レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/11/10
- 登録日時
- 2016/12/22 00:30
- 更新日時
- 2016/12/22 00:30
- 管理番号
- 北方 16-0033
- 質問
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解決
青森県下北半島に10~11世紀頃の遺跡があり、チャシと呼ばれている。
その遺跡は北海道のチャシと同一のものなのか知りたい。
具体的には、どういう形状のもので、どこにあるのかがわかると良い。
- 回答
-
東北地方のチャシについてまとまった資料は発見できず。 全般的なチャシについて記述のある資料によると、道外にもチャシとよばれる遺跡は複数存在す
るものの、それが北海道のチャシとまったく同一のものであることの根拠は存在しない。 東北地方の例をあげると、明治以後に東北の「館」を、北海道での呼び名にならってチャシとよ
んだとのこと。
また、東北のチャシで最古のものについて、「青森県上北郡砂子田盛喜山チャシで、これは舌状
台地の基部を切ってその中に竪穴住居のあるもの」との記述がある。
・『アイヌのチャシとその世界』(回答資料1)
p9~10「チャシの分布」(河野常吉著) p95~124「東北地方におけるチャシ論史考」(本堂寿一著)
p129~143「チャシの縄張りと分布」(村田修三著) p141「図34青森県の鉢巻式・チャシ類似の館 p326~331「主要参考文献」
・『知られざる中世の北海道 チャシと館の謎にせまる』(回答資料2)
p6~11「チャシの起源とその成立過程について」(右代啓視著)」
p7~8「南からの文化の流れ」には「10世紀後半になると東北地方北部に環濠集落・防御
性集落、高地性集落といわれる遺跡の分布がみられる。(中略)青森県の砂沢平遺
跡、明前館遺跡、高屋敷館遺跡、蓬田大館遺跡など代表的なものが上げられる。」 p11「チャシの成立過程と北と南の文化のながれ」
・『北海道チャシ学会々報 通巻23号』(回答資料3) p95~98「東北の古城址と北海道のチャシとの関係」(室谷精四郎著)
・『世界大百科事典 18 改訂新版』(回答資料4) p139「チャシ」 「東北地方北部、サハリン、千島列島にも分布が知られている」
・『世界大百科事典 17 改訂新版』(回答資料5) p316「たて(館)」 「北海道に分布するチャシとも深い関係をもち、北海道た東北地方など蝦夷地に固有なものであると考えられた。」
そのほか参考資料のとおり調査したが、関連の記述は発見できず。
なお、具体的な形状や立地についての記述は発見できず。
- 回答プロセス
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以下の資料も参考資料として紹介する。
1 『アイヌ伝承と砦(チャシ)』
(宇田川 洋∥著 北海道出版企画センター 2005.12 請求記号:ア.3/U 資料ID:1108592260)
2 『チャシ考』(藤村/久和//著 北海道学芸大学札幌分校寮連合 請求記号:ア.52/C 資料ID:1109583458
- 事前調査事項
- NDC
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- 民族学.文化人類学 (389 7版)
- 参考資料
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- 1 アイヌのチャシとその世界 北海道チャシ学会∥編 北海道出版企画センター 1994.6 ア.52/A p9-10,95-124,129-143,326-331
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2 知られざる中世の北海道 チャシと館の謎にせまる 北海道開拓記念館∥編集 北海道開拓記念館 2001.9 069/HO/52-イ p6-11 -
3 北海道チャシ学会々報 通巻23号 北海道チャシ学会事務局 1987.3 Z304 p95-98 -
4 世界大百科事典 18 改訂新版 平凡社 2007.9 031/SE/18 p139 -
5 世界大百科事典 17 改訂新版 平凡社 2007.9 031/SE/17 p316 -
1 アイヌ伝承と砦(チャシ) 宇田川 洋∥著 北海道出版企画センター 2005.12 ア.3/U -
2 チャシ考 藤村/久和//著 北海道学芸大学札幌分校寮連合 ア.52/C
- キーワード
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- チャシ
- 下北半島
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 北海道から文化が南下していったのではないかとの説もある。
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000204237