レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年3月24日
- 登録日時
- 2018/05/10 16:19
- 更新日時
- 2021/05/18 09:40
- 管理番号
- 県立長野-18-013
- 質問
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解決
南箕輪村の馬場家に関する記載で以下の資料に馬場美濃守や馬場家に関する記載があるか。
・『長野県町村誌3 南信篇』長野県編・刊 1936
・『長野県上伊那誌4 人物篇』上伊那誌編纂会編 上伊那誌刊行会 1970
・『南箕輪の史跡』南箕輪村誌編纂委員会編 南箕輪村誌刊行委員会 1979
・『図説「夜明け前」の栞』北小路健著 国書刊行会 1973
- 回答
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『長野県町村誌 第3巻 南信篇』長野県編 名著出版 1973 (1936年長野県刊の復刻版)【N290/33a/3】を見るが、「馬場民部少輔」「馬場美濃守」「馬場信房」「馬場信春」に関しての記載は確認できない。
なお、『長野県町村誌 第1巻 北信篇』(1936年長野県刊の復刻版)【N290/33a/1】を見ると、次の村の「管轄沿革」に「馬場美濃守」「馬場信房」の名が見える。
p.1237-1238「孟津村」、p.1250「牧田中村」、p.1253「弘崎村」、p.1257「吉原村」、p.1259「竹房村」、p.1262「住平村」、p.1265「高野村」、p.1282「三水村」
また、『長野県上伊那誌4 人物篇』【N242/32/4】p.325-329 に馬場姓の人物の記載があった。
なお、以下の依頼の資料には「馬場家」に関する記載が確認できなかった。
・『南箕輪の史跡』【N242/78】
・『図説「夜明け前」の栞』【N902/72】
上記資料以外で記載が確認できたものは、『信州新町史 上巻』【N212/148/1】p.359で、
三河長篠において信房の戦死後、武田勝頼は、信房の男民部少輔信春をもって深志城将とし、
百五〇騎を付し、従来とおり、信春に牧之島城将を兼ねさせた。
とあり、武田氏滅亡に当たっては、p.364に
木曽筋鳥居峠から攻め入った織田源五郎長益は深志城を攻撃した。この時深志城を守っていたのが
馬場信春であるが、衆募敵しないのを知って、同城を長益に渡して離散したが、後敵のため捕らえら
れて殺された。
との記載がある。
なお、同じ内容が、『更級埴科地方誌 第2巻』更級埴科地方誌刊行会編 1978【N215/32/2】p.1047の「第一節 織田氏の北信制圧 一 織田勢の北信攻略」にある。
『上水内郡誌 歴史編』上水内郡誌編纂集会編・刊 1976【N212/93/2】p.633に
牧之島城(平城) (-前略-) 永禄九年武田信玄馬場信房に命じて築城し、信房百五十騎を以て之
を守る。天正三年五月信房三州長篠の役に戦死し、その男民部少輔之に代る。天正十年三月武田勝
頼天目山に敗死し、織田信長の所領となり、(-後略-)
とある。
『角川日本姓氏歴史人物大辞典 20』 角川書店 1996【N288/158】p.889に馬場美濃守の末裔として中野市壁田の馬場家が挙げられており、
長篠の戦いに敗れた美濃守の九人の子の一人が先祖と伝える。地内の集落の西の丘陵上に武田氏
が築いた壁田城があり(-中略-)しかし寛政一二年に村中相談のうえ名主を一名として年番制に
し、馬場儀左衛門が名主になった。儀左衛門は了本を名乗り、石田梅厳のはじめた心学の門人で
あった。天保六年には壁田に心学明学舎を設立している。
とある。
『中野市誌 歴史編 前編』中野市誌編纂委員会編 中野市 1981【N213/58/2】のp.786-790に上記の馬場儀左衛門に関して、「馬場了本(馬場儀左衛門)」の項に、心学講舎「明孝舎」を設立した旨の記載がある。
- 回答プロセス
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1 依頼の資料で「馬場家」に関する記載を調査する。
『長野県上伊那誌 4 人物篇』に掲載を確認するが、『長野県町村誌 3 南信篇』『南箕輪の史跡』『図説「夜明け前」の栞』には、馬場家に関する掲載が見当たらない。
2 馬場美濃守に関しては、『武田家家臣の系譜』服部治則著 岩田書院 2007【210.47/ハハ】p.244-248に、
だだしその実名は区々で、必ずしも一定しない。諸書に最も多く記されているのは信房で、その次
に氏勝が多い。そのほか信武、信政などと記すものもある。『甲州国志』は信州下之郷起請文の永禄
十年(一五六七)に馬場美濃守信春があるから正しいとし、これに従って現在山梨県では一般に信春
で用いている(-中略-)長野県側では武田滅亡時における深志の城将馬場民部少輔を信春とし、美濃
守を信房としている。
とある。
3 『長野県歴史人物事典』神津良子編 郷土出版社 1989【N283/13】より「馬場」で検索し、馬場信房が美濃守、民部少輔、信春とあり深志城代、信州牧之島城代とあり、牧之島城が現在の長野市信州新町となるため、『長野県町村誌1 北信篇』『信州新町史』『上水内郡誌』を検索し、掲載を確認する。
4 信州新新町は更科郡にも関係するため、『更級埴科地方誌』を見る。同じ内容を確認する。
5 長野県内の馬場姓に関して『角川日本姓氏歴史人物大辞典20』を調査し、末裔に関する記載を確認する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 日本 (281 10版)
- 参考資料
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長野県/編 , 長野県 , 長野県. 長野県町村誌 第1巻 北信篇. 長野県町村誌刊行会, 1936-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059397202-00 (【N290/33a/1】) -
上伊那誌編纂会/編 , 上伊那誌編纂会 , 上伊那誌編纂会. 長野県上伊那誌 4. 上伊那誌刊行会, 1970-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059339336-00 (【N242/32/4】p.325-329) -
信州新町教育委員会信州新町史編さん委員会/編 , 信州新町教育委員会信州新町史編さん委員会. 信州新町史 上. 信州新町, 1979-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059084612-00 (【N212/148/1】p.359) -
更級埴科地方誌刊行会/編 , 更級埴科地方誌刊行会. 更級埴科地方誌 : 原始古代・中世編 第2巻 . 更級埴科地方誌刊行会, 1978-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059339686-00 (【N215/32/2】p.1047) -
上水内郡誌編集会 編. 長野県上水内郡誌 歴史編. 上水内郡誌編集会, 1976.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001228661-00 (【N212/93/2】p.633) -
竹内理三 [ほか]編纂. 角川日本姓氏歴史人物大辞典 20. 角川書店, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002541302-00 , ISBN 4040022009 (【N288/158】p.889)
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長野県/編 , 長野県 , 長野県. 長野県町村誌 第1巻 北信篇. 長野県町村誌刊行会, 1936-00.
- キーワード
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- 馬場美濃守
- 馬場家
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000235511