治から現在までの雑誌記事索引)
5)Japan KnowledgeプラスNRK(『日本国語大辞典』など、各種辞書・辞典類を一括して検索できる)
6)The Sankei Archives(産経新聞データベース)
7)ヨミダス歴史館(読売新聞データベース)
その他
1)CiNii Books、CiNii Articles
2)Google Books
[事例作成日: 2014年9月23日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 家族問題.男性.女性問題.老人問題 (367 8版)
- 参考資料
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- アメリカのゲイたち 栗木/千惠子∥著 中央公論社 (3)
- Newsweek CCCメディアハウス 28(28)<1358> (57)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物・団体
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000164025