レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/08/07
- 登録日時
- 2012/09/30 02:00
- 更新日時
- 2012/10/10 13:06
- 管理番号
- 6000008861
- 質問
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解決
東京帝国大学の卒業者名簿が成績順に記載されていたと聞いた。それについて書かれた本はないか。
- 回答
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寺崎昌男『東京大学の歴史』(講談社)や天野郁夫『増補 試験の社会史』(平凡社)、中野実『東京大学物語』(吉川弘文館)で、卒業生の席次が成績順であったことが述べられている。
- 回答プロセス
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googleで「東京帝国大学 卒業 成績順」等で検索し、ヒットしたサイトを参照すると、大正中頃までそういう慣行があったようである。そこで当館の蔵書を書名「東京大学」で検索し、該当する図書を確認すると、『東京大学の歴史』(講談社)『東京大学物語』(吉川弘文館)に記述が見られた。また『東京大学物語』に挙げられていた文献『試験の社会史』(平凡社)にも同様の記述があった。
googleの検索結果にレファレンス協同データベースの事例https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000069878があり、あわせて紹介した。また近代デジタルライブラリーhttp://kindai.ndl.go.jp/では『試験の社会史』で参照されている『東京帝国大学五十年史』上冊も閲覧することができる。そこで触れられている学期末の成績掲示については「法理文三學部に共通の規則」の第3項「試業及證書」改訂後の「試業及學業證書」にある条々が参考になる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 大学.高等.専門教育.学術行政 (377 9版)
- 教育学.教育思想 (371 9版)
- 参考資料
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- 『東京大学の歴史』寺崎 昌男/[著](講談社) (p163)
- 『東京大学物語』中野 実/著(吉川弘文館) (p36)
- 『試験の社会史』天野 郁夫/著(平凡社) (p169)
- キーワード
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- 東京帝国大学
- 東京大学
- 卒業
- 高等教育
- 学歴
- 歴史
- 学校
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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『東京大学の歴史』p163
ついでながら、一九一八年までの東京大学卒業生の成績順位は今でも一目で分かる。『東京帝国大学一覧』の卒業者名簿が、五十音順でもイロハ順でもなく成績順だからである。翌一九一九年度(大正八)から改められて五十音順になったが、それも、先述の評議会規定によるものだった。
『増補 試験の社会史』p169
期末には「必ス学業ノ優劣ニ随テ列次スル各生徒ノ級表」が、科目別の成績評点つきで掲示されることになっており、また開成学校時代と同様『大学一覧』中の在学者・卒業者名簿も、すべて成績順に記載された。この成績順の記載方式は、その後長く、大正期まで続くことになる。
『東京大学物語』p36
右の「卒業生全員の氏名」はその名のとおり、明治九年の薬学科卒業生から大正七年までの卒業生一覧であり、東京大学卒業生調べの必携になる。また、この年版までの氏名録は卒業成績順に掲載されており、卒業順位は一目瞭然となる。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000111960