レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年04月20日
- 登録日時
- 2023/09/29 13:18
- 更新日時
- 2023/11/06 15:00
- 管理番号
- 中央-1-0021672
- 質問
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未解決
『武蔵国郡村誌』2巻p343以降の高木村の内容を解読している。p345に「人口」の項目があるが、この人口に子どもがふくまれているかが知りたい。
- 回答
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所蔵資料や『武蔵国郡村誌』の研究論文等を確認したが、質問の回答となる資料は見つからなかった。参考になりそうな、回答プロセスにある○印をつけた資料を紹介した。
- 回答プロセス
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インターネット情報の最終アクセス確認日:2023年9月29日
●所蔵の地域資料を検索する。
○『武蔵国郡村誌 第1巻』埼玉県/編纂 埼玉県立図書館 1953年
p13に凡例があるが、人口については「戸数人口舟車牛馬等は総て明治9年1月1日の現在を載す」としか書かれていない。
○『新編埼玉県史 別編5 統計』埼玉県/編集 埼玉県 1981年
p1-36「統計編解題」内 p4「戸口調査」
明治5年に行われた戸口調査の結果。p5-6に表あり。この内訳をみると14歳以下の人数が書かれているので、子どもも含んだ調査だということが分かる。ただし、「出生洩れや死亡洩れが生じ、結婚や離婚による変動も正確には記録されたとは限らず、現実と一致しないことがあったと推察される」など、正確な統計でないことにも言及されている。調査対象の図書ではないが、参考となると思われる。
p8「皇国地誌(武蔵國郡村誌)」
郡村誌が作られた経緯などが書かれているが、人口が子どもを含んだ数かは分からない。
別冊付録「町村編制区域表 武蔵国郡村誌による現住人口 市町村別人口推移」がついているが、人口の詳細について記述はなし。
○『埼玉県行政史 第1巻 明治維新から近代的行政への軌跡』埼玉県/編集 埼玉県 1989年
p320-321 郡村誌の編集
郡村誌の編集は、明治8年6月5日の太政官達「皇国地誌編輯例則幷着手方法」及び11月12日の太政官達「地誌編著例追補」を受けて始まったこと、取調項目に人口が含まれていることは記述されているが、子どもの人口を含むかどうかは書いていない。
×『埼玉県史料叢書 1』埼玉県/編集 埼玉県 1994年
p73-86 史誌編輯沿革 草稿
特にヒントになる記述もなし。
●武蔵野国郡村誌の研究論文などをあたってみる。
・【レファ協】埼玉県における『皇国地誌』について、①編纂状況がわかる資料、②地元保存史料の保存状況、③復刻状況がわかる資料を探している。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000037681
このなかで、「①埼玉県における『皇国地誌』の編纂状況について、重田正夫「埼玉県における皇国地誌の編輯課程」(『文書館紀要 第18号』埼玉県立文書館 2005)p13-46に詳しくまとめられている。」とあるため、当該資料を確認する。
○『文書館紀要 第18号』埼玉県立文書館/編集 埼玉県立文書館 2005年
※国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/pid/10196515/1/1)でもログインなしで閲覧可能。
p13-46「埼玉県における皇国地誌の編輯過程」重田正夫
地誌編纂にあたり、埼玉県がどのような姿勢で臨んだか、どのような現地調査を実施したか、地域による調査の進み具合など、詳しく記述されているが、人口に子どもが含まれているかは分からない。
p39-40「まとめにかえて」では、この論文の要旨が7つのポイントにまとめられている。
p40「表1 地誌編輯例則の比較」
国、埼玉県、熊谷県の例則の比較が書かれている。「人数」の項目をみると、国と埼玉県の例則がほぼ同一であることが分かる。
出典に、「国 明治8年6月5日 太政官達第97号別冊「皇国地誌編輯例則」のうち第1号村誌」と書かれている。
●明治8年6月5日太政官達第97号を調べる
国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/pid/787955/1/373)でログインなしで閲覧可能。
○『法令全書 明治8年』内閣官報局 明20-45
374コマ目 調査項目「人数」について記述あり。
「男幾口、華族幾口、氏族幾口、平民幾口、女幾口、上ニ倣ヘ、総計幾口等ノ類、他出寄留幾人、男云々、女云々、外寄留幾人、同上、但同上」とあるのみで、子どもを含めるかどうかはわからない。
●Googleで「武蔵国郡村誌 人口」をインターネット検索
○一橋大学機関リポジトリ
谷口忠義/著「『武蔵国郡村誌』の史料的価値~薪炭史の視覚から~」『一橋論叢』第121巻6号,p957-969,1999年
(https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/10653/ronso1210602110.pdf)
p1に次の記述あり。
「「皇国地誌」は,明治政府の地誌編纂事業のひとつであり、表式調査形式で実施された。各府県では政府への進達した控を残しており、『武蔵國郡村誌』はその控の翻刻版である。「皇国地誌」の調査項目は、明治8年6月5日 太政官達第97号によって各府県に初めて示された。」
●国立公文書館デジタルアーカイブ(https://www.digital.archives.go.jp/)
前述の『文書館紀要 第18号』の出典に記載のあった「皇国地誌編輯例則」を検索
○「皇国地誌編輯例則并着手方法附例則追補・二条」
デジタル資料を閲覧でき、5コマ目に人数についての記述があるが、子どもを含むかは分からない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 地方自治.地方行政 (318)
- 参考資料
- キーワード
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- 武蔵国郡村誌
- 高木村
- 人口
- さいたま市西区
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339090