レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/24
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001052451
- 質問
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解決
温泉で石けんを使うと、汚れが落ちにくいのはなぜか。
- 回答
-
温泉に含まれるカルシウムやマグネシウムなどが石けんの成分に反応して水に溶けない沈殿物が生じ、洗浄力が低下するためです。
以下の資料に記述がありました。
<図書>
・『水の総合辞典』(水の総合辞典編集委員会/編 丸善 2009.1)
p.271-272「せっけん」の項に「カルシウムやマグネシウムなどのイオンを含む温泉や硬水中では不溶性の金属せっけんを生じ、洗浄力が落ちる。」という記述があります。
・『最新水の雑学がよ~くわかる本:ポケット図解(Shuwasystem Science Guide Book)』(杉山美次/著 秀和システム 2012.9)
p.32に「温泉で石けんを使うと、泡立ちが悪く汚れが落ちません。これは、温泉にカルシウムやマグネシウ(原文ママ)が溶け込んでいて、石けんの成分と反応して水に溶けない沈殿物をつくるからです。」という記述があります。
同頁の石けんの注釈に「高級脂肪酸のナトリウム塩。硬水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと反応して難溶性の塩を生じ、洗浄力が低下する。」という記述があります。
・『こわくない有機化合物超入門:口紅からダイオキシンまで身近なものから理解する(知りたい!サイエンス128)』(船山信次/著 技術評論社 2014.5)
p.124-125に「温泉や海水などカルシウム塩やマグネシウム塩を含むいわゆる硬水で石けんを使おうとすると、石けんがこれらの金属塩と反応して、そのカルボン酸の金属塩部分がカルシウム塩やマグネシウム塩となってしまいます。これらのカルボン酸のカルシウムやマグネシウム塩は水に不溶性ですから、石けんの役を果たさなくなります。これが、海水や一部の温泉などにおいて石けんが使えない理由です。」という記述があります。
<WEB>
・日本石鹸洗剤工業会広報誌 CLEAN AGE 208号(2021/10/24現在)
https://jsda.org/w/06_clage/4clean_208-2.html
「よく知られていることですが、ヨーロッパなどに行ってみるとバスルームで石けんを使っても、ほとんど泡が立たないといったことがあります。ヨーロッパに行かなくても、国内の温泉でも同様の経験をしたという人もあるはずです。これは、カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)のイオンを多く含む硬水の特徴です。」「硬水では石けんの泡立ちは悪いけれど、体を洗った後のさっぱり感がよいという人もありますが、泡立ちが悪いのは、硬水で石けんを溶かすと、Ca、Mg が石けんと結合して金属石けんを生じるからです。金属石けんは水に溶けないために、純石けん分がもっている本来の機能を失うことがあり、界面活性剤の効果を低下させることがあります。」という記述があります。
[事例作成日:2021年10月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 無機化学 (435 10版)
- 有機化学 (437 10版)
- 河海工学.河川工学 (517 10版)
- 参考資料
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- 水の総合辞典 水の総合辞典編集委員会∥編 丸善 2009.1 (271-272)
- 最新水の雑学がよ~くわかる本 第2版 杉山/美次∥著 秀和システム 2012.9 (32)
- こわくない有機化合物超入門 船山/信次‖著 技術評論社 2014.5 (124-125)
- https://jsda.org/w/06_clage/4clean_208-2.html (日本石鹸洗剤工業会広報誌 CLEAN AGE 208号(2021/10/24現在))
- キーワード
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- 石けん(セッケン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308083