レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/01/10
- 登録日時
- 2015/04/03 00:30
- 更新日時
- 2015/04/03 00:30
- 管理番号
- 6001006617
- 質問
-
解決
「事非経過不知難」という文が含まれる漢詩について、前後の文が知りたい。
インターネット情報(http://blog.goo.ne.jp/inghosono/e/e5774377ef3fa9dc74a036004d8cdb04)では、
陸游の「書到用時方恨少、事非経過不知難」とあるが、確認できなかった。
- 回答
-
・『实用汉语名人名言四百例』(黎端明,齐世昌/著 新世界出版社 2002.1)
p.240-241 400例の中に「书至用时方恨少、事非经过不知难」が挙げられていました。出处の項目に「出自≪古谚≫」と書かれています。
・『ことわざ研究資料集成:続第15巻』(ことわざ研究会/編集 大空社 1996.9)
p.107, 191 ここには『北京官話俗諺集解』『支那常用俗諺集』の二編が収録されており、お尋ねの句が掲載されています。
『支那常用俗諺集』には「書到用時方恨少、事非経過不知難」という項目があり「書物は要る時になって始めて其の少さを恨み事は過ぎ去った後でなければ、その難しいことは分らない」と書かれています。
『北京官話俗諺集解』には「書到用時方恨少、事非経過不会知」という項目があり「書ハ用フル時ニ至レバ少キヲ恨ミ、事は経過スルニ非ザレバ会得セラレズ。人ハ書ヲ多ク読ミ広ク世ノ事に通スベキヲ云フ」と書かれています。最後の二文字が合致していませんが、参考までに紹介しました。
その他「書到用時方恨少」につきましては下記の資料に記載がありました。
・『中国名言名句の辞典』(尚学図書/編集 小学館 1989.1)
p.779 「書は用うる時に至りて方(まさ)に少なきを恨む」という項目があります。そこには「書到用時方恨少。[俗諺(ぞくげん)]人は本を多く読まないと、必要な時がさしせまってはじめて自分の知識の少なさを悔しく思う。本を読んで勉強することの大切さを言うことわざ。「恨」は悔しいという意。」と書かれています。
「事非経過不知難」についての記載はありませんでした。
なお、出典が陸游との説につきましては、一説には陸游の作とするを含めてインターネット上に掲載されています(事前調査のとおり)。
そこで活字資料を調査しましたが、見つかりませんでした。
下記の資料に内容がやや近いと思われる記述がありました。最後に紹介します。
・『陸游詩選』(陸游/著] 岩波書店 2007.12)
p.251 「冬夜読書示子聿」の其三の解説に「書物から得たことは、結局は浅薄のものだと悟り、大切なのは実践だと悟り、大切なのは実践だと、わかるようになる」と書かれています。
[事例作成日:2015年1月10日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 人生訓.教訓 (159)
- 参考資料
-
- 实用汉语名人名言四百例 黎端明,齐世昌∥著 新世界出版社 (240-241)
- ことわざ研究資料集成 続第15巻 ことわざ研究会∥編集 大空社 (107,191)
- 中国名言名句の辞典 尚学図書∥編集 小学館 (779)
- 陸游詩選 陸/游∥[著] 岩波書店 (251)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000170291