レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/07/05
- 登録日時
- 2024/03/29 00:30
- 更新日時
- 2024/04/16 10:35
- 管理番号
- 参調 23-0042
- 質問
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解決
漢字の「顳」の成り立ちを教えて頂きたいです。
※顳?(こめかみ)に使われている漢字で、単独で「ショウ」と読むものです。
●その質問の出典や情報源、調査済み事項など
質問者が地元の図書館でレファレンスをお願いした際に、
「『広辞苑』を引いたところ『和名類聚抄』の3巻に記載があるようだ」との回答があったそうです。
- 回答
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『大漢語林』「顳」の項には「こめかみ。物をかむとき動く、目のわきの部分。また、その骨」とあり、解字としては「音符の聶(ジョウ)はささやくの意味。人がささやくときに使う頭の部分、こめかみの意味を表す。」とある。
『角川大字源』「顳」の項には「意符の頁(かお)と、音符の聶(口が動く意=囁)とから成る。顔の、食物をかむとき動く部分、こめかみの意」とある。
「顳」という漢字のへんとつくり、それぞれについて調べると、『新大字典』の「頁」の項より、「字義①かしら。こうべ。」、「聶」の項より「字義①ささやく。④動くさま。」とあり、この二つの漢字の組み合わせから「食物をかむ(ささやく)とき動く頭の部分」を表して成立した漢字と考えられる。
※漢字における意味を表す部品を意符(いふ)と呼び、音を表す部品 を音符(おんぷ)と呼ぶ。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 7版)
- 参考資料
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- 大漢語林 鎌田正/著 米山寅太郎/著 大修館書店 1992.4 813.2/D
- 角川大字源 尾崎雄二郎[ほか]/編 角川書店 1992.2 813.2/KA
- 講談社新大字典 上田万年[ほか]/共編 講談社 1993.3 813.2/KO
- 新潮日本語漢字辞典 新潮社/編 新潮社 2007.9 813.2/SH
- キーワード
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- 顳 漢字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 利用者がタイトルを挙げていた『和名類聚抄』については、国会デジタルコレクションで閲覧可能だが、全文漢文資料、かつ掲載箇所がわからないため当館所蔵の字典を活用した。
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000348203