当館所蔵資料をお調べしたところ、氏名等の僅かな記述がある資料は確認することができましたが、詳しい経歴を確認することはできませんでした。
氏名等が確認できた資料について、参考までにご紹介します。
■記述を確認できた資料
・『染ひとすじ 渡辺弥五郎と足利染色史』(足利染色史編集委員会/編 足利染色協同組合 1971)
黄綬褒章を受章した渡辺弥五郎氏の活動を中心に、足利の染色工業の歴史をまとめた資料です。
p.58-64「黄金時代」の項に、大正七、八年頃の足利の主だった染色業者が町別に記載されており、「緑町」の項に「小川幸染色」とあります。(p.59)
また、p.176-196「組合員名簿」の項には、昭和16年6月30日時点で足利染色工業組合に所属する人物の氏名が一覧になっており、p.177に「小川幸三郎」の名前と足利市緑町の住所があります。
なお、p.106-108に昭和二十五年頃の足利の染色工場の一覧もありますが、この中に小川氏の名前は確認できませんでした。
・『両毛機業大観』(岡田重五郎/著、発行 1917)
p.70-74「足利の機業 九、足利に於ける染色業」の項に、「小川染色工場 足利緑町」があり、工場主である小川氏について6行程度の記述がありますが、詳しい経歴は確認できませんでした。(p.72)
なお、当資料にはp.16-32「足利の機業 二、足利機業史略と人物」、p.39-45「足利の機業 四、覚醒せる加工業者と人物」等の人物に関する項目がありますが、これらの項には黒田氏や小川氏の記述は確認できませんでした。
・『栃木県營業便覧 復刻版』(城北逸史/編著 吉本書店 1978)
明治40(1907)年に全国営業便覧発行所から発行されたものを復刻した資料です。
栃木県各町の店舗等の並びを記録した略図が収録されており、「足利町」はp.94-216に掲載があります。
p.106の大通り二丁目付近に「綿糸商 黒田市五郎」とあるほか、p.151の西之宮町付近に「染色業 小川幸三郎」とあります。
なお、「緑町」周辺のページも調査しましたが、小川氏の名前は確認できませんでした。
■そのほかの資料
以下の資料もお調べしましたが、関連の記述は確認できませんでした。
・『野州紳士録』(金澤源太郎/編 野州新聞社 1915)
・『下野名鑑』(三古谷雄/編 下野通信社 1925)
・『栃木県歴史人物事典』(栃木県歴史人物事典編纂委員会/編集 下野新聞社 1995)
・『足利の人物』(宇賀神利夫/著 新日本政治経済研究会 1960)
・『足利の人脈 江戸時代から現在まで』(下野新聞社/編、発行 1979)
・『足利市史 下巻』(足利市/編、発行 1929)
・『栃木縣史 第10巻(産業・經濟編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
・『栃木県史 通史編7』(栃木県史編さん委員会/編 栃木県 1982)
・『栃木県農地改革史』(栃木県農務部/編、発行 1954)
・『足利織物沿革誌 全』(荒川宗四郎/編 両毛実業新報社 1902)
・『明治初年の足利地方における織物業』(藤恭吉/著 有斐閣 1961)
※「社会経済史学」26巻6号より自館複製した資料になります。
・『地場産業の町 3』(板倉勝高/編著 古今書院 1985)
・『日本農村工業史研究 桐生・足利織物業の分析』(市川孝正/著 文真堂 1996)
・『日本産業金融史研究 織物金融篇』(山口和雄/著 東京大学出版会 1974)